動画広告におけるCVR(CV率)とは?概要から改善法まで詳しく解説

Webマーケティングの成果をはかる指標の一つに「CVR」があり、CVRを向上させるために、動画広告が有効であるといわれています。

動画広告を用いてCVRを改善するにはどうしたらよいのでしょうか?詳しく説明していきます。

Webマーケティング指標のCVRとは

マーケティング指標で使用されるCVRですが、Webマーケティングにおいてどういった意味を持つのでしょうか?CVRの確認方法も合わせてご紹介します。

CVRとは

CVRは「Conversion Rate(コンバージョン・レート)」の略で、「CV率」と書くこともあります。
Webマーケティングにおいては、「アクセスしたユーザーのうち、どれだけのユーザーが設定した目標を達成したか」を指します。

例えば商品を販売しているECサイトなら、アクセスしたユーザーのうちどれだけのユーザーが購入や申し込みをしたかなどを示します。

CVの設定はさまざま

Webマーケティングの成果とは、例えばECサイトなら商品やサービスの購入や申し込みですし、不動産サイトなら問い合わせや相談フォームを通じた連絡となるでしょう。

このように商品やサービスを購入するだけでなく、各種資料の請求やeBookのダウンロードなど、最終的に会社の売上につながるようなアクションも成果ということができます。

CVRは、CV数をサイトの訪問数(セッション数)で割って求めます。
CVRを見てわかるのは、ある一定期間に発生したセッションのうち、どの程度の訪問者が、設定したコンバージョン行動を起こしたか。Webマーケテイングの各施策が機能しているかを判断する指標となります。

CVRはGoogleアナリティクスで確認

アクセス数だけを指標にしていても、CVRの向上にはつながりにくいです。
CVRの向上は商品・サービスの魅力やWEBサイトの使い勝手に左右されるためです。

CVRを上げるには、アクセス数の増加だけでなく、回遊率の向上やフォームの最適化など、絶えずサイトを改善することが求められます。ではCVRはどこで確認できるか。多くの企業が活用しているのが、Googleが無料で提供しているアクセス解析サービス「Googleアナリティクス」です。

目標設定

  1. 【1】まず、Googleアナリティクスにログインしましょう。そして、ページ左側の一番下にある歯車アイコン(管理)をクリックします
  2. 【2】ページ右側に「ビュー」という項目が出ますので、その中の上の方にある「目標」→「新しい目標」→「①目標設定」→「カスタム」→「続行」→「②目標の説明」と進みます
  3. 【3】名前を自由入力し、「タイプ」は「到達ページ」にチェック
  4. 【4】「③目標の詳細」で「到達ページ」の入力方法を選択し、ランディングページなどのURLを入力し、保存をクリックすれば目標設定は完了します

確認方法

目標設定後に数値を確認したい場合は次の手順です。

  1. 【1】Googleアナリティクスにログインします
  2. 【2】ページ左側の「コンバージョン」→「目標」→「概要」の順にクリックするとCV数やCVRを確認することができます。

CVR向上には動画広告が重要

CVRを上げるには、さまざまな方法があり、ここ数年は動画広告の有用性が注目されています。

電通グループ4社(D2C、CCI、電通、電通デジタル)が発表した「2019年日本の広告費インターネット広告媒体費詳細分析」によると、2019年のインターネット広告媒体費のうち、動画広告は前年比157.1%の3184億円と大きく伸び、全体の19.1%を占めました。2020年には同113.0%の3597億円まで拡大する見込みです。

動画広告が伸びている理由は、スマートフォン普及を背景に、若い世代の接触媒体が、テレビからウェブにシフトしていることが挙げられます。動画は私たちの日常生活において欠かせない存在になりつつあります。

SNSの投稿内容も動画が増え、Instagramを利用して芸能人やスポーツ選手がライブ配信などを行うようになり、動画による情報発信は今後さらに増えるでしょう。

参照:2019年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析 – ニュースリリース一覧 – ニュース – 電通

動画広告は情報量が多くCVRで優れている

動画広告は情報量が多く、さまざまな表現方法が使えることから、これまでのようなテキストと画像を組み合わせた広告を圧倒するようになってきました。

例えば、電通・ディーツーコミュニケィションズが行なったスマートフォン向けの動画広告に関する調査結果によると、動画広告はバナー広告に比べて「記憶に残りやすい」と感じる人は1.7倍、「内容を覚えている」人は約1.2倍、「ブランドへの好感度が上がった」のは5倍だそうです。

