社内報は、社内の情報共有やコミュニケーション促進に活用されるツールです。
社内報を作るには、文章を書いたり、掲載する写真を撮ったりする必要があります。中でも、写真は一番先に目が留まる部分でもあり、誌面の出来栄えを左右します。「プロのような写真を撮るには、どうすれば良いのだろうか」と悩む担当者も少なくないのではないでしょうか。
この記事では、社内報の写真撮影に必要な準備をはじめ、カメラやスマホの使い方のコツを紹介します。写真は撮り方ひとつでクオリティが変わるので、効果的な撮影方法を知っておくとさまざまなシーンで活用できます。社内報を活用し、読者である社員の心をつかむ写真を撮りたいという方は必見です。
目次
社内報の写真を撮影する前に押さえておきたいポイント
社内報に掲載される写真は、多くの社員の目に留まります。重要な役割をもっている写真を撮影する前に、おさえておきたいポイントを見ていきましょう。
社内報に掲載する写真の重要性を認識する
写真は、社内報においてとても重要な役割をもっています。社内報に掲載される写真のクオリティが、みんなに見てもらえる社内報になるかどうかを左右するでしょう。ジャンルを問わず多くの情報があふれる中で、文章だけでは伝わりにくい情報を正確に伝えるためにも、写真は大切な要素です。
社内報の写真撮影をする前に、写真のもつ重要性を再認識し、多くの社員に読んでもらえるよう、事前にしっかり構想を練りましょう。
撮影したい写真のイメージを明確にする
社内報に適した写真を撮影するためには、写真のイメージを明確にすることがポイントです。例えば、トップメッセージで使う写真の場合、真剣な表情の社長の写真にすると、真剣な想いが伝わります。反対に笑った顔であれば、未来に向けた明るいメッセージを伝えられるでしょう。
他にも、社内報のどのページに配置にする写真なのかを明確にする必要があります。そして、何を伝える写真なのか、社内報を見た人にどんな印象をもってほしいのかなど、写真のイメージを明確にすることも重要なポイントです。
社内報の写真撮影の準備
社内報の写真撮影を成功させるためには、準備が欠かせません。撮影現場の下見や環境整備、機材の準備など、撮影準備のポイントについて解説していきます。
撮影現場の下見をする
まず本番の撮影前に、撮影現場の下見を行いましょう。この場合、撮影する時間と同じ時間帯に行くことをおすすめします。光の入り方によって、バックに写る風景や人の表情などの印象が変わり、事前に必要な照明器具も準備できるからです。
外光の影響を受けない室内はあまり気にならないのですが、大きな窓がある部屋や屋外では、季節や時間の違いで光の方向が大きく変化します。周囲に光を反射するようなガラスや鏡、壁があると写真の仕上がりに影響する可能性もあるでしょう。
現場の下見では光の方向性を確認し、光の反射が写真に影響しないかどうかを確認します。過去に撮影したことがある場所でも環境が変わっている可能性があるため、どんな場合でも下見に行きましょう。
撮影現場の環境を整備する
撮影現場の下見の際に、写ってはいけないものはないか、安全面は大丈夫かなど、撮影環境についてもしっかり確認して整備しましょう。
例えば、背景に他社の看板が写り込む、デスクの上に重要書類が置いてある、といったことは後々トラブルになりかねません。撮影する場所や方向を変えたり、事前に撮影する旨を周知したうえでデスクや部屋の片付けをしてもらったりするなど、撮影環境を整えることも大切な撮影準備のひとつです。
被写体の人物は服装や身だしなみを整える
被写体が人物の場合、表情ももちろん大切ですが、服装や身だしなみも整えましょう。
シャツが出ていないか、襟元やネクタイがよれていないか、ボタンをしっかり留めているか、だらしなく見えないか、チャックはどこまで上げるかなど、細かい部分まで確認が必要です。他にも、髪型や眼鏡の高さ、ポケットに物が入っていて膨らんでいないかなど、被写体全体を見るように意識して、気になるところは整えてあげましょう。
