新型コロナウィルス感染症の影響で働き方は大きく変化しました。特にテレワークなどの対面を避けた仕事方法の急激な普及に伴い、企業PRにも動画を活用する企業が増えています。
今回は、企業紹介動画に関する種類やメリット、活用できるシーンについてご紹介します。記事後半では、企業紹介動画の具体的な事例やポイントについても解説しているので、動画制作を検討中の方はぜひ参考にしてください。
目次
企業紹介動画の種類
企業紹介動画は大きく分けて3種類に分類できます。まずはそれぞれの概要と、期待できる効果について見ていきましょう。
事業紹介
自社の事業内容について紹介する企業紹介動画です。企業紹介動画の中でも最もメジャーで、創業から現在までの企業の歴史や業界の動向、サービスや商品の情報などを紹介するのが一般的です。多くのシーンで使いやすく、例えば入社を検討している就活生や求職者のモチベーションアップ、取引先や潜在顧客の信頼向上などが期待できます。
コンセプト紹介
コンセプト、理念やビジョンを重視した企業紹介動画です。具体的な事業内容などの情報よりもコンセプトや理念などを優先して伝えることでターゲットに強い印象やメッセージを残せるのがメリットです。何を伝えたいのかを明確にし、絞って伝えることで漠然とせずより”刺さりやすい”動画になります。
インタビュー紹介
社員やスタッフなど、実際に働く人に焦点をあてた企業紹介動画です。インタビューや対話形式で進めるのが一般的で、活字では伝えづらい会社の様子や社員の雰囲気を伝えるのが目的です。特に採用シーンにおいて実際に働きだせば上司や先輩になる社員の顔、雰囲気を知れることで親近感が湧き、安心して応募できます。また、実際に働くことになる会社の雰囲気をあらかじめ知れるので働き出した後を明確にイメージでき入社後のギャップが少なくなるということも双方のメリットになります。
企業紹介動画のメリット
ここで企業紹介動画の主なメリットを4つご紹介します。
より多くの情報・抽象的な内容が伝わる
企業PRに動画を活用することでテキストや画像では伝わりづらい抽象的なイメージや雰囲気が伝わります。
また、動画は同じ時間で文字情報の約5,000倍もの情報が伝わるといわれており、短時間で会社に関して、より多くの情報を伝えられます。また2014年4月にアメリカの調査会社、Forrester ResearchのJames L. McQuivey博士が発表した研究結果によると1枚の写真に仮に1,000文字の情報量があった場合、1分間の動画には180万語相当の情報量が入っているとしています。
忙しい現代人は短時間で多くの情報が得られる動画を好んで視聴しやすいため、時代に合った企業紹介方法だといえるでしょう。
商品やサービスへの信頼感を育てる
自社商品・サービスへの信頼感を育てる効果が期待できる点も大きなメリットです。顧客は高い買い物であればあるほど、「商品やサービスを提供している企業は信頼できるのか」や「どのようなバックボーンがあるのか」まで興味を持つものです。
企業のビジョンや仕事風景、いかに情熱を持ってその商品・サービスを創っているかなどを、企業紹介動画を通して伝えることで信頼感が育ち、ブランドや企業のファン創出が期待できます。
バーチャル見学を実現できる
企業紹介動画を通して社内の様子や雰囲気を伝えることで、バーチャル見学が実現できます。今や社外の人を会社内に入れるのは機密情報の観点から容易でなく、一般人の立ち入りを禁止している場合も少なくありません。また、コロナ禍で対面が規制される中ではなかなかできません。
一方で、例えば求職者や就活生は自分が働くかもしれない仕事現場を見て、雰囲気を知っておきたいと感じている場合も多いでしょう。そこで企業紹介動画を使えば社内のリアルなイメージを手間なくバーチャルで疑似体験ができ、安心して応募できます。
使用用途が多岐にわたる
企業紹介動画の使用用途は多岐にわたります。後ほど「企業紹介動画の活用シーン」でもご紹介しますが、例えば一本の動画だけでも、「自社サイトやSNSに掲載する」、「会社説明会で流す」、「営業シーンで活かす」など多くの使用用途があり、使い回せます。
紙媒体の場合は在庫管理や印刷費などのコストがその都度かかってしまう。一方、動画なら使い回しが可能であり、維持費もかからずコストを削減できます。
企業紹介動画の活用シーン
企業紹介動画はその名の通り自社を紹介する動画ですが、それ以外にも多くの活用シーンがあります。代表的な4つの活用シーンを見ていきましょう。
公式サイト
企業を調べる際、まず多くの人が検索する公式サイトはまさに”企業の顔”です。企業に興味を持って訪れた人に対して会社情報や商品・サービスの情報、会社のビジョンなど、短い時間で本当に伝えたい内容を詰め込んだ企業紹介動画を見てもらうことで会社のことを短い時間で深く理解してもらえます。
SNS
SNSで企業紹介動画を拡散することで、広い年齢層の顧客や潜在顧客に会社をアピールできリーチ獲得が期待できます。何気なく見ているテレビCMなどに注目すると、まさに企業紹介動画と言える映像が多く流れています。
