コロナ禍でテレワークを導入する会社が増えたことで、新入社員の周知が難しくなっています。そこで活躍するのが「社内報」です。社内報に新入社員の自己紹介を載せれば、対面する機会がなくてもほかの社員に知ってもらうことができ、仕事でやり取りする際などに声をかけやすくなるなどのメリットがあります。
社内報の制作に携わる担当者は、社員の自己紹介をコンテンツに盛り込むことが多いのではないでしょうか。しかし、どのような切り口にすれば読んでもらえるのかと悩んでいる人もいるかもしれません。
本記事では、社内報で自己紹介を書く際のポイントを紹介します。メリット・デメリットをふまえ、楽しんで読んでもらうためのネタについて解説していきます。
目次
社内報の自己紹介が重要な理由
社内報に社員の自己紹介を載せることは、アピールの場にもなります。その社員がどんな人物なのか知ってもらうことができ、入社したばかりの社員は既存社員に知ってもらえるきっかけとなります。全ての社員に入社の挨拶ができなくとも、社内報であれば各自が手の空いたときに目を通すことができるので、全体に周知することが可能です。
まずは、社内報で自己紹介をすることで得られるメリットについてみていきましょう。
社員間の会話が広がるきっかけになる
社内報に自己紹介を取り入れることで、社員同士のコミュニケーションのきっかけとなります。同じ会社で働いていても、普段会話をするのは業務上の話だけで、プライベートな会話をすることはあまりないかもしれません。社内報に新入社員の自己紹介を掲載することで、共通の趣味や特技が見つかり、既存社員が新入社員に話しかけやすくなるでしょう。
また、新型コロナウイルスの流行によりテレワークを導入する会社が増え、社員間のコミュニケーション不足が課題となっています。以前までは、会社の飲み会も頻繁に行われ、仕事の悩みからプライベートなことまで話す機会がありましたが、そのような場も失われ、社員同士コミュニケーションを取り辛い環境になっています。社内報の自己紹介は、コロナ禍のコミュニケーションツールとしても有効です。
社員が会社に溶け込みやすくなる
社内報で自己紹介を行うことで、全社員が新入社員を認知し顔見知りになれます。既存社員が新入社員に声をかけやすくなり、話しかけられた社員は緊張がほぐれて会社に溶け込みやすくなるでしょう。普段なかなか関わらない他部署の人なども、小さなきっかけがあれば急激に距離を縮めることができるようになります。
新入社員が自己紹介するメリット
テレワークが普及したことにより、人間関係の構築や周囲から仕事の進め方について教えてもらうことが難しく、特に新入社員が置き去りとなっていることが課題となっています。しかし、社内報で自己紹介をしてもらうことで彼らの存在をアピールでき、周りが気に留めるようになるため、コミュニケーション不足の解消につながることが期待できます。
中途採用の社員が自己紹介するメリット
中途採用の社員が入社してくると、周りは「なぜこの会社に入社してきたのだろう」「前職は何をしていて、この会社で何が活かせるのだろう」と興味を持ちます。そのため、社内報に自己紹介を載せれば多くの社員が目を通し、彼らの経歴を知ることができます。
注目を浴びているからこそ、中途採用の社員は前職の経験やこれまでの実績をアピールする良いチャンスとなるのです。中途採用の社員は新入社員と違い、即戦力として期待されています。どんな業種でどんな業務に携わってきたのか、これまでの経験や実績をアピールしてもらうことが大切です。
社内報での自己紹介のポイント
社内報の自己紹介は、基本情報だけでなく社員の個性やキャラクターがわかるように記載することが重要です。とくに新入社員の場合、一度に何人も入社してくるため、みんな同じような内容では読む側も飽きてしまい印象にも残りません。社内にアピールしてもらうためにも、文章を工夫することが大切です。
基本情報は抜かりなく入れる
基本情報は抜かりなく記載してもらうようにしましょう。名前・生年月日・年齢・出身地・出身大学・学生時代に取り組んだこと・配属先は最低限伝える必要があります。名前は呼び間違いを防ぐためにふりがなもあるとよいでしょう。