整えるときは、「ネクタイを直させてもらいます」など整える部分を言葉にして伝えると、被写体は動かなくてもいいという意図が伝わりやすくなります。無言で整えるのではなく、ぜひ一声かけるように意識してみるといいでしょう。
撮影機材を整備する
準備が整ったら、撮影機材を整備しましょう。
社内報の写真撮影に必要な機材は、カメラまたはスマホ、三脚、照明やレフ板、バッテリー・メモリカードなどです。さまざまな種類のカメラが各メーカーから販売されていますが、デジタルミラーレスやデジタル一眼レフなどが初心者でも使いやすくておすすめです。また、最近ではスマホのカメラ機能も向上しているので、カメラがない場合はスマホを活用してもいいでしょう。
準備不足によって、「カメラの充電がなかった」「予備のバッテリーやメモリーカードを忘れた」「前回の撮影データが残っていて、カードの容量がいっぱいだった」など、撮影できない事態を招いてしまう可能性もあります。このようなトラブルが起きないよう、カメラやスマホの充電や動作を撮影前に確認し、必ず持ち物チェックをしましょう。
社内報用写真の撮り方のポイント
社内報では職場紹介などで複数人の集合写真が掲載されることが多いです。いざ撮影してみると、顔がはっきり写っていない、全体のバランスが悪い、表情が堅いなど、良い写真を撮るのが難しいこともあります。ここでは、集合写真をとるときの基本的なポイントについてみていきましょう。
全員の顔が認識できるように撮影する
社内報の集合写真を撮影する場合は、全員の顔がしっかり写るように撮影しましょう。全員の顔が認識できなければ、集合写真としての価値が半減してしまいます。「ボケないようにする」「全員にピントを合わせる」など、意識しなければいけないポイントはありますが、全員の顔が写るように撮影することが最も重要です。
5人以上を撮影するときの目安として、人数が増える場合は2列や3列に並びましょう。そして、背が低い人を前列に並べて、後列の人が前列に並んでいる人の間から顔を出すように立ち位置を調整すると、ひとりひとりの表情をしっかりキャッチできます。撮影する人数に応じて、並びや立ち位置を調整しましょう。
集合写真は被写体同士を密着させる
集合写真を撮影する場合は、被写体同士を密着させて撮影しましょう。被写体同士が離れたままだと余白が目立ち、バラバラとまとまりのない印象を与える可能性がありますが、密着することでまとまりのあるきれいな写真に仕上がります。
他にも、被写体全員で腕組みをしたり、手を組んだり、親指を立ててGood!と決めたりするなど、ポーズをとることで写真の雰囲気も変わっておすすめです。ポーズをとるときは、大胆なポーズやふざけたポーズは避けて、誰でも簡単にできるポーズにしましょう。
人数が多い場合は上から撮影する
被写体の人数が増えて3列以上になる場合は、高い位置から撮影しましょう。低い位置から撮影すると被写体と目線が被り、前列の人と後列の人とが重なりやすくなるため、後ろの人が遠く小さく写ってしまうからです。
3列以上になる場合は、脚立を使ったり高い位置に立ったりして、上から見下ろすように撮影することを意識しましょう。奥に立っている人の表情までしっかり写ります。ただし、上から撮影すると顔が重なりやすくなるので、カメラを構えてアングルを決めながら、ひとりひとりの立ち位置を調整しましょう。
被写体に声をかける・笑わせる
撮影前や撮影中は被写体のみなさんに積極的に声をかけて、緊張をほぐしましょう。撮影前はみなさん緊張しており、そのままの状態で撮影をはじめてもいい写真は撮れません。挨拶やちょっとした会話を通して、カメラマンである自分に意識を向けさせましょう。また、みんなで身体を動かしてリラックスすることで緊張がほぐれ、自然と笑顔になります。
