近年、企業価値を確立するためのブランディングにおいて、「タッチポイント」の強化が重要であるといわれています。
この記事では、「タッチポイント」とは何かの説明から、ブランディングにおけるタッチポイントの重要性、効果的な成果を上げるための戦略のコツをご紹介します。
目次
タッチポイント(顧客接点)とは
「タッチポイント」は「顧客接点」とも呼ばれ、企業が顧客と直接関わる点(場所)のことを指します。
かつては営業職や代理店が企業と顧客のタッチポイントを担い、商品や媒体の提供を行っていましたが、スマートフォンの普及に伴い企業と顧客を結ぶ接点は大きな広がりを見せています。それが担う役割や影響力も大きくなる現代、タッチポイントは企業戦略を考える上で外すことのできない存在です。
現在は、顧客と企業の接点となる媒体が限られていた時代と異なり、WebサイトやSNSなど、タッチポイントとなる媒体の種類や数は増加しています。
そこで、企業価値を望むイメージで顧客に認知してもらうためには、どんな人がどんな媒体に触れているのか、タッチポイントの概念への理解と把握が必要です。顧客と企業の間に設けるタッチポイントの特性がブランディングに大きく影響します。
ブランディングに影響しやすいタッチポイントの特性
自社の企業価値をターゲットとする顧客に効果的に届ける媒体は何か。選択するタッチポイントがブランディング成功の重要なカギとなります。ここではブランディングに影響しやすいタッチポイントの特性をご紹介します。
接触機会の多さ
ブランディングに影響しやすいタッチポイントの要素の一つに、「接触機会の多さ」があります。
顧客がよく触れるタッチポイントを選ぶ、タッチポイントの数を増やすことによって、接触機会が増えブランドの認知度をあげることができます。
認知度の向上はブランディングにとって大変重要ですが、機会を増やすことだけを目的にタッチポイントを設定すると、「飽き」や「価値の低下」をもたらします。そのため、適切な頻度や種類を見極めることが大切です。
接触の難易度
顧客がタッチポイントに接触する際の心理的、物理的距離による「接触の難易度」もブランディングに影響を与えます。
誰でもアクセスできるものを選ぶか、セグメントされた人々のみがアクセスできるものを選ぶのか、それによりタッチポイントに接触するターゲットが変わります。
接触情報の発信源
タッチポイントへの接触を顧客側から行うのか、企業側からアプローチするのか、情報を発信する向きも十分検討する必要があります。
顧客が自発的に接触してくるよう喚起するプル型、または企業から積極的に情報を発信し顧客にアプローチするプッシュ型、どちらを選択するかにより顧客と企業の関係性の意味づけにつながります。
戦略的なタッチポイントの設定手順とブランディング効果
企業ブランドを構築していくためには、どのようにしてタッチポイントを設定すべきなのでしょうか。ここではブランディングを成功させるための戦略的なタッチポイント設定の手順をご紹介します。
ブランドイメージを明確にする
タッチポイントを戦略的に設定するためには、まずは企業のブランドイメージを明確にすることが重要です。自社企業が顧客に提供したい価値、抱いて欲しい印象を明確化しなければ、目標とするブランディングが行える、適切なタッチポイントを選択できません。
カスタマージャーニーを作成する
カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを購入するまでの一連の思考と行動の流れを指します。どのような顧客をターゲットとして、その顧客とのタッチポイントがどこにあるのか。顧客増を明確にして、その顧客の思考・行動も含めた認知から購入までの流れを明確にし、タッチポイントを設定します。
接触するタイミングと方法を探る
戦略的なタッチポイントの設定のために、ブランディングに適切なタイミングや方法を見極めることが重要です。先述したタッチポイントの特性を組み合わせて、希望するブランディングのための具体的なストーリーを作成します。
接点を増やして気軽でオープンなブランドイメージを構築したいのか、間口は狭いが継続して支持されるブランドを目指したいのか、「店舗」「営業」「SNS」「Webサイト」などさまざまなタッチポイントから、先に明確にしたブランドイメージと顧客像に最適なものを選択しましょう。種類を変えてアプローチするのも効果的です。
タッチポイントの結果分析
戦略的にタッチポイントを設定する上で、最も重要といってもよい一つが結果分析です。
ターゲット像、訪問者数、購入者数、リピート率などから、ブランディングが狙い通りに行えているか、PDCAサイクルを回して確認してください。
結果をふまえてタッチポイントの数や種類を変更し、結果分析を繰り返すことが、タッチポイント戦略によるブランディング成功への近道です。
まとめ
タッチポイントを戦略的に設定することはブランドイメージの向上に非常に有効です。
ターゲットである顧客層にブランドの認知を広げ支持してもらうために、忘れずに行って欲しいのが、自社の「Webサイト」の確認です。
タッチポイントの数や種類が増えることでWebサイトのアクセス数は自ずと増加します。情報収集、最終確認のために公式サイトを訪れたユーザーへのブランディングを成功させるために、閲覧しやすくイメージを伝えやすい動画などを配置し、ブランドイメージを向上させる機会を逃さないようにしましょう。
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