2023/05/29
グンゼ株式会社
全社のDXを推進し、総額2,000万分の動画を制作!? 動画で業務効率化を推進中
創業は明治29年(1896)。蚕糸業からスタートし、今では日本を代表するインナーウェア・メーカーに成長したグンゼ株式会社では、現在、動画の活用による業務効率化を進められています。
従業員向けのマニュアル動画から、コンシューマー向けの広告動画まで、幅広い用途を見据えている同社は、Video BRAINの全社的な導入を目標に掲げています。現在の活用状況、そして全社導入の推進法について、同社・技術開発部IT戦略室の小川千波さんに伺いました。
※2023年4月のインタビュー内容です。
◆ 主な制作動画
- 社内報告資料
- 業務マニュアル
- 導入ツール・システムの操作方法
- 自社YouTubeに掲載する商品紹介、PR動画 など
◆導入前の課題
- ペーパー資料に頼っていたため、作成に時間がかかっていた
- 作成した資料の内容が伝わりにくかった
- 中期経営計画に基づき、間接業務の省力化が求められている
◆成果
- 1年半で約140本の動画を制作できた
- 社内にある全16部門のうち、9部門でVideo BRAINを活用している
- 各種資料のわかりやすさが向上した
- 実施したカリキュラムのアーカイブ化により、ヘルプデスクの問い合わせが激減した
目次
動画の活用で「より価値の高い業務を推進できる」と実感
――まず、小川さんが所属するIT戦略室の役割について教えてください。
弊社では、昨年発表した中期経営計画の中で「デジタル活用によるプロセス変革により新たな価値を創出」することを目標に掲げています。具体的にはRPAなどの自働化ツールを活用し、間接業務を省力化して高付加価値業務にシフトしようとしており、IT戦略室では、そのための業務の見直しやDXツール導入のサポートを行っています。
――Video BRAINを導入されたのも、まさにその一環ということですね。
そうですね。RPAやAI OCRといったツールの導入を進めていく中で、「その手順を動画で解説した方が、より効果的に社内に広がっていくのではないか」と考えました。
Video BRAINを導入したのは、2022年の1月です。導入前は何らかの手引書を作る際には、WordやExcel、PowerPointを使っていましたが、テキストや静止画ベースの資料では、いまひとつわかりやすさに欠けていたり、作成に時間がかかったりといった課題がありました。Video BRAIN で簡単に動画を作れたら、まさに間接業務の省略化やDXを促進できると感じたんです。
そこで、まずはIT戦略室で様々な動画を制作し、社内へ公開することにより、動画の有用性をアピールしました。「動画ならわかりやすく伝えられる」と社員に知ってもらった上で、昨年9月ごろから他部署の活用を本格的に開始していきました。
――IT戦略室で制作した動画に対し、社内の反応はいかがでしたか?
手はじめに社内報告会で展開する資料などを制作してみましたが、非常に好意的に受け止められたと感じています。やはり、これまで書類で提示していた内容が動画になったわけですから、否が応でも目を引きますよね。私自身、動画の効果をあらためて実感しました。
“パワポ感覚”の使いやすさから、過半数を超える部門で利用
――Video BRAINの操作にはすぐに慣れましたか?
もともと趣味で他社のツールを少しいじっていたので、とくに動画編集の操作に対する抵抗感もありませんでした。何より、インターフェースが直感的なので、編集作業に苦手意識がある人でも使いやすいのではないかと思います。Video BRAINの資料に“パワポ感覚で操作できる”といった表現がありましたが、まさにその通りでした。
導入の決め手になったのもまさにその点で、決して平均年齢が低いとはいえない弊社において、世代を問わずに使えることが第一条件でした。習熟度が低くても、すぐにクオリティの高い動画が作れるのが良いですね。
――貴社では、Video BRAINの全社的な導入を視野に入れているとお聞きしました。現在の活用状況は?
現状では、全社16部門中、9部門で導入しています。実際に活用できている程度は部署によって異なりますが、少なくともこうしたツールが選択肢の中にあることが私たちは重要だと考えています。
自分たちが作りたいものに応じて、WordでもPowerPointでもVideo BRAINでも、適切に使い分けられる状態が理想です。
――具体的に、導入された各部門ではどのような動画を制作しているのでしょうか。
たとえばアパレル部門であれば、生産現場で使っているシステムや、バーコードを読み取るハンディ機の操作方法など、従業員向けのマニュアル動画を作っています。
また、エンプラ(エンジニアリングプラスチックス)部門は、フッ素樹脂製品を中心に扱っている事業部です。BtoB向けの商材だけに、なかなか知ってもらう機会が少ないことから、商品特性を紹介する動画を継続的にYouTubeへアップしています。
そのほかスポーツクラブを運営するスポーツ部門では、会員獲得のための宣伝やオンラインレッスンの動画教材などにもVideo BRAINを活用できないかと検討を進めています。
――これまで、全社でどのくらいの本数の動画を制作されましたか?
