オウンドメディアでブランディングするためには?効果を出す方法や注意点について

多くの業種で市場の成熟化しているうえ、商品のコモディティ化が進む現在、商品の質や価格など、商品の魅力だけでユーザーに選択してもらうことが非常に難しくなっています。
そこで、重要となるのが商品の質はもちろん、それに加えて企業とユーザーのあらゆる接点において良質な体験を提供する、いわゆるブランディングです。
そして、ブランディングを高める方法として大きな効果を発揮するのがオウンドメディアの構築。

今回は、特にBtoB企業がオウンドメディアでブランディングを行うことの重要性や効果を出す方法、事例をご紹介します。

オウンドメディアでブランディングが重要な理由

ブランディングとは、興味関心から比較検討、購入、使用に至るまで、企業とユーザーのあらゆる接点で良質な顧客体験を提供し、愛着、信頼を感じてもらうようにするものです。企業にとってブランディングは、数ある競合のなかから、自社のブランドを最初に想起してもらうために行います。

これを「第一想起」といいますが、ユーザーにとって自社のブランドが第一想起になれば、購入の可能性が上がり、競合との価格競争も必要なくなります。

では、オウンドメディアにおいてブランディングを行うことがなぜ重要かというと、それはユーザーの購買行動が大きく変化したためです。
従来、BtoB企業が商品を購入する際、企業の営業担当者以外から情報を入手することが困難でした。

現在はインターネットの普及により、情報の多くをSNSや価格比較サイト、オウンドメディア、ECサイトなどで簡単に入手できるようになっていますが、ユーザーにとって有益な情報がない場合、その企業や商品を知ってもらうことは困難です。
しかし、オウンドメディアでしっかりとブランディングをしていれば、ユーザーに情報を伝えることができるだけでなく、選択してもらえる可能性が高まります。

商品に対して興味関心、比較検討段階のユーザーに対し、有益な情報を提供している企業だとイメージしてもらえれば、数ある競合のなかから第一想起になる大きなチャンスです。
そのためには、オウンドメディアでのブランディングが非常に大きな意味を持っているのです。

オウンドメディアのブランディングで得られるメリット

前項でブランディングの大きな目的はユーザーにとって第一想起の企業になるためだと説明しました。
では、第一想起になることで具体的にどういったメリットを得られるのでしょうか?

商品やサービスの認知向上

既存商品はもちろん、関連商品や新商品が発売された時でも、第一想起の企業が発売した商品として認知してもらいやすくなります。

ユーザーとより強固な関係性の構築が可能になる

BtoB企業の場合、BtoCに比べ、商品購入までの意思決定に多くの人がかかわるため、検討期間が長くなり、オウンドメディアに訪問する回数も多くなります。
そのため、適切なタイミングで適切な情報提供を行っていくことが、競合とのさらなる差別化要因となり、関係性を強化できます。

採用活動にも高い効果が期待できる

オウンドメディアでのブランディングは、ユーザーだけに向けたものではありません。
将来的に自社で働きたいと思う求職者にとっても高い効果が期待できます。
自社のビジョン、考え方などをオウンドメディアで明確に示せば、採用活動にも良い影響が出るでしょう。

オウンドメディアでブランディングを行うための方法

オウンドメディアでブランディングを行うための方法
オウンドメディアでブランディングを行う方法はいくつか考えられますが、そのなかでも重要なのがSNSの効果的な活用と検索エンジン対策(SEO)です。
ここではそれぞれの活用方法を紹介します。

SNSの効果的な活用方法

BtoB企業はBtoC企業に比べSNSの必要性は低いと思われがちです。
しかし、BtoB企業は普段、エンドユーザーである消費者と直接、コミュニケーションを図れる場はありません。そのため、ブランディングはもちろん、エンドユーザーの生の声を聞ける場として、SNS積極的な活用は欠かせません。

種類にもよりますが、SNSの大きなメリットは拡散性です。
フォロワー数が数百人程度であっても、有益であったり、面白かったりする投稿は一瞬で数万、数十万人に拡散されます。
そのため、SNSは、オウンドメディアや企業ブログと連携させ、更新情報発信の場として活用します。

また、SNSはユーザーとのコミュニケーションの場としても大きな効果を発揮します。ただし、これはBtoB、BtoCにかかわらず、企業がSNSを活用する際にもっとも気をつけなければならない点です。

そもそも多くのSNSはユーザー同士がコミュニケーションを楽しむためのものです。
そのため、BtoB企業であっても、企業を相手にするのではなく、エンドユーザーを対象に、単に情報発信の場として使うよりも、コミュニケーションを楽しむほうが愛着を感じてもらいやすくなります。

検索エンジン対策(SEO)

検索エンジン対策にはさまざまな方法がありますが、重要なポイントとなるのはモバイルフレンドリーであること、そしてユーザーにとって有益な情報の提供です。

総務省が調査した「令和元年通信利用動向調査の結果」では、インターネット利用機器でパソコンが約50%なのに対し、スマートフォンは60%を超えており、年齢別でみても20代~40代で80%を超える利用率となっています。そのため、スマートフォンで閲覧した際に見やすいかどうかは重要な要素の一つです。
オウンドメディアを制作する際には必ずスマートフォンで閲覧しやすいかどうかのチェックを忘れないようにしましょう。

もう一つのポイントは、ユーザーにとって有益なコンテンツの提供ができているかです。
ここで重要なのはあくまでも企業が発信したい情報ではなく、ユーザーが知りたいことをコンテンツとして提供することです。これを知るためには、SNSでユーザーの生の声を聞いたり、Q&Aサイトを確認したりといった調査を常に行うようにします。

参照:令和元年通信利用動向調査の結果

オウンドメディアでブランディングを行う際の注意点

SNSや検索エンジン対策はオウンドメディアのブランディングに欠かせませんが、いくつか注意すべき点があります。そのなかでも重要なのは次の2点です。

SNSでのユーザーユーザーとの距離感

SNSでは情報を発信するだけではなく、ユーザーとコミュニケーションを取ることも重要だと説明しました。
ただし、どういったスタンスでユーザーと向き合うかは事前にしっかりとルール化しておく必要があります。
不用意にかかわってしまうと場合によっては炎上につながり、ユーザーの信頼を損ないかねません。

また、高級ブランドを扱っている場合は、あまりフレンドリ―になり過ぎるとブランドイメージが崩れる可能性もあるため、ブランドイメージも考慮したコミュニケーションが重要です。

ユーザーの目線で使いやすいUIを考える

コンテンツの質や量にばかり目がいきがちですが、それと同様に重要なのがWebサイトの使いやすさです。
「目的のページになかなかたどりつけない」「資料請求したいのに資料請求のボタンがない」などは離脱の要因になり得るため、オウンドメディアをつくる際には、必ずユーザー目線に立ち、実際に利用してみるなど使い勝手を確認するようにしましょう。

まとめ

オウンドメディアを活用したブランディングはさまざまなメリットがあり、企業としては必ずやらなければならないことの一つといえます。
ただし、自分が出したい情報だけを出す、定期的な情報発信を怠るといったことを続けていればユーザーは愛着も信頼も感じてはくれないでしょう。
これを避けるには、ユーザーが知りたい情報を定期的に発信し続けなくてはなりません。
購入までの検討期間が長いBtoB企業であればなおさらです。それこそが、オウンドメディアでのブランディングでもっとも重要なポイントです。


 

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