web版の社内報を導入するメリットは?制作ツールまとめ

社内向けの広報誌である社内報は、かねてより企業方針の周知や組織のつながりを強化するツールとして発行されてきました。その多くは紙媒体によるものが一般的でしたが、テレワークをはじめとする働き方の多様化により、Web形式の社内報を導入する企業も増えています。新たに「Webの社内報を作りたい」と考えている広報担当者も少なくないのではないでしょうか。

そこで本記事では、Web社内報のメリットを解説。紙媒体との違いを比較したうえで、Web社内報の導入により期待できる効果をお伝えします。また、作成ツール選定時のポイント・作成ツールごとの特徴や強みもあわせてご紹介します。

web版の社内報とは?その特徴や紙の社内報との比較

Web版の社内報と紙の社内報にはどのような違いがあるのでしょうか。まずは社内報の持つ役割や発信する目的を再確認し、各媒体の特徴を捉えておきましょう。

そもそも社内報とは?

社内報とは、その文字通り社内向けに発行する広報誌を指します。企業側が社員やその家族に向けて伝えたいこと、共有したいことを発信するためのツールです。新商品やプロジェクト発足など仕事にまつわる情報を発信したり、社員やオフィスを紹介したりするなど、自社にまつわるさまざまなトピックスをまとめています。

従来は紙面に印刷して発行する紙媒体の社内報が主流でしたが、昨今ではオンラインで発行するWeb版の社内報が台頭しています。

社内報の目的

社内報を発行する目的は企業によってさまざまですが、「経営理念やビジョンに対する理解を統一し、組織の活性化や帰属意識の向上を図る」という点に重きを置いている会社が多いのではないでしょうか。

各部署のプロジェクトや実績、決算報告のほかにも、社員紹介や読み物といった箸休め的なコンテンツが掲載されることもある面では、社内のコミュニケーションツールとしての役割も果たすプロダクトといえます。

紙の社内報とwebの社内報の違い

社内報を発行するうえで重要になるキーワードは、「鮮度の高い情報を迅速に届けること」です。また、会社としてスピーディーな動きを見せることは、社員からの信頼度アップにも貢献します。

紙の社内報は社員全員に物理的に手渡せ、手元にあればどこにいても誰でも読むことができる一方、印刷や製本をする過程で時間がかかり、社員数に比例して発行コストが高くなるなどの欠点があります。Web社内報はリアルタイムでの発行も可能でコスト変動が少ないですが、更新通知がないと見逃される可能性があり、インターネット環境が整っていなければ読むことができません。

紙とWebにはこのような違いがあります。一概にどちらが良い・悪いというものではないため、それぞれの長所・短所を理解し、自社に適した社内報の作成方法を模索しましょう。

web社内報導入のメリットとは?

では、Web社内報を導入することのメリットは何でしょうか。以下、3つのメリットが挙げられます。

メリット1:スピーディーな情報発信が可能

Web社内報では、作成したコンテンツを即発行できます。紙の社内報が企画・執筆・デザイン・取材・撮影・校正・印刷・製本と多くの工程を踏んでから社員の手元に届く反面、Web社内報はテンプレートの使用や印刷・製本のショートカットなどで、情報伝達のタイムラグが少ないのが強みです。緊急性・即時性の高い情報発信にもフレキシブルな対応ができます。

メリット2:手軽に作成でき、発行後の修正や追記も可能

Web社内報は文字数やページ数を気にすることなく執筆できるなど、掲載コンテンツの作成が紙の社内報よりも手軽に行えます。また、発行後の加筆・修正が容易な点は、紙の社内報と比べると大きな利点でしょう。

Web社内報とはいっても、執筆や情報の抜粋は人の手で行われるものです。誤字脱字や誤った情報を掲載したまま発行に至るケースも考えられます。紙の社内報は、一度発行してしまうと加筆・修正が容易なものではありません。しかしWeb社内報であれば、誤りが発覚した時点ですぐに修正したり新しい情報を付け加えたりすることが可能です。

メリット3:動画の追加などwebならではの社内報が作れる

Web社内報を導入すれば、動画を張り付ける・関連する過去の記事とリンクさせる、といった機能を駆使してよりわかりやすく、充実した紙面を作成することもできます。また、「いいね」やコメント機能を付加すれば、情報を発信するだけの一方的なプロダクトに留まらず、双方向の情報交換が可能な社内報へとレベルアップ。

アクセス数や読み手の反応が確認できるため、求められている情報は何なのかを把握でき、会社にも社員にもベネフィットのあるプロダクトへ昇格させることができます。

web社内報作成ツール選びの4つのポイント

Web社内報の作成ツールを提供する会社はたくさんあります。会社によって提供するサービスや料金が異なるのは既知の事実ですが、多くの作成ツールがあるなかで自社に合ったものを選定するのは大変な作業です。ここでは、Web社内報の作成ツールを選ぶうえでポイントとなる4つの項目を見ていきましょう。

ポイント1:ランニングコスト

作成ツールの導入・運用におけるコストは各社さまざまです。一般的には初期費用と月額費用の2つで構成される料金形態をとっている会社が多く、企業規模に合わせた数種類のプランを用意しているところもあります。例えば、初期費用は高額だが月額費用が低額、初期費用は数万円で済むが月額費用が高額など、さまざまなパターンが見られます。

選定の際には、各作成ツールの特徴や強み、管理のしやすさを考慮して数社ピックアップし、事前に相場を把握しておくことがポイントです。

ポイント2:セキュリティ

社外秘の情報を発信する可能性もある社内報。そのため、Web社内報の作成ツールを選ぶ際には、セキュリティ機能が備わっているかどうかは非常に重要なポイントです。情報漏洩による損害を防ぐためにも、どのようなセキュリティ対策がなされているのか必ずチェックしましょう。

