コンテンツを充実させているにもかかわらず、なかなかWebサイトからのコンバージョンが増えないという課題を抱えている方は多いのではないでしょうか。
その原因は、もしかしたら導線にあるかもしれません。
ユーザーの動作をコントロールしてCVR(コンバージョン率)を向上させるためには、導線設計が非常に重要です。ここでは、コンバージョンへの導線設計のポイントについて紹介します。
目次
導線とは何か?
ユーザーのコンバージョンを促すためにWebサイトの運営者が設定した道筋のことを「導線」と呼びます。
「動線」とよく間違えられますが、動線は「実際にユーザーが通ったWebページのルート」を意味しています。
導線は、文言や配置、色などを使ってユーザーを特定のアクションに誘導する目的で設計します。
実際にユーザーがどのような経路をたどったのかを分析し、設計した導線と一致させることで、より高いCVRへとつなげます。
例えば、「資料請求をする」というコンバージョンが目的なら、理想的な導線は「サービス紹介ページを見てから、エントリーフォームを使って資料請求を行うこと」がその一例となります。
導線設計の重要なポイント
ここでは、ユーザーにコンバージョンを促すための導線として重要なポイントを具体的に紹介していきます。
CTAボタンを工夫する
CVRの向上とボタンのデザインは密接な関係にあります。
適切なサイズを設定し、全体のメインカラーに埋もれてしまわないように、なるべく目立つ色を選びましょう。
全体が緑なら赤など、反対色を選ぶことでCTAボタンを際立てることができます。
また、配置を工夫してみることで良い結果が得られることもあります。
文章の途中ではなく、周囲に十分なスペースを設けて独立した場所に配置すると、より押しやすいボタンになります。
点滅する、カーソルを合わせるとボタンのサイズが大きくなるなどのアニメーションを取り入れるのもおすすめです。また、陰影をつけて立体的にしたり、枠を目立たせたりするといった方法で、「押すことができる」と見た目で分かりやすいデザインにするのも大切です。
Webサイトのページ構成を考える
コンテンツのどの位置からコンバージョンへ導くかも重要なポイントです。
具体的には、下記の4つのいずれかがCVRの向上に有効だといわれています。
- ・ユーザーが最初にアクセスしたページ
- ・口コミページの最後
- ・商品説明ページの最後
- ・FAQページの最後
ユーザーが最初にアクセスするページにおいて、スクロールせずに真っ先に目に入ってくる部分を「ファーストビュー」と呼びます。
ランディングページを訪問するユーザーは、あらかじめ商品に強い関心を抱いているケースも少なくありません。
そのため、ファーストビューの段階ですでに購買意欲が高まっており、すぐにコンバージョンに至ることもよくあります。
口コミは、ユーザーが購入を決めるうえで重要な情報源となるコンテンツです。
商品を使用した感想を読んで購入意欲が高まることでコンバージョンへ至ることも十分に考えられます。
同様の理由で、商品説明を読んでから興味を持って購入や問い合わせを行うことも考えられます。
資料請求の前に、不明点を解決したいと思うユーザーもいることでしょう。
その場合のために、FAQページからコンバージョンへと導く方法も有効です。
扱う商品によっても理想の導線は変わるので、正解は一つとは限りません。
運用し、検証を繰り返しながら、さまざまなデザインを試すことが大切です。
セールスライティング
CTRボタンの文言やセールスコピーを工夫することでユーザーの購買意欲を刺激することもできます。
「今だけ半額」「先着100名様限定」「期間限定○○味」など、今すぐ行動すべき理由を提示すると効果的です。
お得情報を示したり、写真や動画を使って興味を引いたりするなど、ボタンの周辺に注目を集めるコンテンツを配置するのも有効な手段の一つでしょう。
ユーザーの行動を可視化するには
適切な導線を設計するには、ユーザーが現在どのようにWebサイト内を回遊しているのか、そのデータを分析することが重要です。
Google Analyticsなどのツールを使えば、ユーザーの行動は細かく分析できます。
ただし、数字にとらわれすぎてしまうとすべての問題点を改善しなければならないと感じてしまいがちなので、注意が必要です。
例えば「PV数が少ないこと」と「CVRが低いこと」に因果関係があるならPV数を増加させる施策を実行すべきですが、直接関係がなければ、その点を改善してもCVRの向上にはつながらないことになります。
Webサイトのアクセス解析ツールは、あくまでも「CVRをアップさせるための理想的な導線を作る」という目的で利用することをおすすめします。
導線の設計はPDCAを回して作る
コンバージョンへの導線には正解はありません。PDCAを回しながら何度も改善と実行を繰り返し、根気よく理想的な導線に近づける取り組みを続けることが大切です。
導線を作ったら、A/Bテストなどを用いてWebサイトを訪れるユーザーの動向を検証し、結果を分析して新たな改善点を導き出します。
改善策を実行して再びテストを実施すると、また別の課題や着眼点が見えてくるでしょう。
ただし、何度繰り返してもCVRが向上しない場合は商品そのものに問題があることも考えられます。
導線の見直しを一時中断し、商品の魅力を底上げする施策に予算を割り当てる判断も、時には大切です。
まとめ
CVRの向上には動線設計が重要になり、ユーザーの行動を分析し可視化することで、改善すべき点が見えてきます。また、導線の改善において効果を発揮する方法の一つとしておすすめしたいのが、動画の活用です。
商品の特徴や使い方を動画で説明すると、ユーザーにその魅力をダイレクトに伝えることができ、より興味や関心を引き出しやすくなります。
ぜひ動画を効果的に取り入れ、CVRの向上に役立ててみてください。
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