そもそもCTR(クリック率)とはどんなものかといった概要から、その計算方法、目安となる平均値を紹介します。その上で、どうすればCTRを向上できるかのポイントについても解説します。CTRが思うように伸びず悩んでいる方はぜひお役立てください。
目次
そもそも、CTR(クリック率)とは?
CTR(Click Through Rate)は、日本語では「クリック率(あるいはクリックスルー率)」と言われています。クリック率とは、Googleなどの検索結果やインターネット広告の効果を表す指標の一つで、それらが表示された回数(インプレッション)のうち、どのくらいクリックされたかの割合を示します。表示されたインターネット広告等がクリックされた回数が多ければ多いほど、CTRも高くなります。
CTRの計算方法
CTRの計算方法は非常に簡単です。以下の数式にある通り、クリック数とインターネット広告などが表示された回数(インプレッション数)から算出できます。
クリック数÷インプレッション数×100=CTR
たとえばインプレッション数が500で、そのうち15回クリックされたのであれば、15(クリック数)÷500(インプレッション数)×100でCTRは3%となります。
各広告媒体におけるCTRの平均目安
それでは実際にCTRはどのくらいだとよいのでしょうか。ここでは広告媒体ごとの目安を紹介します。
リスティング広告
リスティング広告とはGoogleなどの検索エンジンにおいて、ユーザーが検索したキーワードに基づいて検索結果上に表示される広告を指します。
オンラインマーケティングを行う米企業、WordStream社の調査によると、Googleの検索結果における業界ごとの平均的なクリック率は以下です。ご覧の通り、業界によって約2~6%と幅があることがわかります。
自動車 | 4.00% |
B2B | 2.41% |
デート・出会い系 | 6.05% |
ネット通販 | 2.69% |
教育 | 3.78% |
人材サービス | 2.42% |
金融・保険 | 2.91% |
医療・健康 | 3.27% |
家庭用品 | 2.44% |
産業サービス | 2.61% |
法律サービス | 2.93% |
不動産 | 3.71% |
テクノロジー | 2.09% |
旅行関連 | 4.68% |
参照:WordStream社 業界別Google広告の平均クリック率
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリに設けられた広告枠の中に表示される広告を指します。
その中にはバナー広告やテキスト広告、動画広告やレスポンシブ広告などが含まれます。
同じく「WordStream」の調査によると、Google広告における平均的なクリック率は以下の通りです。ディスプレイ広告については0.39~1.08%の幅で上下しています。
自動車 | 0.60% |
B2B | 0.46% |
デート・出会い系 | 0.72% |
ネット通販 | 0.51% |
教育 | 0.53% |
人材サービス | 0.59% |
金融・保険 | 0.52% |
医療・健康 | 0.59% |
家庭用品 | 0.49% |
産業サービス | 0.50% |
法律サービス | 0.59% |
不動産 | 1.08% |
テクノロジー | 0.39% |
旅行関連 | 0.47% |
参照:WordStream社 業界別Google広告の平均クリック率
動画広告
テキストやバナーなどの画像でなく、動画で行われる広告全般を指して動画広告と呼びます。動画広告の中にもYouTubeなどの動画コンテンツに差し込まれる「インストリーム広告」、Webサイトの途中に挿入されている「インフィード広告」、ウェブサイトのバナー枠に表示される「インバナー広告」などがあります。
モバイルマーケティングを推進する非営利団体「Mobile Marketing Association」のレポートによれば、動画広告の長さごとに、以下のようにクリック率が変わります。30秒以上になると、CTRが一気に下がっています。
- ・15秒以内:2.2%
- ・16~30秒以内:2.5%
- ・30秒以上:1.3%
参照:Mobile Marketing Associationレポート P18
SEOにおけるクリック率の考え方は?
Googleをはじめとした検索サイトにおいて、検索結果の掲載順位が高いほどCTRが高くなります。Internet Marketing Ninjas社の調査によれば、検索順位によってCTRは以下のように変わっています。
ご覧のように、検索順位が高くなるほどCTRが大きくアップしており、1位と2位に約2倍もの開きが出ています。SEOにおいてCTRを向上させたい場合には、検索順位を意識すべきなのは明白です。
【Google検索順位ごとのCTR(2017年度)】
- ・1位:21.20%
- ・2位:10.65%
- ・3位:7.57%
- ・4位:4.66%
- ・5位:3.42%
参照:Internet Marketing Ninjas社 Google検索順位ごとのCTR
CTRを向上させるためのポイント
それでは、CTRを向上させるためにはどうすればよいでしょうか。以下、広告・SEOのそれぞれの場合で解説します。
広告の場合
まず重要なのはユーザーの検索意図を考察して、その意図に合致した広告のタイトルや広告文を作成することです。リスティング広告において検索キーワードをタイトルに含めることも大事ですが、それ以上に検索を行うユーザーの需要を満たす内容にすることを意識しなくてはなりません。
また広告文に数字を入れて説得力を強くする、「公式」というキーワードを挿入して信頼性を高めるといった方法も有効です。それでもCTRが向上しない場合は検索キーワードと広告の内容が合致していない可能性があります。その際は検索キーワードを見直してみてもよいでしょう。
SEOの場合
SEOの場合で考えても、ユーザーの検索意図を理解して、それにあったタイトルやディスクリプションを用意することが重要です。なお、長いタイトルは省略されるため重要なキーワードを手前に置いたうえで30文字程度、ディスクリプションは80~120文字程度で設定するようにしましょう。
それより長くすると、検索結果に全体が表示されない(途中で途切れる)一方、逆に短くしてしまうとオリジナリティが出せなくなってしまいます。
またタイトルやディスクリプションは、ユーザーに分かりやすい内容とすること、数字や名称(商品名など)を含めて内容に具体性を持たせることも有効です。
まとめ
CTR(クリック率)は、検索結果や広告が表示された回数のうち、何回クリックされたか割合を示す値です。CTRは広告の媒体や分野によって大きく異なります。CTRを改善するために最も重要なのは、検索意図などのユーザーニーズを理解し、その需要を満たす広告・タイトル・ディスクリプション等を用意することです。またSEOでは検索順位を意識し、タイトルや広告に具体的な数字や信頼性のある情報を挿入するのも有効です。
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