Withコロナにおける学校法人の生存戦略。いま行うべき、動画活用ノウハウとは?

新型コロナウイルスの感染が世界的に広まった2020年。小中高そして大学と、学校教育のあり方もリモート前提に切り替わってきています。2018年問題が叫ばれていたように、少子化に伴い”閉学”を迫られる学校法人も増加中。

これからのWithコロナ時代にも負けず、学校法人が歴史を積み重ねていくためには、マーケット(市場/社会)の動きに合わせた生存戦略が必至。記事では、学校法人を取り巻く市況と具体的な戦略案、そして戦略効果を後押しする動画活用ノウハウについて語ります。

生徒人口が減るなか、学校法人はどう生き残る?

皆さんは「2018年問題」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。2018年問題とは、大学に入学する18歳ごろの学生が少子化により少なくなったことで、学生獲得競争が激化し、私立大学の閉学が増加する問題のこと。

つまりこれからは、学生に積極的に”選ばれる大学”にならないと生き残っていくことが難しくなるということです。これはなにも大学に限った話ではなく、小中高もしくは幼稚園も同じだと言って過言ではありません。

漠然とした「優秀な学生が欲しい」「たくさんの学生に応募してもらいたい」といったただの希望とも言える戦略ではなく、データ中心の根拠に基づく戦略立案が必至。大学であれば高校・中学と連関したコミュニケーション設計を学生やその親たちに計っていく施策が大切です。

進路指導の変化、4つのキーワード

新入学生を定員数獲得するには、進学時期の手前にあたる年代へのアクションが必要。令和に入り早2年目を迎える2020年、進路指導の要点にも変化が見られます。時代の転換点であるいま、大学進学にあたっての進路指導を4つのキーワードとともに紐解きます。

1. 学習の個別化

コロナの影響で在宅で授業を行う機会が増えた高校で、いま一番求められているといえるのが「学習の個別化」です。コロナ以前から叫ばれていたことではありますが、全員に同じ学習教材を同じスピードで実施するシステムではなく、各生徒の理解度や能力に応じて個別配信するシステムへのシフトが期待されます。

そもそも、一方向的な生徒への授業よりも個別学習によって個人のペースに沿って進捗する方が本来的。ある学習点でつまづいている生徒なら、そのつまづきを解消してから先へ進まないとより授業についていけなくなります。

Withコロナでまたいつ感染拡大するか分からないなかで、ICTを活用しテレビ電話で授業を行なったり、授業動画や外部の学習サービスを取り入れ始めた学校も多いと聞きます。

正直、高校の先生よりも分かりやすく要点を抑えた授業動画は、今やYouTube上にたくさんあります。ですから高校側の価値は、各生徒の特徴を理解し、個別的に学習のモチベーションを管理してあげる、いわば”コーチング的な側面にある”のではないでしょうか。

2. 進路先検討の早期化

リモート学習でICTや学習サービスをうまく活用し、教員の授業負担を減らしたうえで、より早期に着手したいのが進路先の検討です。いま多くの高校では、クラスの担任だけでなく進路指導の担当や管理職も含めて進路検討会で話し合い、生徒・親との三者面談を行なっているようです。

実質的には高校3年の1学期から本格的な進路先検討がスタートするケースが多いようですが、できれば高校2年の中頃から各生徒に合わせた進路指導に着手したほうが、進学難易度の高い大学にもチャレンジがしやすいでしょう。

3. 社会接点の探求化

高校2年という早期から進路先を絞っていくには、より前の段階に自分と社会との関わり方を自覚する探求活動が重要です。これには、学習指導要項の変化が関係しています。

2022年度より実施される次期の学習指導要項では、「総合的な学習の時間」という文言が「総合的な探求の時間」に表記が変わります。この表記の変化に伴い、すでに「探求学習」の取り組みに乗り出している高校も増えているとのことです。

4. 活動記録の蓄積化

大学へのAO入試・推薦入試においては、大学側に高校生活の活動記録の提出が求められます。この活動記録ですが、以前までは「調査書の様式は両面1枚まで」と定められていました。

しかし、現在では撤廃の方針が示されたこともあり、各生徒の高校生活の活動記録をどれだけ蓄積することができるかが高校側または教師側の課題となっています。

生活態度のような情報も然り、生徒がどのように授業に取り組み、学習理解を深めていったのかという成長過程も含め、高校側はデータを蓄積し続ける必要があるでしょう。コロナの影響で在宅学習が増えたなか、生徒の情報を蓄積するには、ICTツールの柔軟な導入・活用が必要不可欠と考えられます。

学生とその親に伝えたいイメージは届いているか?

学校法人が新しい学生を継続的に獲得していくには、マーケティング・広報活動への注力が欠かせません。単なる「宣伝活動」ではなく、コミュニケーションの質を高め、未来の学生とその親に伝えたいイメージを届けることが大切です。

もし、以下の項目にあげるような点に該当するならば、オープンキャンパスや新入生の入学時にアンケートをとるなどして、一度イメージ調査を行なうべきではないでしょうか。

イメージ調査を行なってみると、学校側が思っている学校のイメージと学生やその親が抱いているイメージにギャップが生じていることを把握できるかもしれません。もし可視化されたギャップが望まないギャップであるならば、イメージ改善の仮説を立ててマーケティング・広報施策を進めていきましょう。

施策例 1. 入試説明会の実施

高校教員向けの入試説明会は、入学志願者の母集団形成・育成の両面に効果的です。入試に関する情報や大学の特色を高校側に伝えると同時に、高校とのリレーションづくりも意識して行ないましょう。

入試説明会を実施するうえでのポイントは、以前との変更があれば意図やエビデンスを明確に伝えること。また、高校側の意見も汲み取り、必要であれば入試制度の変更を行なうようにします。

