動画配信の方法や種類を紹介!ストリーミング配信についても解説

2017年時点においてネット利用時間の50%以上を占めるようになったモバイルでの動画視聴時間は、2023年には75%を超えるだろうと予測されています。

エンターテインメントとしてもビジネスに必要な情報のインプット手段としても、ニーズは更に拡大するでしょう。また、企業のマーケティングにおいても動画配信の活用は欠かせません。

この記事では、動画配信の方法や種類をご紹介します。
また、多くの企業から選ばれているストリーミング配信の特徴やメリットを、他の方法と比較しながら見ていきましょう。

参照:Ericsson「Ericsson Mobility Report, November 2017」

動画配信には3つの方法がある

動画配信の方法は主に3種類です。
それぞれの特徴を把握し、自社に合った方法を選びましょう。

ダウンロード|保存やオフラインでの視聴ができる

端末に動画データを完全にダウンロードする動画配信の方式です。
ユーザーはパソコンやスマートフォンなど各端末から動画をダウンロードし、視聴します。
ダウンロードが完了しないと動画を視聴できないため、ファイル容量が大きい動画は不向きです。
また、不特定多数の人からアクセスが集中すると、HTTPサーバの負荷が大きくなります。

プログレッシブ・ダウンロード|追っかけ再生ができる

ダウンロード中でも再生可能な動画配信の方法が、プログレッシブ・ダウンロードです。
「追っかけ再生」ができるテレビの録画機器に似ており、ある程度の容量のダウンロードが完了した時点で再生をスタートできるため「疑似ストリーミング配信」と呼ばれることもあります。

現在はストリーミング配信が主流になってきましたが、かつてはオンデマンド動画配信サービスなどで主に使われていました。

HTTPという通信方式で動画配信する仕組みは、ダウンロード方式と同じです。
ダウンロードが完了すると、保存やオフライン再生ができます。

ストリーミング|セキュリティ面に優れライブ配信も可能

ストリーミングでの動画配信方法の特徴は、すぐに視聴し始められることです。
ダウンロードやプログレッシブ・ダウンロードと異なり、保存ができないため、オフラインでも再生できません。セキュリティ面で優れているため、動画をコピーされたくない場合などに適しています。

ストリーミング方式では、ストリーミングサーバと呼ばれる専用サーバが必要です。
しかし、現在はYouTubeなどを経由させることも可能で、手軽に配信できるようになりました。
この方法では通信負荷(アクセスの集中)も基本的に気にする必要はありません。

また、ストリーミング配信は、さらに2種類に分かれます。

リアルタイム配信

リアルタイムの商品発表や、質疑応答も可能なウェビナー(Web上でのセミナー)を開催するときに活用できます。

例えば、YouTubeにはライブ配信機能が用意されています。
それを利用することで、スマートフォン一台でもリアルタイム配信が可能です。

オンデマンド配信

オンデマンド配信とは、あらかじめ動画をサーバに保存しておき、ユーザーが視聴したいときにアクセスし再生してもらう方式です。

著作権を保護しながら不特定多数に配信したい場合に適しています。
また、リアルタイム配信と異なり、早送りや巻き戻しなどの操作も可能です。

企業におすすめの動画配信方法は「ストリーミング」

多くの企業におすすめの動画配信方法は「ストリーミング」です。
ここでは、動画配信方法にストリーミングを選ぶメリットをご紹介します。

ほとんどの端末・通信環境でストレスなく見られる

企業がPR動画を出したり知識やハウツー動画を公開したりする場合、さまざまな視聴者を想定しなければなりません。

ストリーミングという動画配信方法は、ダウンロードしなくても良いため、大容量のストレージは不要です。
また、YouTubeなどのように画質を選択できるようにしておくことで、よほど通信環境が悪くないかぎり、スマートフォンやタブレットでも快適に視聴できます。

ただし、気を付けたいのはリアルタイム配信における動画の途切れです。
ストリーミング配信の場合、一時的に通信状態が悪くなっても先に進むようになっており、巻き戻しができません。重要な部分が見逃される・聞きもらされてしまうリスクがあります。

セキュリティ面が安心

企業が動画配信する場合、情報漏洩を防ぐことが必要です。
動画を勝手にコピーされ配布されてしまうことも避けなければなりません。
ストリーミング配信では保存ができないため、セキュリティ面が他の配信方式に比べて高いです。

不特定多数に配信しやすい

ストリーミング配信では同じ動画に複数のアクセスがあった場合、ストリーミングサーバが通信速度の調整を自動的に行います。

そのため、アクセスが集中した場合でも再生への影響が防げます。
大勢のユーザーが快適に視聴できる環境を提供しやすいメリットがあるのです。

ダウンロードのメリットとデメリット

ダウンロードのメリットとデメリット

ストリーミングとダウンロード方法を比較すると、主な違いは以下の通りです。

 ストリーミングダウンロード
リアルタイム再生できるできない
オフライン再生できないできる
動画の保存できないできる
視聴者側のストレージの空き容量不要必要

動画配信の方法にダウンロードを選ぶメリットは、オフライン再生ができることと、動画保存ができることといえます。例えば、営業員が商品紹介の動画をダウンロードし、出張用のノートパソコンに保存しておきたいときなどは便利です。

BtoBビジネスの場合、顧客側の担当者が上層部にプレゼンするケースも多いと思いますが、そのための資料として動画を事前にダウンロードするなどの活用方法も考えられます。

配信側から見たダウンロード方式のデメリットは、情報保護が難しい点です。
ダウンロードできるということは保存も可能なため、コピーや情報漏洩のリスクが増します。

また、視聴者側からみたデメリットは、すぐに再生できないことと、HDDやSSDなどに動画の容量分の空きがないとダウンロードできないことです。

そのため、ファイル容量が小さい動画がダウンロード配信に適しています。

まとめ

動画配信の方法には、ストリーミング、ダウンロード、プログレッシブ・ダウンロードの3種類があります。
そのうち、多くの企業の動画配信に適した方法はストリーミングです。ただし、それぞれの配信方法にはメリット・デメリットがあります。

以下の項目などを検討して、自社に合った動画配信方法を選びましょう。

  • ・配信したい動画の容量
  • ・視聴者の通信・端末環境
  • ・動画を配信する媒体(YouTubeや自社サイトなど)
  • ・動画配信スタイル(リアルタイム配信やオンデマンド配信など)
  • ・セキュリティ
  • ・求める動画の画質
  • ・サーバの運用・管理コスト(※YouTubeなどを利用する場合は不要)
  • ・動画管理やアップロードのしやすさ

配信方法の検討と同じかそれ以上に重要なのは、魅力的なクリエイティブやコンテンツを制作することです。動画配信に取り組む場合には、動画制作ソフトの導入・更新もあわせて検討することをおすすめします。
動画制作を始めるにあたって、どのツールを使えばいいかわからない…という方は、こちらの記事をご参考ください。


 

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