しかし、テレビCMを打つのはコストとリソースが大変かかってしまいます。それに対してSNSをうまく活用し、企業紹介動画を拡散することでコストをかけずに急速に認知を広め、ファンを獲得できます。
展示会・ウェビナー
展示会・ウェビナーで企業紹介動画を通して会社のことや商材のことを知ってもらうことで契約に結びつけることが期待できます。展示会は時間が限られており、競合も多く訪れる人は短い時間で多くの情報を得たがっています。
イメージを短時間で伝えられる動画を活用することで興味を引き、商談や契約につなげられるでしょう。
会社説明会
求職者、就活生からより多くの応募を得るために会社説明会での企業紹介動画は今や欠かせません。動画は短い時間で多くの情報を伝え、言葉やテキストでは表現が難しい抽象的なイメージを伝えるのに特化しています。
求職者、就活生が知りたい情報を多く共有した上で企業のビジョンやミッションを伝えることで印象に残り、”刺さる”会社説明会になるはずです。このことから既に多くの企業が採用シーンにおいて企業紹介動画を活用しています。
営業シーン
営業シーンでも企業紹介動画は役立ちます。商談先で企業紹介動画を使用することでブランドストーリーや会社の歴史、想いなど多くのことを短い時間で伝え、心理的な距離を狭める効果が期待できます。
また、新人営業でも比較的使いやすく、これまでのキャリアや営業スキルに依存しないという点も大きなメリットです。
企業紹介動画の事例を紹介!
最後に、企業紹介動画をうまく活用している事例を6つご紹介します。
株式会社カナモト(事業紹介の事例)
14分55秒と比較的長めの動画ですが全体に作り込まれており、業務の概要から始まり具体的にどのような業務をしているか、拠点、働く様子などが総合的に見られるような企業紹介動画です。詳細な沿革は動画や画像を交え演出することで視聴者が企業の歴史を追体験しているような感覚を覚えてしまいます。
また、社長インタビューもあり動画を全て見終わった後はこの会社への理解と親近感が沸く内容になっています。全体的に動画や写真の切り替えとアナウンスで構成、インタビュー動画も含めて制作はそこまで難しくありません。
株式会社ブリヂストン(事業紹介の事例)
アニメーションを活用した企業紹介動画です。社会見学に来た子どもたちが会社を見て回りながら沿革やビジョン、事業内容を学んでいくような構成。たった4分32秒の動画ですが、内容は非常に濃くかわいい絵柄のアニメーションを軸に進めることで集中力を保ったまま見られる工夫になっています。
ここまでのアニメーションを制作するのは決して簡単ではありませんが、特に未来の話が多く、これまでの歴史よりもこれから何をしようとしているのかを重視している姿勢が印象的で参考になります。
NTT西日本(コンセプト紹介の事例)
採用シーン活用を主な目的として制作された企業紹介動画です。特にキャッチーでテンポ良く進む前半部分は一見実務とは離れた内容にも見えます。後半にかけて前半の内容を回収し、『「未来を待つ人」ではなく「未来を創る人」でありたい。』という最大のメッセージに繋がるわずか1分31秒と非常に短い動画ながら見事な構成です。
素材も大量というわけではなく、場面の切り替えとアナウンス、BGMで構成されているため簡単に制作可能で参考にしやすい動画です。
JR西日本(コンセプト紹介の事例)
軽快なBGMとテキスト、インフォグラフィックスが中心でスタイリッシュな仕上がりの企業紹介動画。1分57秒と短尺ながら鉄道だけでなく多くの関連事業が紹介されています。
新卒採用がターゲットのコンセプト動画で、オフィスの雰囲気や様子も見られ、見終わった後には就活生が明るい未来を想像できる内容です。ターゲットに想像させる、印象づけるという点が動画を作る上で参考になります。
株式会社バンダイ(インタビュー紹介の事例)
エンターテイメント企業の最大手バンダイの採用向けの企業紹介動画です。社内オフィス環境の紹介から、リレー式のインタビュー動画で、多くの社員が事業内容や仕事への想い、意識していることなどを語っています。
全体を通して風通しの良さや雰囲気の良さがよく伝わる内容です。後半部分では就活生と年齢が近い新入社員のトークセッションを設け就職後の未来が明確にイメージできるような工夫がされています。順番にインタビューを撮影してつなげることで動画が作れるのでこちらも真似しやすい内容です。
まとめ
コロナによるテレワークの普及やデバイス、通信技術の進化に伴ったオンライン環境の変化といった時代背景を受けて企業紹介動画の注目度は大きく高まっています。また、物心ついた頃からスマホや動画に触れてきた「デジタルネイティブ世代」がメインターゲットになるような業界では今後ますます動画を活用したアプローチが有効になると予測されます。
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