出身地や出身大学を書いておくと、同じ出身地や出身大学の社員から話しかけられやすくなり、コミュニケーションのきっかけとなります。年齢が離れていたり部署が違ったりしても、話しかけやすいネタなので必ず書いてもらうようにしましょう。
謙虚な文章を意識する
社内報で自己紹介を書く時は、謙虚な文章になるよう指導しましょう。謙虚な姿勢を見せると、ほかの社員へ良い印象を与えられます。
そもそも謙虚な文章とは、抱負や目標を高く設定しすぎていない文章です。一見、目標を高く持てば先輩社員や上司の目を引きそうですが、意欲が強すぎるとてかえって先輩を批判しているように受け取られることも。本人のやる気はもちろん大事ですが、生意気だと思われない内容にすることは今後のコミュニケーションのためにも大切です。
また、新入社員らしい前向きな姿勢がみられればなお良い印象を持たせることもできるでしょう。最後には「ご指導のほどよろしくお願いいたします」などと一言つけくわえることもポイントです。
自身の性格や目標について触れる
基本的な情報だけでは、新入社員の魅力を十分に伝えることができないため、性格や目標についても書いてもらいましょう。
新入社員がどんな性格であるのかわかれば、既存社員も話しかけやすくなるはずです。より伝えやすくするポイントは、性格にまつわるエピソードも織り交ぜること。具体的な話があればその人となりや雰囲気がより伝わりやすくなります。
ここで注意したいのは目標設定の高さ。目標を高く持つのは良いことですが、無謀な目標を平然と言ったり、礼儀がなっていなかったりする文章は社内で煙たがれる恐れがあります。また、達成できなかった時に上司から「あの時の勢いはどこにいった?」と指摘されてしまう場合も。
新入社員であれば「まずは誰よりも大きな挨拶を心がけます」「お客様の顔と名前を早く覚えられるようにがんばります」など、謙虚さを意識した内容にするよう指導しましょう。
業種に合う内容を心がける
業種に合った内容を会社の特色に沿って書いてもらうことで、社員の目に留まりやすくなります。得意分野やこれまでに携わってきたことなどが書いてあれば、周りもその内容に合わせて仕事を任せやすくなるでしょう。
ベンチャー企業であれば仕事を通してどんなことにチャレンジしていきたいか、クリエイティブな業種であればこれまでに研究したことや開発に携わりたいことなど、自身の希望を仕事に結びつけてアピールしてもらうと良いでしょう。
社内報の自己紹介に使えるネタ
社内報の自己紹介は、多くの人の目に留まることで覚えてもらいやすいメリットがあります。逆を言えばつまらない自己紹介は誰にも見てもらえず全くアピールできないこともあるため、多くの人の目に留まるよう人を惹きつけるネタを入れることが大切です。ここでは、どんなネタが興味を持ってもらいやすいのか紹介します。
【基本情報ネタ】学生時代に取り組んでいたこと
学生時代に取り組んでいた部活動やゼミなどに触れてもらうと、同じ共通点を持った社員が話しかけやすくなります。
例えば、新入社員が「学生時代はマラソン部に所属し、箱根駅伝に出場した経験もあります」と触れれば、同じくマラソンが趣味の社員や、箱根駅伝のファンの社員から話しかけられるでしょう。「サッカーを小学生の頃から現在に至るまで続けています」と書けば、会社の部活動や個人でサークルを行っている社員から声がかかるかもしれません。1つのスポーツを長く続けていたのなら、上司から根性がありそうだと評価され、仕事を任される可能性も考えられます。
また、ゼミについて触れれば、大学OBの社員から「◯◯教授元気?」と声をかけられて話が弾むことや、研究テーマが仕事に役立つこともあるかもしれません。
【定番ネタ】これからトライしたいこと
仕事や私生活において、これから挑戦したいことを書いてもらうのも良いでしょう。
仕事面では「新製品の開発に携わりたい」「顧客の心を掴めるような営業マンになりたい」など、意欲をアピールしてもらうのも有効です。それを見た人事担当者がいずれ希望の部署への異動を考えるかもしれませんし、上司がより丁寧に指導にあたるようになるかもしれません。私生活では、「筋トレをして腹筋を割ってみたい」と目標を立てる社員がいれば、周りから進捗状況を聞かれたり、筋トレをしている社員からアドバイスがもらえたりして、コミュニケーションが増えることも考えられます。
