スマホやインターネットの普及により、動画を使って集客や宣伝を行う「動画マーケティング」が注目を集めています。Googleの調査によると、コロナウイルスの影響で2020年にYouTubeの視聴時間が増えたと回答している日本人は74%を数えており、動画マーケティングに取り組む企業はさらに増えるでしょう。
ただ、闇雲に動画を制作しても成果は出ません。成果を出すためには、事前にどのような手法があるかを理解しておくことが大事です。
そこで、この記事では、動画マーケティングの手法や成功事例、成功のコツについて解説していきます。
目次
動画マーケティングが注目される背景
様々な企業に利用されている動画マーケティングですが、なぜ、ここまで注目されているのでしょうか。ここでは、動画マーケティングが注目される背景を解説していきます。
気軽に動画へアクセスできるようになった
まず、「気軽に動画へアクセスできるようになったから」という理由が挙げられます。
近年は、4G回線の普及によって、携帯やスマートフォン、タブレットなどで手軽に動画を見られるようになりました。また、これから本格的に始まる5G通信は、4G以上の高速通信が期待されており、より高画質な動画を遅延なく視聴できるでしょう。
今や動画は人々にとって身近なものになっているため、企業は宣伝の媒体として注目しています。
SNSで動画の発信が簡単になった
SNSの発達により動画発信が簡単になったことも理由の1つです。
2010年代半ばからTwitterやInstagram、YouTubeといったプラットフォームが登場し、誰でも簡単に動画配信ができるようになりました。
ひと昔前は、動画での宣伝はテレビのCMなどが主流でしたが、今ではSNSを使って簡単に数多くの人にアプローチすることができます。
そのため、動画マーケティングは数多くの企業から注目を浴びています。
動画マーケティングの手法
動画マーケティングで効果を出すには、正しい動画マーケティング手法を学ぶことも必要です。
ここでは、動画マーケティングの手法について紹介します。
動画広告を出す
まず、動画広告を出す手法があります。
SNSやWebサイトなど、インターネット上のさまざまな場所に掲載され、商品や自社の認知拡大や販売促進、ブランディングなど、幅広い目的を達成するのに便利です。
興味を持ってもらいやすいユーザーに絞って配信でき、リーチする人数も多いため、大きな効果が期待できます。
ただし、場合によっては多額の費用がかかるため、まとまった予算が必要です。
一般的な動画広告の相場は月10万円ほどと言われていますが、出稿本数が増えると月100万円以上かかることもあります。
SNSに動画を掲載する
YouTubeやインスタグラムなどのSNSに動画を掲載する手法も有効です。
SNSにはシェアやリツイートなど、動画を拡散する機能が備わっているため、多くの顧客にアプローチしやすい手法だと言えます。特に動画は拡散されやすいので、商品やサービスの認知拡大や販売促進、自社ブランディングなどあらゆる面で効果的です。
たとえば、タカラトミーがTwitterに掲載した人生ゲームの宣伝では、リツイート件数が10万以上にも及びました。
Facebook実施した調査でも、動画は写真やWEBサイトのシェアよりも「2〜3倍のエンゲージメント効果がある」という研究結果が出ており、拡散力の高さがうかがえます。
参考:400,000 Articles Analyzed: Here’s What We Learned About Content Engagement
(https://buzzsumo.com/resources/creating-engaging-content/view/#section-method)
拡散力の高さに加え、SNSは無料で利用できるので、宣伝費を安く抑えられるのも特徴です。
Webサイトに掲載する
自社サイトや商品のランディングページに動画を掲載する方法もあります。
文字や画像だけでは説明しきれない情報を提供したり、コンテンツ内容を補足で説明したりでき、コンテンツの理解を促すのに便利です。
たとえば、求人募集のページに社員の1日を紹介する動画を掲載すれば、入社後の働き方が分かりやすくなり、応募者数の増加が期待できるでしょう。
採用動画以外にも、商品紹介動画や記事内容の解説動画など、さまざまな種類があります。
電光掲示板に出稿する
動画広告はサイトだけに載せるものだけではありません。
街なかや電車、バスなどでよく見かける電光掲示板に動画を出稿するというのも一つの手です。多くの人の目に留まり安くなるため、商品やサービスの認知拡大や販売促進が効率よく行えます。
ただし、効果測定が行いづらく、「本当に効果が出たか」を検証するのが難しいです。
動画マーケティングの基本戦略
動画マーケティングを成功させるためには、手法を理解することに加え、適切な戦略を練る必要もあります。
動画マーケティングを成功させる手段の1つに「HHH戦略」があります。HHH戦略とは、Hero動画・Hub動画・Help動画の頭文字を取ったもので、ユーザーの興味関心を引き付け、商品やサービスの利用につなげるマーケティング手法です。
ここでは、HHH戦略について詳しく解説していきます。
HHH戦略について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてみてください。
Hero動画
Hero動画とは、「認知度を高めることを目的」にした動画のことです。
人々は、動画を見て「面白い」「感動する」など、感情を動かされた際に動画を友人や家族と共有したり、SNSで拡散したりします。動画が広まることで、商品を発売している企業がどのような企業なのかを認知してもらい、自社サイトや通販サイトへの誘導が可能になります。
