商品の宣伝効果を高めるために、動画広告の出稿を検討する企業は増えています。
しかし、実際に動画広告がどのような効果をもたらすのか分かりにくい、とお悩みの方は多いのではないでしょうか。動画広告を使ったマーケティングの成果を計るためには、CPV(視聴単価)などの指標が役立ちます。
そこで今回は、広告の効果を計る指標や、動画広告を出稿できる媒体や課金方法、動画施策の効果を高めるための方法について紹介します。
目次
そもそもCPVとは何か?
CPVとは、動画が1回視聴されるときにかかったコスト(広告視聴単価)を表します。
例えば200,000円の出稿費用をかけて動画が10,000回再生されたとき、CPVは20円です。
これまでは、動画1回あたりのクリック単価を表す「CPC」と、動画広告が1,000回表示されたときのコストである「CPM」が動画広告の指標として広く使われてきました。
それに加え、商品の認知度の向上を目的として動画広告を出稿する企業が「どのくらい動画をしっかり見てもらえたのか」を計る指標として、CPVが利用されるようになったのです。
なおCPVは、「最後まで視聴されたとき」や「決められた秒数が経過したとき」など、媒体によって再生数のカウント基準が異なります。
CPCとCPMの違いとは?
CPCは広告がクリックされてリンク先に遷移した瞬間に課金が行われるため、インプレッションがどれだけ加算されても費用は変動しません。広告費用が高くなるほどWebサイトにユーザーを誘導できたという指標になるので、費用対効果がはっきりしているという特徴があります。
クリック数が多くなるように広告を配信するので、商品の販売を促進したいときに有効です。
リスティング広告などによく利用されています。
一方、CPMは広告が1,000回表示されるごとに費用が発生します。
インプレッションがなるべく多くなるように広告を配信するので、ブランディングを目的として多くのユーザーの目に触れさせたい場合などに有効です。
SNS広告やDSP広告によく利用されています。広告のクリック率を向上させるとクリック単価が下がるので、工夫次第でCPCよりコストを下げることが可能です。
動画広告を出稿できる媒体
ここでは、動画広告を出稿できる媒体の特徴と課金方式について紹介します。
YouTube
画面いっぱいに動画やBGM、テキストを使って動画を流す「TrueView広告」、動画の視聴中に6秒以下の短い広告が流れる「バンパー広告」、スマートフォンのサイズに対応した「アウトストリーム広告」などがあります。
課金方式はCPVとCPMに対応しています。
CPVは動画が1回再生されるごとに課金される仕組みで、インストリーム広告には、動画が30秒以上再生されると初めて課金が成立するCPCV(完全視聴単価)が採用されています。
参照:動画広告フォーマットの概要|Google 広告 ヘルプ
YDN
「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク」が正式名称です。
Yahoo!が提携しているWebサイトに広告を出稿できるサービスで、インターネット上の広い範囲に広告を表示させることができます。
まだ商品を知らない潜在顧客のリーチを獲得できるので、認知度の向上や商品への関心を持たせるきっかけとして利用しやすい広告です。
課金方式は10秒以上の視聴で課金が発生するCPCVを採用しています。
動画再生1,000回に対して1,000円から出稿でき、事前に設定した1日のキャンペーン予算に達するまで入札できます。
Facebook & Instagram
InstagramはFacebookの傘下にあります。
どちらもCPVとCPM、CPCの全てに対応しており、ユーザーが自由に選択できます。
広告の出稿単価は最低100円からで、予算が少ない場合でも気軽に運用に取り組めるのが魅力です。
1日の予算を設定し、その中で自動的に効率の高い動画広告に入札を行ったり、指定した入札価格でなるべく配信数を多く獲得するなど、幅広い入札パターンを選択できます。
参照:Facebook入札戦略ガイド|Facebook for Business
ユーザーのタイムラインに動画広告を表示させる方式です。
課金方式はCPCVで、「画面に50%以上動画が表示された状態で2秒以上再生」、「画面に100%動画が表示された状態で3秒以上再生」、「画面に50%以上動画が表示された状態で6秒以上再生」のどれかを選択できます。
広告の掲載期間や出稿費用は自由に設定できるので、予算の範囲内で広告を運用できます。
ただし、6秒以上再生の条件を選ぶとリターゲティング(自社のWebサイトを訪問したことがある人に広告を配信する)ができないので注意しましょう。
参照:動画の再生数キャンペーンを作成する|Twitter ビジネス
動画施策で効果を上げるための方法
ここでは、動画施策で効果を上げるために意識すべきポイントを紹介します。
広告トータルで計測する
ユーザーは「広告を見に来ている」のではなく、「動画を視聴しに来ている」ので、動画広告を見てその場で買い物をするケースはそれほど多くありません。
そのため、商品の購入やサービスの契約に至るまでには、多くの場合「動画広告で見た商品を後から検索する」「SNSで見かけた広告で動画広告を思い出して商品を購入する」といった2次的なアクションが発生します。
動画広告から直接商品を購入した人のデータだけでなく、広告が後のユーザーの購買行動に及ぼした影響も含めてトータルで成果を計測し、評価や分析に役立てることが大切です。
テレビCMと組み合わせる
Webの動画広告だけではなく、テレビCMを併用する方法も有効です。
インターネットの動画広告を中心に視聴する層とテレビCMを視聴する層は異なる場合が多いので、片方だけではユーザーを取りこぼしてしまいます。
2種類を併用すると、より多くのリーチを獲得して訴求効果を高めることができます。
まとめ
ここまで、動画広告を出稿できる媒体や動画施策で高い効果を上げる方法について紹介してきました。
自社の予算と広告内容に合った媒体を選び、ユーザーの動向を分析しながらトータルで広告設計を行うことが重要です。
また、訴求力の高い動画を制作すると、動画を最後まで視聴されやすくなり、費用対効果が高まります。
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