【個人ネタ】幼少期や青春時代のエピソード
幼少期はどんな性格だったのか、青春時代はどんな生活を送っていたのかエピソードを交えて書いてもらうと目に留まりやすくなります。
例えば、「幼少期は引っ込み思案な性格でしたが、父の仕事柄転勤が多く、転校を繰り返すうちに自分から話しかけて友達を作るように努力をし、今では初対面の人とも気軽に話せるようになりました。」などと書いてあれば、「話しやすい人なのかな?」と親近感もわいてくるでしょう。
【個人ネタ】趣味や考え方など個性が伝わる内容
趣味ネタは話題になりやすいため、必ず記入項目に取り入れましょう。キャンプが趣味であれば、同じ趣味の人からどういった場所に行くのか、道具は何を使っているのかなど話題にしやすくなります。それが上司であっても、趣味の話であればそれほど構えずに話すことができ、新入社員も打ち解けやすくなるでしょう。
また、新入社員の考え方を伝えるために尊敬する歴史上の人物やビジネスパーソン、座右の銘などを書いてもらうのも、周りに価値観を共有しやすく有効です。ただし、あまりにマイナーなネタだと誰も触れることができず、「扱いにくそうだな」と思われてしまうケースも。社内報を担当する方は一歩ひいた視点でアドバイスしてあげられると良いでしょう。
社内報の自己紹介を動画にするアイデアも
社内報の自己紹介は、ペーパーやWeb上だけでなく動画にするというアイデアもあります。動画であれば、文面よりもパーソナリティや個性が出やすいので、社員に周知するには有効な手段です。
「社内報を動画に?」と思われるかもしれませんが、最近では社内ポータルサイトやSNSに動画を載せる企業も増えてきています。その背景に、素人でもスマートフォンや専用アプリで動画編集が簡単にできるようになっていることが挙げられます。
しかし、いざ社内報を動画にしようとしても編集技術がなかったり、一定のクオリティの動画をコンスタントに配信するためには時間も労力もかかったりするでしょう。
動画なら自己紹介のストーリー性が高まる
動画は動きがあるため人の目をひきつけます。また感情移入しやすくなったり、記憶にも残りやすかったりと、文章のみの場合にはないメリットがあります。
動画にすることで新入社員の感情が伝わりやすくなり、ストーリー性も高まります。ドキュメンタリー映像のような企画も面白いかもしれません。一見「暗そう」「性格がきつそう」と思われてしまいそうな社員も、動画で自己紹介をすれば個性や雰囲気を伝えられ、既存社員の記憶にも残りやすくなるでしょう。
活字離れしている世代からもウケやすい
現在はYouTubeやTikTokなど、娯楽目的だけでなく情報を得る目的で視聴する人も増えてきています。情報の受け手はただ文章を読むよりも、動作や感情が入る動画の方が伝わりやすく親しみやすいのです。紙ベースや社内ポータルサイトで文字を羅列しているだけでは、見る気が失せてしまう自己紹介も、動画にすることで活字離れしている世代からも見てもらえるようになるでしょう。
また、デジタルネイティブ世代であれば、文字を書くより動画で伝えるほうが慣れているという人もいるでしょう。そのため、より魅力的な自己紹介ができることも考えられます。
まとめ
社内報に新入社員や中途採用社員の自己紹介を掲載すると、社員全員に顔や名前を覚えてもらいやすくなります。特にテレワークを導入している会社では、社員全員の前で自己紹介するタイミングが難しいため、社内報に自己紹介を掲載することは有効です。自己紹介で共通の話題を見つけた既存社員は声をかけやすくなり、新入社員も声をかけられることで緊張が和らぎコミュニケーションが円滑になっていきます。新入社員の個性や性格がわかるよう自己紹介の内容に個性を出したり、動画を活用したりして、楽しんで見てもらえるように工夫してみてください。
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