つまり、Hero動画とは「自分たちが何をしているのか」を知ってもらい、その後の商品やサービス利用につなげるために作成する動画です。
Hub動画
Hub動画とは、Hero動画で企業を認知したユーザーに最終目標である商品購入やセミナー参加といった「コンバージョン」してもらうための訴求動画のことを指します。
もちろんHero動画で知名度を得ることも大切ですが、それだけでは自社の売り上げにはつながりません。コンバージョンをアップさせるには、商品やサービスに魅力を感じてもらうことが必要です。
Hero動画で自社に興味を持ってくれた人をうまく誘導し、コンバージョンにつなげるのがHub動画です。
Help動画
商品やサービスの使い方や注意点をまとめたHelp動画も必要です。
1つの動画だけでは、商品やサービスの全てを説明することはできません。Hub動画では紹介しきれなかった内容をカバーする動画を作ることで、商品やサービスに対する理解を深め、よりコンバージョンにつなげやすくなります。Help動画を作成し、顧客の求めている情報をできるだけ提示することが大切です。
動画マーケティングの成功事例3選
この章では、動画マーケティングを利用したことで売り上げ規模を拡大させた3社の成功事例について紹介します。
武田塾の事例
全国にフランチャイズの学習塾を置いている「武田塾」は、おすすめの参考書や受験生に役立つコンテンツをYouTubeで配信しています。2021年10月現在でチャンネル登録者数は10万人を超えており、再生回数も1億1000万回以上を記録しています。
武田塾の動画は受験生・保護者目線で制作されており、塾の良さなどは宣伝していません。顧客の立場に沿った動画を制作したことで、売り上げ規模が1億円から4年間で30億円と30倍の成長を遂げました。
参考:武田塾チャンネル|参考書のやり方・大学受験情報-YouTubeチャンネル
(https://www.youtube.com/c/takedajuku/about)
StockSunの事例
StockSunは、コンサルティングを主として事業を拡大している企業です。同社のチャンネルでは、さまざまな分野に強みを持っているコンサルタントを動画に出演し、チャンネルの権威性を上げることに取り組みました。
結果、YouTubeチャンネル経由で7000万円の売り上げを記録しており、順調な事業拡大をに成功しています。
参考:StockSun-WEBコンサルティング-YouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/channel/UCq_vpWj2ZW8doksXpxkMAnw)
SmartHRの事例
人事労務をクラウド化して一元管理できるソフトウェアを開発しているSmartHRも、動画を活用して成果を出した企業です。
SmartHRでは、著名人を起用し、同社が提供するサービスのレクチャー動画をYouTubeチャンネルと自社のホームページに掲載しました。
結果、サービスに申し込む人数が、動画掲載前より200%向上しました。著名人の持つ影響力の大きさを上手く活用した事例だと言えるでしょう。
参考:SmartHR-YouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/channel/UCroy2ruLJa6rYEFVVmK6bog)
動画制作の内製化なら「Video BRAIN」
「Video BRAIN」は、プロが使うような編集機能で誰でも簡単動画を作ることができる動画制作ツールです
動画マーケティングを成功させる3つのコツ
動画マーケティングは先ほどものべたとおり、明確な目的・戦略とノウハウがなければ成功しません。
この章では、動画マーケティングを成功させるコツを3つ解説します。
1.ペルソナを明確にする
まず、ペルソナを明確に設定することが重要です。ペルソナとは、商品やサービスの訴求対象のことを指します。ペルソナを設定することでターゲットが明確になり、動画の訴求力がアップします。
年齢層や属性、居住地などを細かく設定し、ターゲットを絞り込みましょう。より商品やサービスに興味のある顧客にアプローチしやすくなります。
2.効果がある配信形式を模索する
効果がある配信形式を常に模索するのも大切です。
「動画」とひとことで言っても、さまざまな配信形式があり、全ての形式で効果があるとは限りません。効果の高い配信形式を模索することで、より成果につなげやすくなります。
複数の動画を制作し、効果のあるパターンを絞り込んでいきましょう。
たとえば、下記の動画では派手な配色とエフェクトで視聴者の興味を引き付けています。
一方、こちらの動画ではテロップを多く入れ、視聴者が理解しやすい構成にまとめています。
3.適切な媒体を選択する
適切な動画媒体を選択するのも動画マーケティングの成功には欠かせません。なぜなら、媒体によってアプローチできる層が変わるからです。
たとえば、Instagramは10〜20代の若者の利用者が多く、逆にFacebookは40代などの中高齢者層の利用が多くなっており、商品やサービスを訴求しやすいユーザーが異なります。
視聴者層を事前に把握し、自社商品がどの年齢層に刺さるのかを分析した上で、適切な動画媒体で宣伝を行うようにしましょう。
まとめ:動画マーケティングの基本を学んで成果を出そう!
動画マーケティングにはさまざまな手法があり、それぞれ期待できる効果が異なります。
動画マーケティングで成果を出すには、しっかりと戦略を練った上で取り組むことが重要です。また、動画を配信してからも、適切な配信形式を模索するなどの対策を行い、効率よく成果を出す工夫をしましょう。
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