企業の価値を高めるブランディングは、いまやもっとも重要なマーケティング戦略の一つだといえるでしょう。
そして、ブランディングに取り組むとき、最初に考えなくてはならないのが「統一感」です。
ここでは、ブランディングにおける統一感の重要性について解説します。
目次
ブランドの統一感とは
まずは統一感があるという状態について考えてみましょう。
例えば「統一感のあるインテリア」といえば、部屋の中にさまざまなものが置かれているにもかかわらず、全体がまとまって一つの空間をつくり出している状態のことです。
同じように考えると、「統一感のあるブランド」とは、事業に必要な要素が同じベクトルを持ち、一つのブランドを形成している状態だといえるでしょう。
統一感があるかどうかは、製品や広報などの目に見える部分に、企業の理念やポリシーが明確に反映されているかどうかで決まります。
ブランディングに統一感が必要な理由
次に、統一感を持ったブランディングがどのような効果を生むのかを解説します。
認知度アップにつながる
ブランドに統一感を持たせると、認知度を高めることができます。
例えば、アパレルブランド「ユニクロ」は高い認知度を獲得していますのが、その理由はなんなのでしょう。
それは、ただ「店舗がたくさんあるから」というだけではなく、すべての店舗のレイアウトや雰囲気がルールに従って統一されているから。
そのため、店先を通りがかっただけでひと目でユニクロだと認識できます。
ユーザーに安心感を与えられる
統一感があるということは、ぶれない軸があるということでもあります。
ユニクロの場合、多くの人が「シンプルで機能的な服を販売している店」というイメージを持っています。
これはつまり、「シンプルな服がほしいときはユニクロで買えば間違いない」と考えているユーザーが少なくないということ。
商品のコンセプトが統一されていることで、ユーザーは安心して買い物をすることができ、ニーズに合った店を探して選ぶというストレスからも開放されます。
他社と差別化が容易になる
統一感のあるブランディングを展開し続けると、必然的に他社との違いが浮き彫りになっていきます。
その違いの部分でユーザーを魅了すれば、市場競争において一歩も二歩もリードすることが可能です。
統一感のあるブランドがもたらすメリット
統一感のあるブランディングがさまざまな効果を生み出すことが分かりました。
次に、具体的なメリットについて解説します。
優良顧客を獲得できる
統一されたブランドイメージを浸透させることで、ユーザーはブランドを認知し、安心感を覚え、他社とは異なる個性に魅力を感じるようになります。
つまり、自社ブランドを積極的に購入・利用してくれるファンが生まれるということ。値引きや宣伝をしなくとも自社商品を利用してくれる優良顧客の獲得は、ブランディングにおける大きな目標です。
社内組織の強化につながる
ブランディングの成功は「自分たちはすばらしいもの、価値のあるものを提供している」というスタッフのモチベーションにもつながります。
職場全体の士気が高まれば、結束力の強化、離職率の低下といったプラスの効果を生み出します。
全員が理念に基づいて働くことで仕事のクオリティも上がり、ブランド自体もより強固なものとなるでしょう。
また、ブランドの理念に共感した人が「この会社で働きたい」という思いを持って集まることで、優秀な人材の雇用につながることもメリットです。
デザインを統一する重要性
統一感のあるブランディングには、事業のコンセプトや理念という不可視の部分が肝要になります。
しかし、目に見える部分にも統一感を持たせる必要があります。
ブランドイメージに統一感を持たせたいとき、まず取り組みたいのが、広報部分でのデザインの統一です。
ポイントをご紹介します。
対外的なツールのデザインは会社の印象につながる
対外的なツールとは、会社案内のパンフレット、公式ウェブサイト、名刺、ダイレクトメールなどです。
一貫されたデザインは、相手に好印象を与えるだけでなく、会社のイメージを伝えることもできます。
デザインで統一すべき要素
統一感のあるデザインで重要なのは「トーン&マナー」、つまりデザイン上のルールです。
メインで使うカラー、画像や動画といったビジュアル、テキストコンテンツで使用するフォントなど、トーン&マナーにおける重要項目は多岐にわたります。
一つひとつの要素にルールを設けつつ、全体のバランスを取っていくことが求められます。
デザインには理念を反映させる
ブランディングのために採用するデザインは、会社の理念を反映させたものでなくてはなりません。
たとえば高級感をコンセプトにしているブランドに、家庭用プリンターで作れるようなカジュアルな名刺は似合いません。
シンプルなライフスタイルを提唱するインテリアショップであれば、広報ツールもシンプルにまとめましょう。
統一感は画一化ではない
デザインで大切なのは統一感であり、何もかも同じにするのがベストだというわけではありません。
たとえばスターバックスコーヒーでは、京都に町家風の店舗をオープンさせるなど、エリアの雰囲気に合った店舗づくりをしています。
だからといって「スタバらしさ」が失われたわけではなく、「おしゃれで高級感のあるお店でおいしいコーヒーをゆっくりと楽しめるお店」というイメージからは逸脱していません。
シチュエーションによって求められることは異なりますが、すべてを画一的にするのではなく、ときには変化を加えることも重要です。
まとめ
ブランディングに成功すると、企業や商品を愛してくれるファンが生まれ、スタッフのモチベーションや結束力が高まるといったメリットが生まれます。
統一感のないブランディングは、ユーザーから不信感を持たれる原因ともなり、マイナスの効果になってしまう可能性もあります。
ブランディングに取り組む際は、統一感を意識するようにしましょう。
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