クリック率が高くなるのは当然なのかもしれません。

参照:iPhone向け動画広告効果調査 | ニュースリリース | 株式会社D2C

インストリーム広告が今後も主流に

それでは、どこに動画広告を出稿すると効果的なのでしょうか。
動画広告はタイプによって以下のように大別されています。

  • ・インストリーム広告:動画を閲覧する直前や、動画の再生中、動画の終了後に流れるタイプで、現在は主流の動画広告フォーマット
  • ・インフィード広告:Webサイトやアプリのコンテンツ間に表示される広告。TwitterやFacebook、ニュースアプリなどで見られ、インストリームに次ぐ規模
  • ・インバナー広告:従来のバナー枠に配信される動画広告で、音声はデフォルトでOFFになっており、規模は小さい

サイバーエージェントが2019年12月に発表した動画広告市場推計・予測(広告商品別)[2018-2025年]によると、今後もインストリーム広告は最大シェアのポジションを保つということです。
2020年は1389億円で全体の約42.2%を占める見込みで、2023年には2,213億円で約43.7%となり、2位にあるインフィード広告のそれぞれ約39.3%、37.2%を上回っています。

参照:サイバーエージェント、2019年国内動画広告の市場調査を実施 | 株式会社サイバーエージェント

CVR低下の要因とは

ここまでCVRの説明とCVRの高い動画広告について述べてきました。
実際に動画を制作してみて、CVRがあまり伸びず、悩んでいる担当者も少なくないでしょう。

そこで最後にCVRが上がらない要因について考えてみます。

視聴者のニーズと企業が伝えたいことのミスマッチ

動画の視聴者のニーズを捉えきれず、自分たちが伝えたい内容ばかりが盛り込まれているため、途中で飽きられてしまいます。

動画のコンテンツと、リンク先コンテンツのミスマッチ

動画で見た内容に興味を持ち、ユーザーがサイト流入したが、動画の内容とランディングページに記載されている内容に異なることがあった場合、ユーザーがCVに至らずに、サイトを離脱してしまいます。

視聴者のターゲットが不明確

ペルソナ・ターゲットにしている人たちに視聴してもらわなければならないのに、彼らが求めているようなキーワードを動画に盛り込んだり、タグ付けができていなかったりして、見て欲しいターゲット層が集められていない。

マーケットに変化を与える外的要因を把握していない

例えば、日焼け止めクリームやマスクなど、季節性のある商品なのに、一年中おなじ内容の動画広告を流していたり、社会の状況や流行が変化しているのに、それに合わせて動画の内容や表現を差し替えていなかったり、対応が遅れてユーザーへの訴求力が弱くなっている。

CVRの改善方法

動画広告 制作

こうした状況を打開するためには、ターゲットにしているユーザーに寄り添った動画広告を制作することが大切です。ターゲットの属性やキーワードを明確化し、視聴してくれたユーザーの心に刺さる内容をシンプルかつ的確にまとめたコンテンツにしましょう。

ユーザーがどこまで見て、どこで離脱してしまったのかを分析することも重要です。
より詳細なデータを取り、CVにつなげるためには、離脱した部分を改善しましょう。

また、CVとして設定していた行動を変えてみることも有効です。
CVを「商品購入」にしていたのであれば、「資料請求」「メルマガ登録」などにアクションに変更するのです。
無料でできるアクションなら、ユーザーの心理的ハードルも低くなるので、CVRは高くなる可能性があります。
「商品購入」はその次のアクションとして、別の手立てを考えることも大事ではないでしょうか。

まとめ

今回はCVRについて解説してきました。

CVRを理解し、動画広告で活用するなどして、マーケティングの改善を積み重ねていけば、きっと売り上げ増加につながるでしょう。CV、CVRを向上させるためには情報量の多い動画広告の利用が特に有用です。

形態では現在主流のインストリーム広告が今後も伸びていくと予測されるため、積極的に活用するとよいでしょう。CVRが伸び悩んだときには、動画広告の内容やCV設定を見直すなどしてマーケティングの改善を積み重ねていけば、きっと売り上げ増加につながるでしょう。


 

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