「新入社員の採用」「昇格人事の実施」「コンプライアンス問題の発生」など、研修を実施している企業は少なくないと思います。その研修に動画を導入して成果を出している企業が増えています。
目次
研修動画は主に3種類
各企業で用いられる研修動画の内容は多岐にわたります。
ただ、使用目的で分けると以下の3つになります。
知識研修動画
最も一般的なものは知識を伝えるための研修動画でしょう。
「新入社員に企業理念やミッションを伝える」「管理職となった社員に心得を学ばせる」などで、その多くが、講師の講演を収録したような動画です。
技術研修動画
業務に必要な技術や手順を伝える研修動画です。
言葉では伝わりにくい業務内容が、動画で視覚的に表現されているので一目瞭然です。
接客研修動画
ホテルやコンビニエンスストアなどのサービス業でよく利用されているのが接客研修動画です。
ベテラン従業員が接客する様子を撮影し、ドキュメンタリー形式で編集して、社員やスタッフが適切な対応を実例として学べるようにします。
動画研修導入のメリット
企業が研修に動画を導入すると、なぜ成果が上がるのでしょうか。
そこにはどんなメリットや効果があるのでしょうか。
実際に導入する際のポイントとメリットについて考えてみましょう。
研修・教育レベルが標準化できる
研修担当者が数名いた場合、各々教え方は異なるでしょう。
指導の内容に差があると、結果として全体の教育レベルにばらつきが生じてしまいます。
また、担当者が変更になった際に、研修の業務内容をスムーズに引き継ぎできず、教育レベルが下がってしまうという事態もあり得ます。
研修動画を用意しておけば、全員が同じ内容を見ることになるため、教育レベルのばらつきが発生することもありません。業務が俗人化することもないため、引き継ぎに関するトラブルリスクを最小限に抑え、一定の質を担保できるようになると言えるでしょう。
いつでもどこでも研修が可能
研修動画があれば、社員やスタッフは、いつでも、どこでも、ちょっとした空き時間さえあれば、研修が受けられます。時間や場所を決めて、一斉に行う研修と比較すると、時間的な効率は飛躍的に上がり、業務も継続しながら実施できるので、生産性の向上が期待できます。
ミスが減るリスクの低減
また、誤った知識を伝えてしまうリスクが下がります。
コンプライアンスに関わるような内容も、動画であれば、研修実施前に、内容を精査し、修正することができるので、より正確に知識を伝達できます。
また、繰り返し視聴できるので、講師による講演のように内容が変わることもなく、安定して高レベルの研修が実施できます。同様に正確な知識伝達が求められている昇格研修や企業内のマニュアル研修などでも、動画は効果的に機能します。
理解できるまで繰り返し視聴が可能
講師によるリアルな講演研修は、基本的に1度きりです。
社員やスタッフが講演の内容を完全に把握できなかったとしても、費用がかかってしまうので、何度も講師を呼ぶわけにはいきません。
しかし、動画であれば何度でも繰り返し視聴できます。繰り返し視聴することで、理解度が上がるだけでなく、意識としても定着しやすく、社員全体のレベルの底上げが可能です。
業務手順と成果をより理解してもらえる
実際に業務している様子を見せることで、テキストを読んだり、講演を聞いたりするよりも、より深い理解が得られます。少人数であれば現場で実演することも可能ですが、研修を受ける人数が増えるほど、コスト・スペース・時間の負担が大きくなってしまいます。
何より、請求書の作成や交通費の精算といった細かな業務のほか、独自のシステムを使用している企業の場合は、パソコンの使い方やメールの送受信方法から教える必要がある可能性もあります。
指導する側の負担を考慮しても、現場での実演はあまり理想的とは言えないでしょう。
また、最近は外国人労働者が増えており、言語や文化の違いからコミュニケーションを取ることが難しく、教育方法が課題になっています。
いずれにしても、研修動画があれば指導者の負担を減らせるだけでなく、視覚的に情報を伝えることができるため、教育を受ける側にしても業務の手順や技術を正確に把握することができるようになるでしょう。
研修動画が効果を発揮するために
研修動画が効果的あることはご理解いただけたと思いますが、ここで非常に大切なポイントがあります。
それは動画のクオリティが高くなければ、その効果が半減してしまうことです。
研修動画は、テレビドラマや映画のような特別な演出が必要なわけではありません。
講演や業務の作業手順などを正確に撮影し、きちんと編集できれば、その役割を果たすことができます。
そのために有効な方法は2つあると思います。
テロップの活用
視覚情報は他の情報に比べて知覚の割合が高いといわれています。
人間の五感の情報収集能力は、視覚87.0%、聴覚7.0%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚1.0%と、視覚が大半を占めています。
つまり、内容の説明は音声だけでなく、映像にテロップを挿入して、視覚的にも伝えることで、より高い効果が得られるというわけです。
テレビ放送などでも、重要なポイントを強調するために、しばしばテロップが挿入されます。
これと同じような演出をしましょう。
適切なカット割り
人間の集中力には限界があります。
同じ映像をダラダラと見続けていると、理解の効率が下がります。
それを防ぐためにも、映像を適切なタイミングで切り替える必要があります。
これを「カット割り」といいます。
「カット割り」で場面や背景を変えましょう。
編集とは伝えたい内容に適したカットをつなげる作業です。
適切なカット割りがされている動画は、見ている側が意識を切り替えをしやすいため、飽きずに内容に集中できます。
まとめ
研修動画では、映画やテレビドラマのような演出は不要です。
シンプルに伝えたい内容をストレートに構成すれば十分な効果を発揮します。
また、研修動画の導入は、長期的なコスト削減がもう一つの目的です。
できる限り人的コストをかけずに動画を制作したいところです。
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