新規顧客獲得や既存顧客維持には少なからず費用がかかります。
その費用を適切に計算しないと、赤字や機会損失を引き起こしかねません。
そこで、適切な費用の算出に必要となってくるのが、「LTV」という数値です。
当記事では、LTVについて解説していきます。LTVの算出方法や活用方法について解説していくので、マーケティングをおこなう際の参考にしてみてください。
目次
LTVとは?
LTV(Life time value)とは、「顧客が企業に生涯を通してもたらす利益」のことです。
LTVを算出することで、広告費としていくら出しても良いのかがわかります。
マーケティングをする上では重要な指標です。
LTVの算出方法
LTVの算出方法は複数あります。
LTV=平均購買単価×購買頻度×継続購買期間
LTV=平均購買単価×平均購買頻度
LTV=(売上高-売上原価)÷購入者数
例えば、定期購入のサプリメントがあったとします。
一番上の算出方法で計算すると、以下のようになります。
- ・平均顧客単価:3,000円
- ・平均購買頻度:月1回
- ・平均継続期間:6ヶ月
この場合、LTVは3,000円×1回×6ヶ月=18,000円です。
LTVと目標CPA
LTVを算出したら、その数値を利用して目標CPAを割り出すことができます。
ここからは、LTVの活用方法について解説していきます。
CPAとは
CPA(Cost Per Acquisition)とは、獲得単価のことです。
広告を見た顧客が製品を購入したり有料会員登録を行ったりして成果があがった場合、1件の成果に対してかかった費用のことをCPAといいます。
先ほどのサプリメントの例をあげると、サプリメントを1つ売るためにかかった費用がCPAということになります。CPAの数値が低いほど、コストを抑えて成果を挙げられているということになります。
LTVから広告費を算出する
しかし、CPA目標をやみくもに下げれば良いというわけではありません。
ただ下げるだけでは適切な施策を打つことが難しくなり、結果として利益が下がることがあります。
そこで、LTVを考慮した目標CPAが必要となります。
たとえば、平均購入単価が5,000円の化粧品があるとします。
粗利率が30%の場合、LTVを考慮せずに計算すると、
5,000円×30%=1,500円
となるので、1,500円以下のCPAで成果を出さなければいけません。
しかし、LTVを加味することで、より適切なCPAを割り出すことが可能です。
LTVを加味した目標CPAは、
LTV×粗利率=目標CPA
の式で算出できます。
そのため、化粧品の例の場合、LTVが15,000円だとすると、
LTV(15,000円)×30%=4,500円
となるので、目標CPAは4,500円となり、成果1件あたり4,500円まで使えるということになります。
LTVを加味しなかった場合のCPAは1,500円となりましたが、LTVを加味した結果4,500円となりました。
これならば、より広告に費用をかけられるようになります。
LTVを加味することで、適正なCPAを算出することができるのです。
LTVを最大化するためには
LTVを最大化するには、次のポイントに注目してみましょう。
- ・平均顧客単価を上げる
- ・平均購入頻度を上げる
- ・平均継続期間を長くする
- ・顧客維持コストを下げる
- ・ブランディングをおこなう
その際、短期的な成果や数値だけを見て施策をおこなうと、長期的に見たときに思うような成果が得られない可能性があります。LTVは長期的な指標です。
そのため、LTVを向上させるためには、瞬間的な利益を上げることを目標とするのではなく、既存の顧客との信頼関係を築かなければいけません。
顧客満足度を上げることを意識したマーケティングをおこないましょう。
商品やサービスの質を向上させ、顧客との適切なコミュニケーションを図ることが大切です。
また、購買パターンにあわせたアプローチも大切です。定期的に購入してくれる顧客、トライアル期間のみ購入してすぐに解約した顧客など、購買パターンはさまざまです。
それぞれに適したアプローチをおこないましょう。
そのほか、SNSの適切な運用や、ポイントシステムの導入などの工夫も効果的です。
より多くの顧客がリピートしてくれるように工夫をこらしましょう。
まとめ
適切な目標CPAを決めるためには、LTVは欠かせません。
LTVを活用してCPAを定め、効果的なマーケティングをおこないましょう。
また、LTVを向上させるためには、顧客満足度を向上させる必要があります。
商品やアプローチの方法を変更する、改善させることでリピーターも増えていきます。
SNSの運用やポイントシステムの導入など、工夫を凝らすことで、さらにLTVを向上できます。
この記事をシェアする