自社のミッションや理念を伝えたり、最新の情報を伝えたりするために用いられる「社内報」。最近では、紙媒体の冊子だけでなく、WEBやアプリ、動画を活用した社内報も増えています。会社内のコミュニケーションの一環として社内報を提供し続けている一方で、もっとみんなに読んでもらえるようになるにはどのような工夫が必要なのか、と毎回頭を悩ませているといった声も耳にします。
そこで今回は、社内報でも人気の「インタビュー」記事の作り方をご紹介。インタビューの目的から、インタビュー例やコツについてまとめました。
目次
社内報でインタビューを行う目的は?
自社の方針や最新情報を伝える社内報。社内報にはさまざまなコンテンツを載せますが、なかでも社員からのリアルな声を届けられるのが、インタビュー記事です。インタビューを行う大きな目的は、社員一人ひとりのモチベーションアップ。同じ会社内で働いている社長や上司、さらに部下の“生の声”を届けることで、会社に対する考えや思いを振り返るきっかけになり、さらにモチベーションアップにもつながります。
また、会社全体に届けられる社内報でのインタビューは、他部署で働く社員を知ることができるのもメリット。「他の部署はどんな仕事をしているのだろう」「どんな考えを持って仕事をしているのだろう」などの疑問解決にもつながります。
インタビュー記事は、同じ会社内で働く社員の仕事の内容や考えが共有できるコンテンツと言えるのです。
社内報のインタビュー例
では実際に、社内報ではどのようなインタビューを行うと良いのでしょうか。インタビュー対象者ごとに紹介します。
社長や役員へのインタビュー
1つめのパターンは、会社の社長や役員などの、重役に対するインタビュー記事です。会社のトップに立つ社長や役員へのインタビューは、部下にとってさまざまな情報が得られるチャンスと言っても過言ではありません。とくに、会社に対する思いや経営理念は、その会社で働くうえで知っておきたい最低限の情報です。
また、取材を受ける社長や役員にとっては、自分の考えや思いを部下に直接届けられるメリットがあります。そのため、部下に届けたいメッセージを取り上げると、部下にとって大変意味のあるインタビューになるのでおすすめです。社長や役員の考えや望んでいることを会社内全体で共有すれば、日々の仕事の目的が明確になり、新たな目標づくりやモチベーションアップにつながります。
<インタビューのテーマ例>
- 企業理念・経営方針について
- 今期の目標
- 今、求められるリーダー像とは?
中堅社員へのインタビュー
2つめのパターンは、部長や課長などの中堅社員へのインタビューです。中堅社員は、日々の現場の声も、社長や役員などの声も届く位置にいます。そのため、それぞれの立場を理解したインタビュー記事になると期待できるでしょう。また、部下たちが目指しやすい位置にいるため、社員や役員のインタビューよりも、よりダイレクトに思いが伝わります。
中堅社員へのインタビューでは、会社に対する思いや部下に伝えたいことはもちろん、会社への要望などを入れ、上司にも部下にも意義のあるような内容を目指すと良いでしょう。
新入社員へのインタビュー
3つめのパターンは、新入社員へのインタビューです。年度初めの恒例として、新入社員へのインタビューを企画するケースも少なくありません。新入社員のコメントは、社員たちが初心を思い出す良いきっかけになります。また、新入社員のプロフィールにもなるので、社員同士の交流のきっかけにもなります。
元気でフレッシュな新入社員の声をインタビューで届けるときは、その人の魅力が伝わるような明るく前向きな内容を目指すと良いでしょう。
社内報のインタビューで聞きたい質問事項
社内報のインタビューでは、「何を聞くのか」というのも大事です。インタビューのテーマによっても聞くべきポイントは変わってきます。ここでは、社員にインタビューを行った際におさせておきたい基本的な質問事項を紹介します。
入社のきっかけや経歴など
インタビュー記事では、取材する人物のプロフィールをしっかりと伝えることが大切です。入社したきっかけなど、現在の仕事とのつながりが明確になると、読みごたえのある内容に仕上がります。年齢などの基本的なプロフィールだけでなく、志望をした理由や経歴など、キャリアにまつわるプロフィールを中心に質問すると良いでしょう。
仕事内容ややりがい
現在の仕事の内容や思いをインタビュー記事にすれば、ほかの社員の興味も沸きます。また、他部署の社員の場合は、いままで知らなかった仕事や思いに触れることで「この部署と一緒に仕事ができそう」「自分たちの部署と○○が違うのか」など、他部署への興味はもちろん、所属している部署の仕事を振り返ったり、良さを実感したりするきっかけにもなります。
また、取材を受けている社員自身も、自分の仕事ややりがいを振り返って、仕事に対する思いに改めて気づくことにもつながります。
会社に対する思い
会社に対する思いは、インタビューを通じて話すことによって、自分の考えを振り返るきっかけになります。また、同じ思いを持っている社員とつながったり、上司に自分の思いを知ってもらえたりと、コミュニケーションのきっかけにもなり得るでしょう。さらに、自分以外の人間の会社に対する思いを読んで「もっと頑張ろう」「この人みたいになりたい」と、さらなるモチベーションアップになることも期待できます。