撮影中もカメラを構えたまま声をかけてあげましょう。「少し右に寄ってください」といった具体的な指示や、「カメラを見てください!」とシャッターチャンスでカメラ目線をもらえるような声がけをします。みんなの表情がかたいと感じたら「◯◯さん、表情が堅いですよ!」といじられ役に声をかけて、笑いをとることも大切です。
笑顔の写真を撮りたいときに「笑顔でお願いします」と声をかけがちですが、突然言われても良い笑顔の写真は撮れないものです。人は楽しい・おもしろいと感じた瞬間に自然な笑顔になります。良い表情を引き出すためにも、相手を笑わせるトークを心がけてみましょう。
カメラ・スマホの使い方ポイント
撮影に慣れていない方は、写真がブレてしまったり、不自然に光ってしまったりした経験はないでしょうか。最後に、きれいに撮影するためのカメラやスマホの使い方のポイントを紹介します。
専用の三脚を使用して手ブレを防ぐ
写真撮影の際、手ブレを抑えるために三脚を使用しましょう。カメラやスマホを固定することで、手ブレ防止に役立ちます。三脚には、カメラ用、スマホ用、ビデオカメラ用など、使用する機材によって専用の三脚があるので、機材に合ったものを選びましょう。
カメラ専用の三脚には耐荷重が設定されているため、カメラの重さを確認したうえで選ぶのがおすすめです。負荷がかかると、転倒や破損の原因になります。スマホ専用の三脚を選ぶときは、手持ちの機種に対応しているか確認しましょう。持ち運びに便利なコンパクトサイズで、撮影シーンに応じて高さ調整できる三脚が便利です。
フラッシュ機能をオフにしておく
カメラやスマホにもフラッシュ機能がついていますが、社内報用の写真撮影ではフラッシュ機能をオフにしましょう。フラッシュ機能は暗い場所での撮影には便利ですが、被写体に強い光を当てて撮影します。そのため、被写体にだけ光が当たって被写体の後ろに影が写ったり、全体的に暗い写真になることがあります。また、人物撮影ではフラッシュ撮影で目が赤く光る現象も多く起こります。
カメラによっては、撮影現場が暗いとフラッシュ機能がオンになる「ストロボ撮影」が基本設定になっている場合があるので、常時発光する設定の場合は設定を解除しましょう。社内報用の写真撮影では、基本的にフラッシュ機能は使わず撮影しましょう。
グリッドモードを活用してバランスを意識する
グリッドとは、カメラやスマホの写真を撮影するときに、プレビュー画面上に縦横各2本に引かれた補助線です。一般的には、画面を格子状に9分割にします。グリッド線はカメラのファインダーやスマホのプレビュー画面にのみ表示されるため、撮影した写真には写りません。撮影中はグリッド線に合わせて被写体の位置を決める参考になります。
グリッドモードを活用すると、水平・垂直を合わせられるのでバランスの良い写真を撮影できます。他にも線上や交点に被写体を配置し、構図を決めて撮影することで、まとまりのある写真を撮影できるのも特徴です。社内報用の写真では、全体のバランスも意識しましょう。
撮影枚数は多めに!可能なら動画でもおさえておく
写真はできるだけたくさんの枚数を撮影しましょう。撮影した写真を見返すと、目をつむっていたり、被写体同士が被っていたりすることがあると思います。連続でシャッターを押し続ける連写設定にしておくと、複数の写真の中からベストな1枚が選べます。
写真だけでなく、動画も一緒に撮影しておくと、Web版社内報や動画配信などにも活用できるでしょう。静止画だけでなく動画も残しておくことをおすすめします。
まとめ
社内報に掲載される写真は、その社内報がみんなに見てもらえるかどうかを左右する重要な役割をもっています。多くの人の目に留まり、読む人の心をつかむ写真を撮影するためには、事前の準備が大切です。撮影環境が整っていないと写真の出来上がりにも影響するため、撮影に慣れてきたとしても写真撮影の準備を怠らないようにしましょう。そして、写真は撮り方ひとつで印象が変わります。ぜひ紹介したポイントを参考に実践してみてください。
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