SNS広告で費用対効果は見込める?効果測定についても解説

SNS広告は多くの企業にとって重要なプラットフォームです。しかし、広告出稿先を増やしたからとはいえ、必ずしも成果につながるわけではありません。増大する制作コストやコンバージョン率の低さなどに悩むこともあると思います。

この記事では、SNS広告における費用対効果を基本から解説します。費用対効果で用いられる代表的な3つの指標や、主要なSNSにおける広告の特徴、費用対効果を高める方法などをご紹介するので、クリエイティブをブラッシュアップして売上・利益を伸ばしたい場合は参考にしてみてください。

SNS広告で費用対効果を測るために重要な3つの指標

SNS広告のマーケティングにおいて、費用対効果を測るために重要なのが、「CPA」「ROAS」「ROI」の3つの指標です。各指標について詳しくご紹介します。

CPA

CPAは「Cost per Action/Acquisition」の略で、1件のコンバージョンを得るのに、いくらの広告費を使ったのかを計算した指標です。コンバージョン単価と呼ばれることもあり、計算式は「CPA=広告費÷CV数」で表されます。

ROAS

ROASは「Return On Advertising Spend」の略で、費用対効果を投資した広告費用の回収率を表す指標で、計算式は「ROAS(%)=売上÷広告費×100」です。看板や新聞広告などではROASを正確に見積もることは難しいですが、SNS広告ではクリックや閲覧履歴の情報から比較的容易に精度の高い算出ができます。

ROI

ROIは「Return on Investmen」の略で、投資した広告に対してどれだけ利益を上げられたかを示す指標です。ROASと異なり最終的な利益で算出するため、広告費の費用対効果を採算的な観点で分析できます。計算式は一般的に「ROI(%)=利益÷投資額×100」で求めることができますが、広告運用でのROIは「ROI(%)=(平均利益単価×コンバージョン(CV)-広告費)÷広告費×100」で算出できます。

SNS広告の特徴と費用対効果を上げるためのコツ

ここでは代表的な広告投稿先であるFacebook・Instagram・twitter・LINE・TiktokにおけるSNS広告の特徴と、費用対効果を高めるためのコツについてご紹介します。

Facebook

【特徴】

Facebookは基本的に、実名登録のユーザーが参加しているSNSです。そのため、年齢や性別、職業、ライフイベントなど詳細な状況が把握できます。個人のアカウントが中心ですが、最近は企業アカウントも増加しており、顧客との信頼関係構築やLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)向上にも活用されています。

【SNS広告で費用対効果を高めるポイント】

広告主である企業主にとっては、いかにターゲットを絞り込み、効果的なSNS広告が配信できるかが費用対効果を高めるためのポイントです。「広告マネージャー」という機能を使用し、オーディエンス、広告費、掲載期間を設定することで予想される効果が試算できます。そのため、CPAやROASなどのデータがないときに役立ちます。

また、配信した広告の費用対効果の分析用データも収集されるので、ターゲット変更やクリエイティブ改善などがしやすいのも特徴です。

参照:[Facebook for Business: Facebookでのマーケティング

Instagram

【特徴】

InstagramはFacebook傘下のサービスのため、広告マネージャーを共通で使えます。美容やファッション、ライフスタイルなどに感心がある女性ユーザーが比較的多いです。企業が提供する商品・サービスの向き・不向きを考慮する必要があります。

【SNS広告で費用対効果を高めるポイント】

Instagramの基調になっているのが、スタイリッシュさや可愛らしさなどの要素です。SNS広告においてもこの暗黙のルールに沿いながら、いかに他社と差別化を図るかが費用対効果を高めるポイントになります。

例えば、動画制作の活用は他社との差別化におすすめです。株式会社ジャストシステムによると、2019年末までの過去2年間において、SNSの中で動画再生の伸び率が最も著しかったのがInstagramでした。

費用対効果を高めるためには、マーケティングと連動した効果的な動画制作や、広告費を抑えてインハウス制作できる動画編集ツールを活用することが大切です。

参照:[PRTIMES|過去2年で、動画広告を見る人の割合が増えたのは「Instagram」

Twitter

【特徴】

TwitterはFacebookと異なり、匿名性が高いのが特徴です。そのため、精度の高いターゲティングには不向きといえますが、広告情報の拡散スピードと規模の点においては魅力的なSNSです。リツイートなどの2次拡散が期待できるため、広告主側のコストが抑えられるメリットもあります。

【SNS広告で費用対効果を高めるポイント】

拡散を期待した広告戦略をする場合、最も重視したいポイントは話題性です。クリエイティブ自体が持つインパクトさにより、結果が左右します。また、広告配信のタイミングやTVと連携することも重要です。

Instagramと同様にTwitterでも、動画配信をするなどクリエイティブの見せ方を工夫しなければなりません。そのため、動画制作者側の負担を減らす動画編集ツールが注目を浴び始めています。

参照:Twitter広告のビジネス活用

LINE

【特徴】

LINE広告はさまざまな場所に広告が配信できます。トークリストやタイムラインを始め、LINE NEWSやLINEマンガなどのファミリーサービスにも配信可能です。また、友達追加広告などもあるので関心度の高い友達が獲得できると言われています。

【SNS広告で費用対効果を高めるポイント】

LINEは利用者が多いため、費用対効果が生みやすい広告の一つです。適切にターゲティングを行うことで、より広告費の費用対効果が高められるでしょう。

参照:LINE広告|LINE for Business

TikTok

【特徴】

TikTokはショートムービー(5~60秒)に特化したSNSです。スマホの画面比率になっていることや、アマチュア感やニッチ・フリーク感が受け入れやすいことが特徴です。

【SNS広告で費用対効果を高めるポイント】

TikTokのSNS広告には主に3つの種類があり、これらの使い分けが費用対効果を高めるポイントです。

起動画面広告:アプリ起動時に3~5秒間表示されます。幅広いユーザーへのリーチができる一方、押しつけがましい印象を持たれるリスクがあるので注意しましょう。

インフィード広告:動画と動画の合間に表示されます。TikTokのインフィード広告は独特で、フルスクリーンで表示されるのが特徴です。

ハッシュタグチャレンジ:動画にハッシュタグを付けて投稿してもらう、ユーザー参加型の広告です。ユーザーを巻き込みながら、自社のブランディングが行えます。

参照:TikTok For Business

PDCAサイクルでクリエイティブをブラッシュアップ

新聞やテレビなどの広告と異なり、比較的手軽に広告配信できるのがSNS広告の特徴です。実際に動画制作未経験の一社員が投稿した広告が拡散して話題になり、巨大な利益を生んだ事例もたくさんあります。

一方、広告配信後にSNSユーザーの反応を分析する、寄せられたコメントから広告内容を調整するなど、地道な作業は欠かせません。ビジネスにおいて「計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Act)」のPDCAサイクルが重要だと言われていますが、このサイクルを回すことが、SNS広告の費用対効果を高めるためにも必要不可欠です。

まとめ

SNSごとにユーザー層や配信方式などに特徴があるので、SNS広告で費用対効果を高めたい場合は、まず各SNS広告について情報収集することが大切です。また、動画広告の割合が急速に進むInstagramや革新的な広告手法が試されているTikTokのように、変化しつつある媒体もあるので注意が必要です。

注目度の高い動画編集ツールなどもあるので、活用しながら費用対効果を高めていきましょう。


 

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