ポジショニングとブランディングの違いとは?戦略のポイントも踏まえて紹介

ブランディング戦略に成功した製品やサービスは、企業に継続した利益を与えてくれます。
そのため各企業が力を入れており、その際に気をつけたいのがポジショニングとブランディングの混同です。

この記事では、ポジショニングとブランディングの違いやそれぞれの目的、戦略を立てるときのポイントについてご紹介します。

ポジショニングとブランディングの違い

混同されやすいポジショニングとブランディングですが、2つの違いを簡単に表現するならば、ポジショニングは自社の強みや他社との差別化を図るために「他とは違うものにする・位置づけを行うこと」、ブランディングとはブランドのイメージを明確化し「他とは違った特別なものとして認識してもらうこと」です。

例えば、コーヒーショップで「本格的なエスプレッソ」「高価格」「高級感のある店内」と競合であるコーヒーショップとは異なる強みやイメージを作るとします。これが、ポジショニングです。
そして、そこにサービスや空間が持つ雰囲気やセンスなど、消費者の自己表現的価値に触れ、多くの人の「自分にとっての特別なコーヒーショップ」と認識してもらうために行うのがブランディングです。

ポジショニングとは何か

前述の通り、ポジショニングとは自社の商品やサービスで「他とは違う役割」を獲得して、顧客を得ることをいいます。ここでは、ポジショニングの意味や目的についてご紹介します。

ポジショニングの意味

ポジショニングの意味は自社の製品・サービスに、他とは違う強みを見つけその役割を確立することにあります。
そのため、自社の製品・サービスが持つ強みとは何か、どうすれば競合他社に無い役割を持たすことができるかを検討し実行していくことをポジショニングといいます。

「他に無い役割」というところで注意すべきなのは、すでにある既存の価値観や比較軸の中で他社が存在していないポジションを探す、ということではなく、自社の製品・サービスが優位に立てる市場や比較軸を見つけ、そこで他に無い役割を確立することです。

ポジショニングの目的

ポジショニングの目的は自社の製品・サービスに「他とは違う役割」を見いだし、それを認識・支持してもらうことにあります。

ブランディングに成功したスターバックスの比較として取り上げられることが多いドトールは、ブランディングには至らずとも「気軽に立ち寄れるコーヒーショップ」としてのポジショニングに成功しています。
自社が勝てる領域を見つけ、他社に無い強みを明確に打ち出した製品・サービスを提供し、顧客に支持し続けてもらうことを目的にポジショニング戦略に挑みましょう。

ブランディングとは何か

冒頭で、ブランディングとは「他とは違った特別なものとして認識してもらうこと」であると書きました。
「特別」という言葉が意味するもの、ブランディングの目的についてご紹介します。

ブランディングの意味

ブランディングの意味は他社競合と差別化した製品・サービスで顧客に特別な価値を与え、継続的な信頼を獲得することにあります。
自社の製品・サービスの他社に無い強みを見つけ、「他に無い役割」を築くというところではポジショニングと同じもののように思いますが、「特別な価値を与える」というところがポジショニングとの決定的な違いです。

「特別」という言葉の響きからも想像できるように、ブランディングには顧客の心を掴むことが必要不可欠です。
「コーヒーが美味しいからそのお店に行く」だけではポジショニング戦略の成功までとなりますが、「そのお店だからこそ行く」というような、単なる商品やサービスの枠を超えた独自の価値を生み出し、顧客の心に絶大な信頼を与えるための活動をブランディングといいます。

ブランディングの目的

ブランディングの目的は、単なる製品やサービスを超えた独自の価値を生み出し、顧客の心を掴んで信頼を得て、利益を上げ続けることです。
顧客の心を掴み、顧客の感性にフィットした共感できる価値を与えるために、常に共通のブランドイメージを認識してもらう必要があります。

例えば、ディズニーランドでは「夢の国」と呼称されるほど、ブランドの持つイメージを徹底して守り抜き、顧客の心を掴む事で価格競争に巻き込まれること無く、利益を上げ続けています。

ブランドに共感し、ブランドを「自分にとっての特別なもの」と信じてくれるファンを作ることを目的にブランディング戦略を行いましょう。

ポジショニングとブランディングの関係性

ポジショニングとブランディングの関係性

似ているようで異なるポジショニングとブランディング。
ここまでの記事から推測できるように、ポジショニングを明確に行うことがブランディングを可能にします。

自社の製品やサービスのどこが他と異なるのか、自社が勝負できる市場はどこにあるのか、どんな顧客をターゲットとするのかを明確にしないまま、感性に訴えるイメージを訴求しても、顧客にとっての「特別」になるのは難しいです。

戦略のポイント

ここではポジショニングとブランディング、それぞれの戦略のポイントをご紹介します。

圧倒的優位にたてる切り口を探し出す

ポジショニング戦略の成功ポイントは、自社の製品・サービスを徹底的に分析することです。
ポジショニングマップを使用し、視覚的にまとめると方向性が見えやすくなります。

ポジショニングマップの切り口の設定で重要なことは、自社が圧倒的優位にたてる比較軸を明確にすることです。
自社の製品・サービスの現状、どの切り口でどの市場であれば「他に無い役割」を見出すことができるのか、市場を細分化し、SWOT分析や顧客調査などを行い、自社の製品・サービスの強みを明確にしましょう。

顧客が感情移入できる価値を生み出す

ブランディング戦略の成功ポイントは顧客にとっての「特別」になるような、モノやサービスを超える価値を生み出し、共通のイメージをもって認識させることです。

ポジショニング戦略で自社の製品・サービスが持つ価値が明確になっても、顧客の感性にフィットし感情移入してもらうためには、その打ち出し方に注意しなければなりません。
動画広告などを活用し、自社の強みを明確に伝えましょう。

まとめ

ポジショニングとブランディングの違いについて、理解が深まったのではないでしょうか。ポジショニングとは「他とは違うものにする・位置づけを行うこと」です。
そのためには、自社が勝てる領域を見つけ、他社に無い強みを明確に打ち出す必要があります。

一方で、ブランディングは「他とは違った特別なものとして認識してもらうこと」です。
顧客の心を掴み、顧客の感性にフィットした共感できる価値を与えなければいけません。
混同してしまうことが多い2つのマーケティング用語ですが、それぞれの意味や目的は明確に異なります。
この違いを理解することで、効果的にマーケティングに取り入れることができるでしょう。
ここで解説した内容を正しく理解して、ぜひ自社のマーケティング戦略に役立ててください。


 

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