ポイント3:操作のしやすさ

Web社内報を導入するからには、発行を担当する会社にも受け手の社員にも使いやすいものでなければなりません。せっかくの作成ツールも、使い勝手が悪ければコンテンツ1つに要する時間も長くなり、ストレスがかかって本末転倒です。専門的な知識がなくても編集や加筆・修正の操作がしやすい作成ツールを選びましょう。

また、社員の働き方や職場環境を考慮したツールを選ぶこともポイントです。会社には、外出の多い営業職やテレワーク中、産休・育休中の社員、1人に1台パソコンがない職場や現場にいる社員がいます。スマートフォンやタブレットといったデバイスであれば、前述のような環境でもサクッと情報受信・確認が可能です。マルチデバイス対応の作成ツールなら、直感的な操作や多様な環境下での情報受発信が可能であるため、作り手も受け手も利便性を享受することができます。

ポイント4:デザインの豊富さ

紙の社内報が真っ白な状態から始めるのと異なり、テンプレートが用意されている分、テキストや画像を入力する作業が進めやすいWeb社内報作成ツール。そのなかでも、部分的なテンプレートや汎用テンプレートなど、自由度の高いデザインが多数装備されている作成ツールは使い勝手が良いでしょう。

おすすめのweb社内報ツール5選

近年のさまざまな環境変化に対応するかたちで、Web社内報を導入・検討する会社は増加傾向にあります。多種多様なサービスを提供するWeb社内報作成ツールを5つピックアップしたので、自社に最適なツールを選ぶ際の参考にしてください。

1. TSUTAERU(ツタエル)

TSUTAERU』は、株式会社サイト・パブリスが提供する社内報クラウドサービスです。基本プランは初期費用110,000円で、月額費用はユーザー数とデータ容量によって変動します。社内コミュニケーションの改善を図る過程で企業のブランド理解を向上させ、社員の帰属意識を高める戦略を掲げています。

TSUTAERUでは、社内報に必要な項目が配置されたデザインのテンプレートが多数用意されており、デザインで悩む時間は短縮されます。加筆・修正や新規記事の公開など、必要な情報をリアルタイムで更新することができ、最適なタイミングで発信するための予約機能は、発信力と訴求力が格段にアップする機能でしょう。

2. TUNAG(ツナグ)

TUNAG』は、株式会社スタメンが提供するエンゲージメント経営プラットフォームです。料金体系は初期費用と月額費用で構成されおり、ユーザー数によって料金が異なる設定です。

Web初心者でも安心な初期設計から運用後のサポートまで支援してくれる充実したサービスがTUNAGの強み。担当者による経営理念や現状課題のヒアリングがあり、各企業仕様の社内制度を構築してくれます。社内報としての各種機能を備えていることはもちろん、利用状況を可視化することで企業のPDCAサイクルを促すなど、他社とは異なった経営コンサルティング色の強い視点からのアプローチがある作成ツールです。

3. NotePM(ノートピーエム)

NotePM』は、株式会社プロジェクト・モードが提供する社内wikiツールです。料金はユーザー数に応じて変動するシンプルなプランで、閲覧のみのユーザーは各プランユーザー数の3倍の人数まで無料で招待できます。

NotePMの特徴は、社員の書き込みを蓄積してつくるウィキペディアのような面を持ち、「知りたい」欲求に応える強力な検索機能が装備されている点です。ほしい情報を素早く見つけ出すことができるため、マニュアル作成やナレッジ共有が進まない企業にはおすすめのツール。社内規定やレポートなどの冬眠情報も共有可能で、Word・Excel・Power Pointといったファイルのインポートも簡単に行えます。

4. Solanowa(ソラノワ)

Solanowa』は、株式会社スカイアークが提供するマルチデバイス対応のWeb社内報サービスです。国内外に60万ユーザーを抱え、ITR市場調査レポートのWeb社内報作成支援市場・エンタープライズ部門(2021年)で3年連続シェア1位を獲得しています。利用料金については、問い合わせが必要です。

Solanowaでは、Wordで書類を作成する要領で簡単に記事を作成することができ、最新情報をリアルタイムで発信可能。また、文章だけでなく動画ファイルや音声ファイルも貼り付けることができ、多彩なコンテンツを活用した「読みたい」社内報づくりに貢献します。

5. 社内報アプリ

社内報アプリ』は、ウィズワークス株式会社が提供するインターナルコミュニケーションポータルです。料金プランは初期費用と月額費用で構成され、Web社内報のみ利用する場合とアプリ社内報も併せて利用する場合で異なります。

社内報専門会社が運営する社内報アプリは、専門会社ならではのノウハウで「本当にほしい」機能を集約。多彩な汎用テンプレートが標準装備されており、Webの知識がなくとも簡単に運用できるほか、効果測定で成果の可視化も可能です。また、Webとアプリで一括更新できるマルチデバイス対応で、移動中などの社外でこそ読みたいという社員の要望にも応えられます。社員参加型ポータルサイトも用意されており、会社・社員ともに使いやすいツールです。

まとめ

Web社内報には、会社側・社員側双方にメリットがあることがわかりました。今回紹介した作成ツールでは、「体験版」や「無料デモ」などのトライアルを用意しているところもあります。「社員に読まれる社内報づくり」は真摯に取り組むべき課題です。社内報発行の意義を果たすためにも、なぜ社内報をつくるのかその目的を再確認し、一方的な情報発信から脱却して読まれる・読みたいコンテンツの創造を目指しましょう。


 

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