自社の動画をもっと視聴者の印象に残したいと考えているのであれば、インタラクティブ動画に目を向けてみてはいかがでしょうか。
この記事では、「双方向性」という大きな特徴を持つインタラクティブ動画のメリットや動画作成のポイント、作成時の注意点についてご紹介します。
目次
インタラクティブ動画とは
「インタラクティブ」とは、日本語で「双方向」「相互作用的」という意味です。
インタラクティブ動画とは、ただ再生されるだけではなく、視聴者体験型の仕掛けを加えた動画のことです。
動画そのものをタップでき、視聴者自身が知りたい情報を能動的に選択することができます。
自分の興味に合わせて、再生する順番を決めたり、詳しく知りたい項目だけを再生したりできるなど、動画との関わりを最適化できるのが魅力です。
インタラクティブ動画を用いた事例
インタラクティブ動画は、実際どのように活用されているのでしょうか。
具体的なイメージをつかむために、インタラクティブ動画を用いた事例を見ていきましょう。
ある結婚相談所の婚活サイトでのインタラクティブ動画の事例では、婚活を検討しているターゲットへの導入部分に、インタラクティブ動画を用いています。
性別と婚活に対する悩みを選択してもらった後、それぞれに適したストーリーが分岐するようになっており、動画を見ながら悩み解決のヒントが得られます。
動画内でサービスを疑似体験してもらうことで視聴者の満足度を高め、最終的に来店予約を促す仕組みです。
次に、インタラクティブ動画を商品のプロモーションに活用するケースも増えています。
特に親和性が高いのは、アパレル商品です。モデルの動きを見せられるので、静止画ではイメージしにくい着用感を訴求できます。
その際、インタラクティブ動画を活用すれば、購買意欲が高まった視聴者に商品の詳細をタップで確認してもらい、そのまま購入ページへと進めるシームレスな流れを構築できます。
インタラクティブ動画のメリット
ここからは、インタラクティブ動画のメリットについて詳しくご紹介します。
エンゲージメント率がアップする
インタラクティブ動画の特徴である「双方向性」は、エンゲージメント率の向上に大きく貢献します。
動画のエンゲージメント率とは、動画と視聴者との「絆」や「繋がり」といったエモーショナルな要素を数値化したものです。
具体的には、動画の視聴時間やシェア数、商品や企業への好意度などを測っていきます。
最終的な消費行動を促す重要な指標の一つであり、動画マーケティングではCV率に加えて、そこに至るまでのエンゲージメント率も注視していくことが大事です。
離脱率を下げられる
視聴者参加型の仕掛けは、動画に集中させるという面でも大いに役立ちます。
まず、タップして選択できる画面にするなど、仕掛けによって視聴者の興味を喚起させます。
自身の選択によりストーリーが変化する仕組みになっていると、視聴者はおのずと動画の世界に引き込まれていくものです。
始まったストーリーを最後まで見届けたいという気持ちも生まれるので、動画のジャンル問わず、最後まで視聴してもらえる可能性が高まります。
インタラクティブ動画作成のポイント
ここからは、実際にインタラクティブ動画を作成する際に意識したいポイントについてご紹介します。
複数のストーリーを用意する
インタラクティブ動画では、複数のストーリーが必要です。
しかも、さまざまな選択肢に沿ってストーリーが分岐する仕組みを構築しなければなりません。
一つのストーリーで完結する通常の動画と比べると、内部の構造は複雑になります。
前後の流れに矛盾はないか、論理が破綻しないかなどの点に留意して、どんな進み方でもきちんと話がつながるようにしましょう。
ターゲットを設定する
着手前の、ターゲット設定も重要です。
ターゲットに興味を持たれやすい世界観、仕掛けにすることで、エンゲージメント率もアップします。
例えば、オンラインゲーム世代の若者をターゲットにする場合は、RPG的な要素を取り入れてみるのも手です。
性別や年齢だけでなく、趣味や価値観、ライフスタイルなども細かく設定することで、より親和性の高い仕掛けが見えてきます。
デバイス別に画面を最適化する
スマートフォンやタブレット、パソコンなど、どのデバイスで動画を視聴するのかは、人それぞれです。
インタラクティブ動画は、視聴者に操作してもらう必要があるため、デバイス別に画面が最適化されていることが前提です。
スマートフォンのように小さな画面で再生しても、仕掛けに気付いてもらえるか、面白さを担保できるかなど、細かな点にも気を配りましょう。
インタラクティブ動画作成の注意点
作成時に気を付けたいポイントについても知っておきましょう。
特に注意したいのは次の3点です。
操作性に配慮する
インタラクティブ動画の場合、視聴者にタップしてもらわないと始まりません。
そもそも、タップするという認識が持てるか、タップしやすい設計かという点に主眼を置き、操作性や視認性にも配慮しましょう。
例えば、タップする箇所をマークで囲み、「ここをタップ」などの文言を表示させると、分かりやすくなります。
タップ後にすぐに次の画面に遷移するなど、反応の良さも大事なポイントです。
仕掛けを入れ過ぎない
仕掛けは、多ければ多いほど効果的というわけではありません。
仕掛けが多すぎると、視聴者に「あざとい」「面倒」という印象を与えてしまい、逆効果になってしまいます。
途中で離脱されてしまうだけでなく、その後も自社の動画を敬遠されてしまう恐れもあります。
サプライズと視聴者の快適性のバランスを取りながら、改善を重ねましょう。
目的を見失わない
仕掛けはあくまで、視聴者の興味を引き、動画を最後まで視聴してもらうためのツールに過ぎません。
視聴者にただ、「楽しかった」「ユニークな動画だった」という深みのない感想を持たれただけでは、企業としてインタラクティブ動画を使いこなしたとは言えないでしょう。
「商品購入につなげる」「会員登録を促す」「企業のブランドイメージを高める」など、動画の最終ゴールを明確にし、確実に達成できる仕掛けを取捨選択することが大事です。
これから作成するならインタラクティブ動画
インタラクティブ動画は、注目を集めつつありますが、日本ではまだ一般的な手法といえず、数もそこまで多くはありません。早めに取り組むことで、世の中の話題にしてもらえる可能性が高いだけでなく、他社との差別化にもつながります。
また、インタラクティブ動画は、企業の採用活動ツールとしても有効です。
例えば、企業の新卒採用サイトで、性別や年齢層、部署別にさまざまな先輩社員のストーリーを用意しておきます。
就活生が見たい動画へとストーリー分岐させていく仕掛けを組み込むことで、「自分がもしこの会社で働いたら」という疑似体験をしてもらえます。
短い時間で自社の世界観に引き込むことができ、視聴後の印象にも残るはずです。
まとめ
受動的に視聴させるだけでなく、能動的な選択肢を与え、さらに「驚き」や「ワクワク感」も訴求できるインタラクティブ動画。
他者に伝えたくなるほど斬新な体験を提供できれば、SNSでの拡散も期待できます。
潜在顧客層へリーチできる可能性もあるため、いちど挑戦してみる価値はあるでしょう。
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