ランディングページやECサイトのCVR(コンバージョン率)がなかなか上がらず、お悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
コンテンツを充実させているにもかかわらず成果が上がらないときは、コンバージョンボタンの色が関係しているかもしれません。色とマーケティングに関するある調査によると、「色は商品を購入するときの重要な要素である」と解答した人が全体の84.7%にのぼり、また93%のユーザーは商品の見た目を参考にして購入を決めるという結果も報告されています。
そこで今回は、クリックされやすいコンバージョンボタンの色について紹介します。
参照:PSYCHOLOGY OF COLOUR IN DESIGN AND MARKETING | INFOGRAPHIC
目次
CTAボタンの色の変化による成功事例
インバウンドマーケティング向けのソフトウェアを開発・提供するhubspot社が行った調査では、同内容の2つのサイトを用意し、一方には「Get Started Now!」と書かれた緑色のボタン、もう一方には同じ文言の赤色のボタンを設置して、サイトを訪れた2,000人のユーザーを対象にどちらのボタンがより高いCVRを獲得するかを比較したところ、赤色のボタンを設置したページのほうが21%も高いCVRを獲得したそうです。
また、ECサイトのボタンの色がCVRに及ぼす影響を調べるためオレンジ色と青色のボタンを用意したMonetateの調査では、青色のボタンはオレンジ色のボタンより9%CVRが高くなったという結果が出ています。
これらの事例から、色はCVRに大きな影響をもたらすことが分かります。
効果的にCVRを向上させるためには、配置や文言だけでなく、ボタンの色にも配慮したデザインが重要なのです。
参照:The Button Color A/B Test: Red Beats Green
参照:Website Testing Wins: Orange or Blue?
CTAボタンの色がもたらす印象や効果
では、CTAボタンに「最適」な色はあるのでしょうか。
実際の例を挙げながら、色がユーザーにどのような印象や効果をもたらすのかについて紹介してみます。
活発な印象を与える「赤」
赤色は見る人にエネルギッシュな印象を与え、情熱を呼び起こさせ、バーゲンのポスターなどに取り入れると効果的だといわれています。
コーポレートカラーを赤色に設定している企業も少なくありません。
世界的なファストフードチェーンのマクドナルドや衣料品販売を展開するユニクロも赤色を基調としたロゴを採用しています。
他にも、玩具メーカーのLEGO、自動車メーカーのトヨタなど、遊び心や冒険心、挑戦などのイメージを連想させる企業が数多くあります。
ECサイトのボタンに赤色を使うと、ひと際目を引く印象的なボタンにすることができます。
赤色はユーザーの購入意欲を刺激し衝動買いを誘う色だともいわれるため、限定を煽る文言や期限が決められている資料請求などとの相性は良いといえるでしょう。
落ち着いた印象で信頼度を向上させる「青」
青色は「信頼」や「知的」を表す色だといわれています。
ユーザーに信頼感を与えるという性質からコーポレートカラーに青色を用いる企業も少なくありません。
航空会社の全日空(ANA)もその一つ。航空機事業は安全への信頼が経営を左右する事業ですから、青色のロゴはユーザーに信頼や安心を与えるのに一役買っているのかもしれません。
他にも、大手SNSのFacebookやTwitter、国内メガバンクの一角を担うみずほ銀行なども青系統の色を使用しています。
また青色には気分を落ち着かせる効果があるため、リラックスしながら買い物を楽しんでほしいサイトにおいては積極的に青色を取り入れると良いでしょう。
カートに商品を入れるボタンなどに使うのがおすすめです。
安心感や前進を表す「緑」
「環境に優しい」「安全」というイメージから、国内企業ではインテリア商品の小売販売を行うニトリや日本郵政が運営するゆうちょ銀行などのロゴに取り入れられている緑色。
納得度を高めて具体的な行動を起こさせる効果があるとされ、海外のECサイトや広告に広く用いられていた色です。また、ストレスの軽減や安心感をもたらす側面もあり、ユーザーの買い物に対する不安を和らげる効果も期待されていました。
ところが、スーパーマーケットなど大衆向けの企業や大手ブランドなどの高級品を扱う企業が一様にECサイトで緑のボタンを設置したことで、差別化が難しくなってしまう問題が起こりました。
その結果、最近では高級志向の企業は黒などのボタンに移行しているといわれています。
ラグジュアリーな雰囲気を演出する「黒」
黒色はもよくボタンに使われている色で、GucciやChanelなどの名だたる高級ファッションブランドが、ラグジュアリーな印象を与えるために使用しています。
イメージ展開は派生ブランドに任せて、親ブランドはフラットなイメージを保つ目的で黒色をメインカラーに設定することもあります。
「気高さ」や「重厚」「高級」などの印象を与えるので、特別な存在感をアピールしたい広告などに使うと良いでしょう。
まとめ
ここまで、色が持つイメージや、クリックされやすいボタンの色について紹介してきました。
CVRアップに貢献する色は実際に訪れたユーザーや色の流行によっても変化することが考えられます。
そのため、A/Bテストをしてデータを収集し、積極的に分析してみることをおすすめします。
また、CVRを向上させるためには、コンバージョンボタンと動画の併用も有効です。
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