リテンション率とは?重要性と改善策について徹底解説

リテンション率とは、一定期間後にアプリやWebサービスに再訪した新規ユーザーの割合を示します。
コンバージョン率と比較するとマイナーな指標のため、よく理解していない人も多いと思います。

この記事では、リテンション率とは何か、なぜ重要なのかについてご紹介します。
リテンション率が下がってしまう要因や対応策についても解説していきますので、自社のマーケティングに役立ててください。

リテンション率の計算式とメリット

ここではリテンション率の計算式と向上するメリットをご紹介します。
まずは、リテンション率の基本から押さえていきましょう。

リテンション率の計算式

リテンション率の計算式は以下のとおりです。

リテンション率(%)=継続顧客数÷新規顧客数×100

例えば、ある月に新規顧客を100人獲得し、翌月も利用を継続してくれた顧客が50名いる場合、リテンション率の計算式は「50÷100×100」で求められるため、50%になります。

リテンション率を向上させるメリット

自社の商品・サービスのリテンション率を向上させると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

広告費が抑えられる

ビジネスにおいて有名な法則に「新規顧客開拓コストは既存顧客の維持に比べて5倍のコストがかかる」という「1:5の法則」があります。
新規顧客の開拓も大切ですが、広告費を抑えながらも売り上げをあげたい場合は、リテンション率の向上が欠かせません。

参照:SynergyMarketing「1:5の法則」

事業・収益が安定する

リテンション率が高いほど事業や収益が安定します。
近年、定額料金制のサブスクリプションサービスが増えていますが、このビジネスモデルはリテンション率を高くし、事業や収益を安定させるという特徴があります。

リテンション率が低い要因と改善方法

リテンション率が低い要因

リテンション率を重視したとしても、十分な結果を得られないことがあります。
ここではリテンション率を下げる代表的な要因と、対応策をご紹介します。

アプリに魅力を感じていない

ユーザーがアプリに魅力を感じない場合、リテンション率が下がります。
コンテンツもそうですが、例えばアプリの操作が難しい、画面が見にくい、欲しい機能がないなど。
逆に、機能がたくさんありすぎて、ユーザーが混乱するケースもあるかもしれません。

アプリの目的を明確にし、ユーザーのニーズに合うコンテンツ作りが大切です。
また、操作のしやすさや画面の見やすさも考慮しましょう。
更には、利用開始時に動画などのチュートリアルを実装したり、操作方法を簡単に説明したマニュアルを用意したりすることで対策できることもあります。

顧客体験の満足度が低い

2011年にOracleが行った調査では、「86%の消費者はより良い顧客体験のためにお金を払う」「89%の消費者は顧客体験が悪いと競合他社に乗り換える」ことが分かりました。
つまり、リテンション率が低い要因として、消費者は顧客体験に満足していないことが原因の一つとして考えられるということです。

例えば、カスタマーサポートの対応が悪い、大量のプッシュ通知が送られてくる、アプリがすぐにクラッシュする、などは顧客体験の満足度を下げてしまいます。

顧客が満足できるものかどうか検証することは、リテンションを向上させるためにも必要不可欠です。
「カスタマーサポートに電話をかけてからすぐに対応できているか」や「ユーザーの不満やクレームは解消されているかどうか」など、定期的にチェックしましょう。

参照:Oracle「2011 Customer Experience Impact Report」

離脱しそうなユーザーのフォローをしていない

一定期間アクセスがなかったユーザーをフォローしないことも、リテンション率の低下につながります。
ユーザーがアプリに登録したときのメールアドレスなどを活用し、離脱しそうなタイミングで積極的にフォローしましょう。

また、ユーザーがアプリを利用していないときでも、情報送信ができるプッシュ通知を活用することで、アプリからの離脱を防げるかもしれません。
ただしあまりにも頻繁にフォローをすると、今度は顧客満足度が下がってしまうので、注意が必要です。

まとめ

顧客が満足するようなアプリやWebサービスは、リテンション率が高い傾向にあります。
リテンション率が低い場合は、今回ご紹介したポイントについて見直してみると良いかもしれません。
コンテンツだけではなく、使いやすさを考慮することが大切です。
自社の業績向上のためにも、リテンション率を分析項目に取り入れ、低い場合は改善するように心がけましょう。


 

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