およそ140本ですね。最も使っているのが私たちIT戦略室で、これまでに50本超の動画を作っており、報告資料だけでなく、当初の想定していたDXツールの使い方や活用事例などを動画にまとめて共有しています。
▲Video BRAINの操作手順についても、IT戦略室が動画を制作して社内に展開している
――1本の動画を編集するのに、どのくらいの作業時間を費やしていますか?
動画の内容や質にもよるので一概には言えませんが、2~3分程度の動画であれば、本当にたいした時間はかけずに、作業のすきま時間でこなせていると思います。やはり、特別なアプリやソフトをインストールするような手間がかからず、ブラウザ上で操作できるので、日常的に無理なく手を動かしやすいんですよね。
――ここまで1年半ほどVideo BRAINを使ってみて、とくにどのような点で導入のメリットを感じていますか。
操作性の良さは大前提として、SaaSである点は大きいと感じています。契約すればすぐに使い始められる手軽さはもちろん、作った動画をそのままクラウド上でチェックできるのが良いですね。これは他の動画編集ソフトにはない魅力でした。
これまでに制作した動画をすべて外注した場合、少なからずコストが発生します。実際にVideo BRAIN のCS担当者さんがそのあたりの経費削減効果を試算してくださったのですが、単純計算すると今まで2,000万円分ほどコストが浮いたことになると聞いて驚きました。
――2,000万円! 大いに活用していただいている様子がうかがえます。
私の上司も「そんなに削減できるのか」と驚いていました。
――Video BRAIN のサポート体制については、どのような印象をお持ちですか。
いつもレスポンスが早くて助かっています。「こういう機能があるとうれしいです」といった要望をお伝えすると、すでに改修作業を進めていたり、あるいは「いつまでに機能を追加します」と言っていただけたりして、スピーディーにアップデートされていく印象です。
また、月に一度は担当さんとお話しする機会があるので、細かな困り事をすぐに相談できるのもうれしいですね。
IT戦略室から、Video BRAINの全社的な導入を目指して
――こうして動画の活用を進めてきて、どのような成果を感じていますか。
IT戦略室の例でいえば、各部門にセキュリティ教育を毎年実施するのですが、Video BRAIN導入後はそのカリキュラムをアーカイブ化し、社内のイントラでも公開しています。実は、その動画が意外と多くの従業員に見られており、おかげでヘルプデスク担当者への問い合わせが激減するといった現象が起きているんです。これはまさに生産性に直結する、印象的な出来事でした。
また、Video BRAINであれば、完成した動画のURLを簡単に発行できるので、それをイントラに掲載するだけで共有可能という、手軽なステップで実現できたのもありがたいですね。
――目標とされている全社的な導入に向けて、現状の課題は何でしょうか?
現在、9部門で導入しているとはいえ、実際の活用状況にもばらつきがあります。まずはこうした偏りを解消しなければなりません。
そのためには、動画編集という作業に対する心理的なハードルをいかに下げるかが重要です。実際にVideo BRAINを使ってみれば、すぐに対応できるとは思いますが、動画の構成を考えたり、撮影したりといった、その手前の部分に難しさを感じているように思います。IT戦略室では今後、そのあたりのサポートをしていけたらと考えています。
具体的には、社内イントラに動画用の掲示板を設置し、そこに動画編集の手順や撮影のコツなどを伝えたり、ランディングページのようなものを作ったりする方法が一つ。また、社内で作られた動画の中から良いものを紹介するような、コンテスト的な企画が実現できれば、もっと盛り上がるのではないかとも思っています。
――Video BRAIN でも導入企業様を対象に「動画コンテスト」を開催していますが、社内でも行うイメージですね。動画を作った人も励みになりますし、何より動画活用の効果を社内に広める効果も期待できそうです。
間接業務を省力化して、より価値の高い業務を推進することがIT戦略室の役割なので、そのために今後も動画活用の効果については地道に発信していきたいですね。
終わりに
インタビューの中で、「コロナ禍で動画の価値が見直されたことが追い風になった」と語ってくれた小川さん。昨年まとめられた中期経営計画に則り、業務効率の改善が至上命題とされる中、Video BRAINの活用の機会はまだまだ大きく広がっていくことが予想されます。
大きな組織ゆえ、部門の垣根を越えて全社的に動画活用を進めていくことは決して簡単ではありませんが、専任のCS担当者が伴走しながら、目標に向けて着実に前進しています。同社の取り組みの行方に、ぜひご注目を。
グンゼ株式会社
主な事業内容:
機能ソリューション事業(プラスチックフィルム、エンジニアリングプラスチックス、電子部品、メカトロニクス、メディカル)
アパレル事業(インナーウエア、レッグウエア、ハウスカジュアルウエア、繊維資材)
ライフクリエイト事業(スポーツクラブ、緑化、商業デベロッパー、温浴、エステイト開発、エンジニアリング)
本社所在地:〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田二丁目5番25号 ハービスOSAKAオフィスタワー
https://www.gunze.co.jp/