ブランディングは、自社の製品を他社製品と差別化し、価値を高めるために必要不可欠な施策の一つです。以前はテレビCMやキャンペーンなどの手法が中心でしたが、近年はブランディングサイトを立ち上げて、自社の製品のブランドイメージを発信する企業も増えています。
Webを使ったブランディングを成功させるためには、サイトのデザインやKPIが重要です。今回はブランディングサイトの作成方法や参考事例をご紹介します。
目次
ブランディングサイトとは何か
商品やサービスの露出を増やし、企業が伝えたいブランドのイメージをユーザーに浸透させる目的として構築されたサイトを「ブランディングサイト」といいます。そのブランドの商品を購入することによってどんな利益がもたらされるのかを伝えることで、ユーザーにブランドに対する価値を感じてもらい、購買行動を促進します。
ブランディングサイトを立ち上げる目的
ブランディングサイトを立ち上げる目的は企業によってさまざまですが、大きな枠組みとしては次のような目的が挙げられます。
ユーザーのロイヤリティを獲得する
商品やサービスの価値を伝えることによってユーザーの支持を集め、自社のブランドに愛着を持ってもらうことが大きな目的の一つです。顧客ロイヤリティの獲得は、ブランドの価値の向上に直結します。
ブランドの認知度を向上させる
商品やサービスの認知度を向上させることも、ブランディングサイトの重要な役割です。ユーザーのニーズを的確に満たす商品やサービスを持っていても、認知されていなければ購入にはつながりにくくなります。
ECサイトでの購入促進
ブランディングサイトは商品やサービスの価値を伝えることが大きな役割ですが、購入を促進する役割も担っています。ブランディングサイトから直接ECサイトへ誘導し、そのまま購入へと結びつけることも可能になります。
コーポレートサイトとブランディングサイトの違いとは?
コーポレートサイトは企業の情報について掲載し、「自社がどのような会社なのか」を伝えるためのサイトです。企業理念や業務概要、社員数や資本金など、会社にかかわる情報を詳細に掲載することで、企業の認知度を向上させる目的があります。
一方、ブランディングサイトは、自社の商品やサービスの認知度、ブランドイメージを向上させる目的で構築されます。
ブランディングサイトの作成手順
サイトを構築する際には、いくつかの手順を踏む必要があります。ここでは、完成するまでの4つのステップを紹介します。
ブランドイメージを決める
ユーザーに対してどのようなブランドイメージを伝えたいのかを決定します。「健康的」や「高級感」など、自社の商品やサービスに適切なイメージを考えると良いでしょう。
ビジュアルを設計する
ブランディングサイトの中で展開するビジュアルを、ユーザーに伝えたいブランドイメージに沿って設計します。ロゴやキャッチコピー、全体のレイアウトや使用する画像にいたるまで、統一感を意識した設計が重要です。
ブランドを構築するための体制を整える
ブランドはブランディングサイトのみで決定されるものではなく、商品の品質やカスタマー対応、宣伝や広告など、あらゆる観点から構築されます。社内のさまざまな部門で相互に連携してブランドを構築する体制を整えることが大切です。
ブランディングサイトの運用・管理
サイトが完成したあとも、効果を測定して改善につなげることが重要です。いつまでも古いページのままでは、どんどん情報の鮮度が落ちてユーザーの関心が薄れ、ブランドのイメージを低下させる原因になってしまいます。常に最新の状態に更新するように心がけましょう。
ブランディングサイトを作成するときのポイント
効果が高いブランディングサイトを作成するには、下記のポイントに注意しましょう。少し意識を変えるだけで、より理想的なページに近づきます。
ターゲット像を明確に設定する
サイトの見栄えがどんなに良くても、ターゲットが定まっていないとユーザーへの訴求効果は下がってしまいます。ターゲットを明確に設定し、自社が取り込みたいユーザーに対して的確に刺さるコンテンツを提供することが重要です。
ユーザーにとって親切な設計を心がける
ユーザーがどんな情報を知りたいのかを第一に考え、ユーザー目線で情報を提供するように心がけます。自社が伝えたいことを一方的に掲載するのではなく、「このブランドは自分にメリットをもたらしてくれる」という印象を与えられる設計を考えましょう。
自社のブランドイメージからずれていないか確かめる
ロゴや配色など、どれか一つでも自社のイメージとは異なるものが選択されていると、意図したブランドイメージが伝わらない可能性があります。常に全体を俯瞰して見つめ、作成中のページが自社のブランドイメージとかけ離れたものになっていないか確認しましょう。
自社にしかない魅力的な情報を提供する
ユーザーは「ここでしか知ることができない情報」や「ここでしかできない体験」など、独自性のあるコンテンツに価値を感じます。そのため、自社にしか提供できない情報をはっきりとアピールすることが大切です。なるべく分かりやすい構成を心がけ、「このブランドは何を提供してくれるのか」を簡潔に示すと、ユーザーに魅力が伝わりやすくなります。
デザインの事例
ブランディングサイトを作成する際の参考として、優れた事例を2つ紹介します。
FUKUGEN「CALEA」
次世代型ドライヤー「CALEA」の販促ページでは、印象的な画像とキャッチコピーでユーザーの関心を引きつけ、下部へとスクロールすることで、この商品で何ができるのか、どんな効果があるのかを知ることができる設計になっています。
参照:FUKUGEN「CALEA」
AND ART
1万円からの共同出資でアート作品を共同で保有するという、新しいアートとのかかわり方を提唱するブランディングサイトの「AND ART」。トップページを開いてすぐに概要を把握できる構成になっており、スクロールすると出資できる取り扱い作品の一覧が自然に目に触れるように設計されています。
参照:AND ART
ブランディングサイトにはKPIの設置が重要
ブランディングサイトを活用することにより、自社のブランドイメージをユーザーに詳しく伝えることができます。顧客ロイヤリティを獲得し、ブランドの価値を高めることは、認知度の向上や売り上げのアップにもつながるでしょう。
そして、さらに効果的なサイトの運用を行うためには、KPIを設置することが重要です。目標の達成度合いを数値化することで課題が可視化されるため、どの部分を改善していけばより訴求効果が高い情報を提供できるのかが明確になるからです。
ブランディングサイトの最終目標は運用することそのものではなく、自社のブランドの価値を高めることによりユーザーを購買に導き、利益へとつなげることにあります。
まとめ
ブランディングサイトは自社の製品の価値を高めるための施策の一つ。その目的は、ブランド認知の向上や顧客ロイヤリティの獲得など、さまざまです。
ブランディングサイトを作る際には、ユーザービリティやブランドイメージに沿っているかなど、ポイントを踏まえてより効果の高いブランディングサイトを作成しましょう。また、KPIを設置し自社の強みや弱みを明確にしていくことで、ブランドの価値を高めより効果的なブランディングサイトの運用を実現しましょう。
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