ブランドスイッチとは?原因や対策について徹底解説

老舗の企業であっても、新興企業であってもブランディングを構築することは無条件にファンを増やすことにつながるので、多くの企業が積極的に取り組んでいることでしょう。
その一方で、顧客が他社に乗り換える「ブランドスイッチ」という動きがあります。

この記事では、ブランドスイッチとはどのようなものなのか、またブランドスイッチが起こる原因や対策について解説します。

ブランドスイッチとは

日本中、あるいは世界中の誰もが知っている企業ブランドや商品ブランドはたくさんあります。
ユーザーの多くは特に意識をしていなくても、その商品を手に取ってしまうという経験があるのではないでしょうか。

ブランドは、企業にとってとても価値のあるものですがすが、形として存在するわけではありません。
顧客が商品やサービス、企業に対して共通にもつイメージがブランドです。
一人ひとりのユーザーが商品やサービスに対して持つものなので、それ自体が商品やサービスの評判に直結してしまいます。

そのため、企業によってはブランドの価値を事業の損益に結び付けて指標とすることもあります。
企業にとってブランディングは、商品やサービスの価値を高めるために、共通のイメージを市場や顧客に認識してもらうことで利益になんらかの影響をあたえるものと考えられています。

ブランディングを成功させることで、市場でのポジショニングは確立され、顧客の興味や購買意欲を高め、その結果ユーザーを獲得することにつながっていきます。

ではブランドスイッチはどのような状況なのでしょうか。
ブランドスイッチは、顧客が今まで使っていた商品を、なにかのきっかけでほかのブランドに変えることを指しています。このブランドスイッチは、実は珍しいことではなく、日常的に起こっているものです。

よくある例として、携帯キャリアの乗り換えがあげられるでしょう。
大手携帯キャリアのユーザーであった顧客が、格安SIMの広告や、乗り換え割などさまざまな要因で他のキャリアへ乗り変えることがあります。

また、「新しいビールを飲んでみたら気に入ってしまった」「悩みが変わったので化粧品を変えた」など、あらゆる場面にきっかけとなる出来事があります。
ブランドスイッチさせないこと、自社ブランドにブランドスイッチしてもらえるよう努力することが大切です。

ブランドスイッチがおこる理由

なぜブランドスイッチは起きるのでしょうか。
ここではブランドスイッチが起こるきっかけについて説明します。

商品への不満をもっているとき

「今まで使っていたからなんとなくそのままだった」というようなユーザーの場合は、なにかのタイミングにちょっとした不満を解決してくれる商品に出会えば、ブランドスイッチをしてしまいがちです。

例えば価格が安かったり、ボトルが使いやすそうだったり、サポートでの対応が良かったりと、小さい不満を持っている方の場合、普段は表面化しない不満の解決策がみつかればそちらへ変わってしまいます。

コストパフォーマンスを考えたとき

消耗品などの場合は、購入価格が原因でブランドスイッチがおこる可能性があります。
コストパフォーマンスを重視する消費者の場合は、金額が高いものを何度もリピートするよりは、金額が安く長く使えるもののほうにのりかえてしまうことが考えられます。

製品について詳しく理解したとき

ブランドスイッチは、製品情報によっても起こり得ます。
オウンドメディアやテレビ、SNSなどで、今まで知らなかった製品について深く理解することで、ブランドスイッチが起こります。

例えば、今使っている製品はなんとなく使っていたけれど、SNSで紹介されている他社製品について知りえたことで、気に入りそのままのりかえてしまうなどが考えられます。
そのため、自社の商品やブランドについて、顧客によく知ってもらうことが重要となってきます。

ブランドスイッチのポイント

ブランドスイッチのポイント

自社のブランドはしっかりしていると思っていても、市場は常に動き、顧客のニーズも日々変化を続け、多様化も進んでいます。自社のブランドが確固たるものである保証は全くありません。

企業としては、まず他社へのブランドスイッチをさせないことが大切です。
また、自社の商品へとブランドスイッチを促すアプローチも忘れてはなりません。

では、そのためにはどのようなことにポイントをおけばよいのでしょうか。

サポートの充実

ブランドスイッチの理由として聞かれる要素の中で、サポートに関するものは大きなウェイトを占めています。
商品やサービスを利用する場合、その購入時はもちろんのこと、不具合が起きたり、使い方でわからないことがあったりといったときに、その商品の提供元である企業へ問い合わせなどを行います。

その際に、どのような対応をされたかは顧客にとっては、そのあとも使い続けることへの判断として大きなポイントとなります。今ある製品を使い続けるかどうかだけでなく、その後同じ企業の製品やサービスを追加で購入するかどうかにも影響してきます。

価格が少し高い商品でもサポートが良い企業を選択することはよくあることからもサポートがいかに充実しているかが注目されていることがわかります。

企業の姿勢を見せる

その商品を顧客が選ぶ際には、提供する企業への信頼が理由の一つになります。
さまざまな情報がすぐに入手できる状況において、企業の不祥事は、大きなニュースになり誰もが知ることになります。

こういった行為は、顧客に対する裏切り行為であり、顧客のブランドスイッチを加速させてしまいます。
不祥事は、これまで築き上げてきた信頼を簡単に壊してしまうものですから、社内監査などのしっかりとした社内体制を維持し、企業の社会、顧客、商品に対する姿勢を明確にみせるようにすることがポイントとなります。

強みの明確化

ブランドは、顧客と企業でこれまで築き上げてきたものです。
自社のブランドがどのようなもので、どこに強みがあるのかを明確にし、アピールすることが大切です。

企業の市場での位置づけや競合とのすみわけなど外部要因からくる強みと、技術的な強み、社内の歴史、文化など独自性からくる強みをそれぞれ洗い出してみると、企業の強みはそのままブランドの強みとしてアピールできるものが少なくありません。
顧客がブランドスイッチをすることのない強固なブランドイメージは、強みを明確にすることで伝えやすくなります。

まとめ

自社や自社の商品の価値をより高めるためのブランドは、事業の発展に大きく寄与することができます。
その一方で顧客の満足度や身の回りのさまざまな要因が引き金になって、簡単にブランドスイッチは起こってしまいます。

ブランドスイッチさせないためには明確にブランディングイメージを提示し、商品のメリットになるようにこころがけることが大切です。


 

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