近年、5G通信の普及やリモートワークによるSNS利用者の増加によって動画は私たちにとって身近なものになっています。この影響を受け、動画広告等を活用して認知度向上や販売促進を行う「動画を活用したマーケティング」を始める企業が増えています。コロナウイルスの影響もあり、動画広告に力を入れる企業はさらに増加するでしょう。
この記事をご覧の皆さんも、自社で動画マーケティングを活用できないか、考えているかと思います。
しかし、実際活用するとなるとどんな成功事例があるのか気になりますよね。そこで、この記事では動画マーケティングの成功事例を5つ、効果やメリット、成功のためのポイントも合わせて解説していきます。
目次
動画マーケティングが注目を浴びている理由とは
そもそもなぜ今動画マーケティングが注目されているのでしょうか。まずその理由を紹介します。
動画を視聴できるプラットフォームや環境の整備
まず、ここ数年で動画配信環境に、マーケティング活動に便利な機能が充実したことが、動画マーケティングが注目されている一番の理由です。YouTubeではフォーム入力やアンケートの多種多様な機能に加え、配信した動画の効果測定ができるようになりました。
また、Tiktok等新しい動画プラットフォームが現れ、ターゲティングできるユーザー層が大きく広がっています。加えて、スマートフォンの回線環境が3Gから4Gへと進化したことにより、動画を視聴するユーザー数も増えました。
その証拠に、総務省の調査によると、動画投稿サイトのYouTubeはここ10年ほどで10代から40代の利用率が90%を超えました。
このような背景により、配信側にとっても広告手段としての利便性が向上したのです。今後、4Gから5Gに移ることで、動画配信環境は更に進化し、動画マーケティングも今以上に注目されることが予想されます。
参照:令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|総務省
動画マーケティング市場の成長
第二の理由が上記のようなプラットフォームや環境の整備による、動画広告市場そのものの急速な発展です。サイバーエージェント社の市場調査によると、2021年の日本国内の動画広告市場は3,889億円に到達する予測で、2019年と比べると1.5倍以上に成長しています。動画ビジネス市場は今後も成長すると予想され、それに伴い動画マーケティング市場もより一層注目を集めるでしょう。
引用:サイバーエージェント、2020年国内動画広告の市場調査を実施|サイバーエージェント
動画マーケティングのシーン別成功事例5選
近年発展中の動画マーケティング、実際にどのような成功事例があるのでしょうか。BtoBとBtoCに分けて5つの成功事例をご紹介いたします。
BtoBの動画マーケティング成功事例
freee株式会社
クラウド会計ソフトを提供するfreee株式会社は、動画マーケティングで成功した企業の代表例です。freeeのYouTubeチャンネルの特徴は、自社ソフトの使い方だけではなく、ユーザーが抱える会計関連の様々な問題にアプローチした動画を上げている点にあります。
人事労務や会計の基礎知識や、freeeを使って簡単に会計業務を済ませる方法を解説し、様々なターゲットへの訴求と自社ソフトのアピールを両立しています。
このような動画配信を毎週続けることで、freeeは半年でチャンネル登録者数を2倍に伸ばしました。
参考:freee(フリー)【公式】/Youtubeチャンネル
Stock Sun株式会社
Webコンサルティングを専門とするStock Sun株式会社もYouTubeチャンネルに力を入れている企業です。
Stock Sunが投稿する内容はWebマーケティングの基礎知識と、自社の成功談がメインです。これにより、自社の利用顧客を獲得するだけでなく、「Webマーケティングに詳しい会社」というブランディングにも成功しています。
これらの施策から、Stock SunはYouTubeチャンネル開設2ヶ月で22件の問い合わせ、7000万円の売上を達成しただけでなく、Webマーケティング業界での知名度を上げて、オンラインサロンメンバーの獲得にも成功しています。
参考:Stock Sunチャンネル/Youtubeチャンネル
Smart HR
クラウド人事労務管理ソフトを提供するSmart HRはYouTubeの「Trueview アクションキャンペーン」を有効活用し、認知からコンバージョンまで全てのプロセスをYouTubeの動画広告のみで実現しました。