プライベートについて
会社に対する思いだけでなく、プライベートに関する情報を聞き出すことで、取材している社員の個性を引き出すことができます。ワンパターンになりがちな取材記事にも、バリエーションが生まれます。「最近ハマっていること」「お気に入りのスポット」など、仕事のリフレッシュにつながりそうな切り口で質問してみると良いでしょう。インタビュー相手の人柄が伝われば、普段一緒に働くメンバーとの会話のきっかけにもつながります。
社内報のインタビューに必要な準備
取材相手やインタビュー内容が決まったら、必要な準備を行いましょう。有意義なインタビュー記事にするには、4つの準備をしておくことが大切です。
取材相手に関する情報を事前に集めておく
取材相手の事前調査は、インタビューする上で欠かせません。経歴やポジションに関する情報はもちろん、趣味などを知っておくとアイスブレイクにも活用できます。また相手の人となりをわかっていれば、ナチュラルに話を引き 出すことができるでしょう。 取材相手の魅力が伝わるよう、事前情報をしっかりと収集することが大切です。
取材相手へ事前にヒアリングシートを送付する
事前にメールなどで、取材相手にヒアリングシートを送付するのも一つです。事前に調べただけではわからない事柄などを先に聞いておくと当日スムーズでしょう。取材相手としても、ヒアリングシートを通して聞きたい情報や話してほしいテーマをつかむことができます。
質問事項をまとめる
余裕をもってインタビューができるように、質問事項を書き出しておきましょう。その場で何を聞こうかと悩んでしまったり、取材がスムーズに進まなかったりといったトラブルが回避できます。質問に詰まって相手に不信感を与えてしまう心配もありません。優先順位や質問の順番を決めておけば、より短時間で聞きたいことを引き出せます。インタビューの日を想像しながら、シートを作成しておきましょう。
また、取材当日は、インタビュー相手が緊張している場合も少なくありません。事前に質問事項を共有できていれば、相手も準備してインタビューにのぞむことができます。
社内報のレイアウトを決めておく
インタビュー記事を円滑に作成するためには、事前に社内報のレイアウトを考えておくことも大切です。レイアウトを決めれば、必要な情報量や写真などがつかめます。後から「文字数に対して情報量が多くてまとめるのが大変」「インタビュー中の写真が足りない」などの問題を防止できます。取材相手への負担も軽減できるので、インタビューもスムーズに進むでしょう。
社内報のインタビューを成功に導くコツ
社内報のインタビューは、ただ質問をすれば良いわけではありません。中身の濃いインタビューを行うにはコツがいります。より多くの社員に見てもらえるよう、インタビューを成功させるためのポイントをまとめました。
答えやすい質問を用意する
取材する際には、相手の立場に立って答えやすい質問を用意しましょう。はい・いいえで答えられる質問は、インタビューに慣れていない新入社員でも答えやすいのでおすすめです。質問に詰まってしまったときには、質問の言い回しや聞き方を変えてみましょう。「毎朝のルーティーンは?」「休日は何をしていますか?」など、答えやすい日常的な質問も交えるのもおすすめです。 また、相手の返答が予測できるような簡単な質問もあると、相手もリラックスして応じられるようになります。
用意した質問に優先順位をつける
聞きたいことがたくさんある場合は、インタビューがだらだらと長くならないよう、優先順位をつけておくと良いでしょう。インタビューを終えた後、聞き逃しがないように当日までに質問を読み返すのもおすすめです。どの質問が大切なのか、聞くべき内容をしっかりと精査しておきましょう。
相手の様子を見て、話を聞き出す
インタビューは、ただ相手から情報をもらえば良いというわけではありません。取材相手から、より中身のある話を聞き出すためには、相手の様子をしっかりと伺うことも大切です。とくに沈黙が起きた場合、回答に困っているのではなく、じっくりと考えているケースも少なくありません。相手の表情や仕草を見ながら、急がず焦らず質問をしていきましょう。
最も伝えたいメッセージを引き出す
最も伝えたいメッセージを明確にしておくと、インタビューがスムーズになるだけでなく、より良い記事が目指せます。たとえば、とある社員のインタビューを実施した際に「現在の仕事」というテーマでお聞きしていたとします。記事を通して「インタビュー対象者の仕事に興味を持ってもらう社員を増やしたい」ならば、仕事のやりがいや重要性がインタビューのポイントになってくるでしょう。最も伝えたいメッセージを決めて、それを中心に話を展開すると、読みやすい記事にもなります。
まとめ
社内報のインタビューは、どのような業界においても用いられる記事の形式です。だからこそ、読み手に興味がわくような内容を聞き出し、意義のあるインタビューを行うことが大切になります。今回ご紹介したインタビューのコツを参考に、インタビュー記事を作成してみてはいかがでしょうか。
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