高校教員向けの入試説明会が効果的にワークしているかどうかは「参加教員の満足度(アンケート調査)」「参加高校からの出願者数・入学者数」「参加高校からの入学者の大学での成績や中退率」などから判断することができます。

施策例 2. オープンキャンパス

入学に興味・関心のある学生向けに行われるオープンキャンパスは、大学の好感度アップや受験へのモチベーションを高める効果があります。

オープンキャンパスには、保護者向けメニューが手薄であったり、逆にメニューが肥大化し学生が困惑しているという問題がよくあるそうです。ここは保護者向けのメニューと学生向けのメニュー数を揃え、親子に向けて大学でのリアルな生活像を届ける施策がよいでしょう。

オープンキャンパスの重要な指標としては、「参加者の役立ち度や自学への好感度」「各メニューの出願寄与度の調査」「参加者の出願率」などを観測します。

施策例 3. 大学案内の資料作成

大学案内の資料作成は、各高校や家庭が受け取るパンフレット(冊子)のことです。学生やその親が受験先を検討する際に、現在でも参考資料として活用する場面が多い資料。

ただ、現在はスマホやパソコンを使いネットで情報収集する学生も多く、一冊を作成する割にコスト(労力と費用)がかさむことが難点です。またどのような大学も似たような作りで、大学の特色が伝わりにくい点が課題としてみられます。

この課題点に対しては、分厚い一冊をコストをかけて作るのではなく、ターゲット別に小冊子にまとめるなどにして、反響を知る効果検証を細かく行なうのがよいでしょう。加えて、オンライン上で情報収集する学生や親に向けて、オンライン上からもパンフレットを閲覧・ダウンロードできるよう設定します。

施策例 4. 受験用サイトの運営

先ほどのパンフレットをオンライン上でも閲覧・ダウンロードできるようにするためにも、受験情報を取り扱うWebサイトを運営しましょう。

ネットを使って情報収集する学生や親はとても多いため、Webサイトをリリースするだけでなく、継続的にコンテンツ(記事)を増やすことで、ユーザーの流入数が上がり認知が広がっていきます。

また、パンフレットダウンロード時にメールアドレス等の情報を入力してもらうことで、追送してメール訴求をすることも可能(DM)。ネット検索経由(自然検索)の流入だけでなく、少額から始められるWeb広告やSNSとの連携も積極的に行なうとなお効果的です。

施策例 5. DM(ダイレクトメール)の送信

Webサイトの運営やオープンキャンパス等を通じて、入学を検討している学生や親の情報を得たら、DM(ダイレクトメール)を送り、認知を濃くしていくことも効果的です。

メールの送信頻度は受け手の迷惑にならない程度に調整しなければなりませんが、定期的にメールを送信し続けることで、学生や親にとっての第一想起の獲得を狙っていきましょう。

DMはターゲットを学力別やエリア・志望学問別にセグメントを分けて送信することができます。ですから、ターゲット別にメールに含めるコンテンツを作成し、効果検証を小まめにまわし精度を高めていくことが重要です。

学校法人のマーケ施策で動画が有効な理由

入試説明会やオープンキャンパス、受験用Webサイト運営やDMの送信など、学校法人が未来の学生を獲得するために取れるマーケティング施策は幅広く奥が深いですが、オンラインにおける施策で今有効なのが「動画」です。

学生やその親に届けるために作られた動画は、テキストや写真と比べると学校の雰囲気をダイレクトに伝えられるというメリットがあります。また、テキストよりも含められる情報量が動画のほうが圧倒的に多いため、わずか数十秒〜数分の動画でも、視聴者は学校の魅力を瞬時に判断することができるでしょう。

ぎっしり文字情報が詰まっているパンフレットも価値がありますが、学生や親からすると、丁寧に読み進めるのには多少苦労がかかります。まずあらかたの志願先を絞るフェーズであれば、学校を紹介するショートムービーで学生の心を掴みにかかったほうが施策として適していると考えられるのです。

具体的に有効な動画の種類とは?

では、実際にどのような動画をオンライン上で発信すれば、学生の獲得に有効的なのでしょうか? 以下が全てではありませんが、代表的な動画の種類にはこのようなものがあります。

・学校施設の紹介動画
・授業動画の配信
・部活動の紹介
・学校生活の紹介
・サークルやゼミの紹介
・就職活動の実績紹介   など

そして、制作した動画は先ほど取り上げた受験用Webサイトに添付してもいいでしょうし、今ならYouTubeアカウントを作成しYouTubeチャンネルを運用してもよいかもしれません。

そのほか、FacebookやTwitterといったSNS運用。オープンキャンパスでモニターに投影して、学校紹介の補足資料に役立たせるのも効果的です。

動画制作の懸念を払拭するVIDEO BRAIN

しかしながら、動画制作というとなかなか未経験者が作れるものではないという印象がありますよね。事実、映像クリエイターではない人が、撮影を行ない映像編集するのはタイヘンです。

かといって、動画制作スキルのある人材を学校法人が新規で採用するのは、ノウハウもないなか苦戦するでしょう。外注するのも許諾を得るのが面倒……。

そんなとき、VIDEO BRAINは時間と労力をほとんどかけず動画制作ができます。AI(人口知能)がアップロードしたテキストと素材をもとに、約3万パターンの中から動画を提案してくれるのです。

学校法人の施策に関わらず、Webマーケティングの施策はPDCAサイクルをいかに早くまわしていくかが重要です。学校の魅力を伝えるために動画は有効な手段ですが、一つの動画制作に時間がかかり過ぎていては成果が出るまで時間がかかってしまいます。

スピーディーに学校法人の施策を進めたい担当者は、ぜひ一度、VIDEO BRAINの利用をご検討されてみてください。

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