5Gによる動画ビジネスへの影響は?5Gの特徴や課題についても徹底解説!

動画利用ユーザーの増加と「5G」の一般使用開始

国内の主要携帯電話会社は2020年3月、新しい携帯通信サービス「5G」を開始しました。
「G」は「Generation(世代)」を指し、「「第5世代」の移動通信システムという意味です。
これまでの世代よりも高速・大容量を進化させ、低遅延、多数接続が可能なことが特徴です。

1~4Gとの違いは?

携帯電話は1970年代後半に第1世代が誕生して以来、約10年周期で新しい世代が登場してきました。
それぞれの世代の特徴は以下のようになります。

  • ・第1世代・・・アナログ方式の無線携帯電話
  • ・第2世代・・・通信をデジタル化し、データを小分けにして送受信するパケット通信にも対応
  • ・第3世代・・・世界共通の方式を採用してパケット通信を高速化
  • ・第4世代・・・音声もデータ化し、データ通信をさらに高速化

4Gまでは基本的に人と人とのコミュニケーションツールとして発展してきました。
これに対して5GはIoT時代の新たなコミュニケーションツールとして高い期待を集めています。

参照:総務省|平成30年版 情報通信白書|5Gの概要

5Gの特徴とは

5Gの特徴にはどういったものがあるのでしょうか?詳しく解説していきます。

高速大容量

5Gの周波数は4G(LTE)の帯域幅よりもさらに広いため、同時にたくさんのデータが送受信できます。
多数のアンテナ素子を用いてデータの送受信を行う技術「Massive MIMO」を基地局に装備し、電波をユーザーごとに絞って向けることで、さらに高速通信が可能になります。

タイムラグが小さく抑えられる

テレビのニュース番組を見ていると、離れた国とのLIVE映像で、音声が遅延するケースを見かけます。
これまでの通信ネットワーク技術では遅延(タイムラグ)は避けられませんでした。
5Gの「超低遅延」とは、このタイムラグを極めて小さく抑えることを意味します。

自動運転やロボットを使った遠隔手術、建設機械の遠隔操作などでは、リアルタイムでの通信が必要です。
5Gの「超低遅延」は、そうしたときに効果を発揮するでしょう。

多数同時接続が可能に

「多数同時接続」とは、先述した技術により、一つの基地局から同時に接続できる端末が、従来に比べて飛躍的に増やせることを指します。
現在の4GでもLTE-Advancedでも1平方キロメートル当たり最大で6万~10万台の端末(回線)を同時接続できますが、5Gでは100万台にもなります。

これにより、高齢者介護施設や避難所に集まった被災者に、ウェアラブル端末を装着させて、遠隔で健康状態を把握するようなことも可能になるとされています。

参照:第5世代移動通信システム(5G)の3つの特徴

5Gによって動画市場に起こる変化とは

5Gの動画市場

5Gの導入により、通信速度の改善や多数同時接続が増加するにあたり、動画市場にはどんな変化が起こるのでしょうか?

動画視聴時間や回数の増加

通信速度の高速化により、ストレスなく動画が見られるようになります。
より気軽に、どこでも動画が見られるならば、視聴時間や回数は、大きく伸びると考えられます。

動画の質の向上

5G時代には4Kや8Kといった超高解像度かつ大容量の動画が、これまでの数倍の速さでダウンロードすることができるようになるため、より高画質な動画が楽しめるようになります。

また、これまでは1秒間に60FPSだったフレーム数が、さらに細かくなるため、動画の動きも滑らかになります。
ネットゲームを楽しむ人にとっては、動きのリアルさが向上し、今まで以上の“没入感”が得られるでしょう。

動画が当たり前の日常

TikTokやInstagramのインスタライブ、Facebookのストーリーズなど、最近ではSNSでも動画の利用が急速に増えています。

5G時代はSNSでのライブ配信などが、今よりもさらに日常的になるでしょう。
また、既存のSNSは動画閲覧機能を強化するでしょうし、新興のSNSが登場する可能性もあります。
インターネット配信の動画が生活の一部になる日も遠くないでしょう。

5G時代の動画コンテンツの課題

では次に、今後の動画コンテンツの課題について説明します。

ユーザー離脱の可能性

5Gの普及により、動画が生活に密着したものになれば、ユーザーの動画を見る目は肥えてきます。
ありきたりの動画に満足しなくなり、つまらないと判断されれば、別の動画に移ってしまう可能性が高まります。
つまりユーザーの離脱率の低下を防ぐべく飽きさせない工夫が求められます。

動画コンテンツもPDCAを回す必要が出る

いずれ動画コンテンツは飽和状態になると思われ、やみくもに動画を出しても、広告効果が上がらない可能性も考えられます。
効果的な動画広告を発信するためには、絶えずPDCAを回す必要があります。
計測ツールを活用してCVRを確認したり、動画から離脱したタイミングを解析したりして、改善点を見つけては修正し、効果を確かめるというサイクルを作りましょう。

今後の動画マーケティング

5G時代にともない、今後の動画マーケティングには何が必要になってくるのでしょうか。

効果測定能力が重要に

5G時代では、マーケティング活動に動画が欠かせなくなるでしょう。
動画内で視聴者が選択肢をタップすることでアクションに変化が起こるインタラクティブ動画などの活用が期待されています。
インタラクティブ動画は視聴回数や視聴率に加え、視聴者がどのようなアクションをしたかをデータとして収集することができ、従来の動画よりも効果測定が容易だからです。

また、動画経由での「サイトへの遷移数」「コンバージョン数」など、視聴後のアクションまで計測可能です。
インタラクティブ動画1本で、動画マーケティングに必要なデータを収集できます。
このデータを元に分析能力を高めることが重要になるでしょう。

媒体を適切に選ぶ

作成した動画をどの媒体に出すかによって効果は変わってきます。
Twitter、Facebook、Instagram、LINEと主要SNSは、それぞれでユーザーの属性や興味関心が異なります。
どの媒体ならCVRが高くなるか、適切に選択することが重要です。
また、媒体に合わせて動画の内容をカスタマイズすることも重要でしょう。

ユーザーに楽しんでもらえる動画作り

今後、広告効果を上げるのに、動画が有効なコンテンツであることを紹介してきました。
動画は再生時間が決まっているので、誰に対しても同じスピードで、同じ内容を届けることになります。
動画に飽きたユーザーに離脱される可能性があるということです。

まとめ

5Gでは大容量のデータを高速で送受信できるほか、4Gよりも多くの端末に接続することが可能です。
それにより、動画がより身近なものになってきます。動画マーケティング市場に関しても、ユーザーを飽きさせない工夫のある動画が重要になってくるでしょう。

また、効果的な動画を発信していくためにはPDCAを回し、常に改善を行っていく必要があります。スマートフォンでの視聴を念頭に、情報量を凝縮し、テンポをよく、最後まで見続けられる動画広告を目指しましょう。


 

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