Trueview アクションキャンペーンはサイトへの導線が備え付けられた、YouTubeの動画広告です。
自社の広告に興味のありそうなユーザーにしか配信されないため、見込み率の高いユーザーに集中してアプローチすることができます。
SmartHRはTrueviewアクションキャンペーンの導入により、CTR(誘導URLのクリック率)を200%向上させることに成功しました。
参考:急成長を続ける SmartHR が実践する BtoB SaaS マーケティング戦略|SmartHR
BtoCの動画マーケティング成功事例
京都やまちや
健康食品を取り扱う京都やまちやは、香港での売上拡大のために動画広告を導入しました。
京都やまちやが動画マーケティングで使ったプラットフォームは、「モバイル向けのFacebook動画広告」です。
モバイルユーザー向けの動画広告を使い、天然素材を利用した上質な商品であることをアピールした結果、過去のキャンペーンと比較し売上が45%も増加しました。SNSの海外ユーザーにもアプローチしやすい特性と京都やまちやの海外展開がマッチングして、成果につながったと言えるでしょう。
参考:京都やまちや|Facebook for business
株式会社夢職人
水だけで使える歯ブラシ「MISOKA」を販売する株式会社夢職人は、オフラインとオンラインの広告を上手く組み合わせて売上を上げた会社です。夢職人は、オフラインで様々なユーザーに認知を広め、興味を持って検索したユーザーをGoogleの動画広告で自社サイトに誘導するといった流れで購買に繋げました。
他にも、ラジオや新聞の広告出稿に応じて動画広告の予算を変更し、オフラインの広告の出稿先を動画広告の反応を参考にして決めるなどしました。
その結果、動画のPV数は1500%、客単価も150%増加し、オンライン、オフラインともに売上の向上を達成しました。
参考:オフライン広告と Google 広告の連動で認知拡大と売上増を実現|Google広告
動画マーケティングで得られる効果
ここまで動画マーケティングの成功事例を紹介してきましたが、実際どのような効果が期待できるのでしょうか。動画マーケティングで得られる効果は大きく2つに分けられます。
商品やサービスの認知拡大につながる
1つ目は商品やサービスの認知拡大に繋がりやすいという点です。ここ数年のスマートフォンの普及、動画視聴環境の整備により、ユーザーの動画視聴数は大幅に増加、動画広告を打つことで数多くのユーザーに認知してもらえるようになりました。
こういった背景に加えて、動画コンテンツは記憶に残りやすいことも認知拡大に有効な点です。アメリカ国立訓練所が提唱した理論、「ラーニングピラミッド」によると、文章を読む場合、記憶定着率は10%ですが、動画の場合20%まで上昇します。
引用:動画は「記事コンテンツの2倍」記憶に残る――忘れられない企画の「3つの要素」|movie TIMES
記憶率が高いということはそれだけ認知が増やしやすいとも言えるため、動画マーケティングは認知拡大に有効だと言えます。また、近年ではSNSの流行により、ユーザーの共感を得た動画はリツイート等の拡散機能で広まります。
そのため魅力のある動画を投稿すれば、商品やサービスの認知拡大を効果的に行うことができます。
商品やサービスの購買促進ができる
動画マーケティングは認知拡大だけでなく、購買促進にも有効です。
動画は数秒から数分の短時間で視覚と聴覚から多くの情報が届けることができます。
そのため、商品説明を分かりやすく行って商品理解を促したり、目を引くエフェクトや効果音で購買意欲をかきたてたりするのに役立ちます。
動画マーケティングのメリット
他媒体と比べて動画マーケティングはどのようなメリットがあるのでしょうか。3つのメリットを紹介します。
幅広い層にリーチできる
まず、動画マーケティングは非常に幅広い層にリーチできます。ここ数年、スマートフォンが数多くの人に普及し、通信インフラも整備されてきました。また、SNSの普及により、ユーザーの動画視聴率は大幅に増加しています。
例えば、総務省の調査によると、動画投稿サイトYouTubeの10代から40代の利用率は90%にも及んでいます。
おかげで、動画マーケティングは、幅広い層のユーザーにリーチすることができます。
ちなみに、動画を拡散させる方法について学べばさらに多くの人にリーチできます。
参照:令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|総務省
多くの情報を伝えることができる
動画広告は静止画の広告媒体と比べて、伝えられる情報量が多いです。
情報量が多ければ、多くの内容を伝えられるだけでなく、内容理解もしやすくなります。結果、動画広告はユーザーの印象に残りやすくなり、集客や販売に繋げやすくなるのです。
低予算で宣伝できる
実は動画マーケティングは比較的低予算で行うことができます。動画制作を内製化すれば制作費用はあまりかからず、Youtube等の動画投稿プラットフォームを使えば維持費もかかりません。
場合によっては、月数万円の予算で動画マーケティングをスタートすることもできます。
動画マーケティングの成功ポイントとは
最後に動画マーケティングで成功するのに重要なポイントを解説します。
顧客目線で動画を製作する
動画マーケティングも「ユーザーを第一に考える」という点では他のマーケティングと変わりません。
自社が狙うターゲット像を明確にして、ターゲットユーザーが何に課題を感じて、動画広告でどう解決に導けるのかを分析して活かすことで初めて、成果につながる動画マーケティングになります。
少し事例を確認してみましょう。
こちらの事例はフィットネスクラブの紹介動画になります。フィットネスクラブのメリットや料金など、ユーザーが知りたい情報がコンパクトにまとめられています。
動画マーケティングは動画制作だけに気を取られて、顧客分析がおろそかになることも少なくありません。動画に慣れてないからこそ、普段の広告作成以上に顧客目線で考えることを徹底しましょう。
できるだけ内製化する
動画作成は自社で内製するか、制作会社に外注するかどちらかの制作手順を取ることになります。しかし外注の場合、数秒の動画でも数万円、数分の動画を作れば数十万円以上かかることも少なくありません。
費用を抑えるために動画制作はできるだけ内製化し、継続的に動画マーケティングができる環境を整えましょう。
動画制作の方法がよく分からなければ、以下の記事も参考にしてみてください。
他の広告媒体と使い分ける
動画広告は確かに認知拡大、購買促進共に効果は大きいですが、他の広告媒体の方が効果的に働くケースもあります。
例えば、高齢者層にアプローチする際はテレビ広告の方が認知を得やすいですし、Webサイトであれば安定した集客力があります。このように、広告媒体にはそれぞれ違った強みがあるのです。
どの広告媒体が適切か見極め、動画を活用する部分を絞りましょう。
SNS別の効果や活用事例を知りたい方は以下の記事をどうぞ。
効果測定の指標を明確にする
動画マーケティングで成果を上げるには、効果検証をしっかり行い、改善していくことが大事です。そのためにまずは効果測定指標を明確にしましょう。
認知度を高めたい場合は動画の視聴者数、商品購入を増やしたい場合は購入ページへのアクセス率などが指標になり、目的によって効果測定指標は変わってきます。
まず動画マーケティングを行う目的をはっきりさせ、目的に合った効果測定の指標を見つけましょう。
PDCAを回す
効果測定の指標を作成したら、PDCAサイクルを回しましょう。動画マーケティングは必ず効果が出るとは限らず、思うような効果が得られない場合があります。また、効果が出た場合でも、改善すべき点は必ずあります。
そのため、PDCAサイクルを回し、より訴求力の高い動画に仕上げることを心がけましょう。
PDCAサイクルを回す際には、まずクリック率など効果測定の指標となる数値を設定します。そして、クリック率が低ければ改善施策を検討します。例えば、タイトルに「無料」「簡単」などの言葉を入れて視聴者が興味を持つよう工夫するのが効果的です。
PDCAサイクルを回す際には、効果測定指標の表面上の数値だけを見るのではなく、
「何が影響して今の結果になったのか」を深堀りしていくことが重要です。
動画マーケティングは制作体制から整えよう
今回は動画マーケティングの成功事例に加え、メリット、効果などを説明してきました。動画マーケティングは認知拡大のしやすさ、高いコストパフォーマンスなど非常に魅力的な部分が多いです
しかし、実際導入を検討したとき、動画制作にハードルの高さを感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
動画制作は外注すれば高いのでできるだけ内製したい。そんなときに役に立つのが弊社の「ビデオブレイン」です。動画撮影や編集の経験が一切なくても、簡単に高品質な動画を作成することができます。
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