新たな媒体として注目を集める動画メディア。一度に目にする情報量が多い動画を使えばより効果的なマーケティングにつながります。今回は、人気のある動画メディアをジャンル別に紹介しつつ、それらを活用する際のメリット・デメリット、動画メディアを制作する際に必要なスキルについて紹介します。
目次
動画メディアとは?動画が注目されている理由とあわせて解説
動画メディアとは、従来テキストや画像べースで実施されていた情報発信やプロモーションなどを、動画べースで実施する新たなメディア形態です。
動画メディアの最大の特徴は、「短い時間で多くの情報を届ける」ことが可能な点にあり、その形態もCMだけでなく、「試してみた、買ってみた」というような動画やハウツーを交えたものと多岐に渡っています。
近年、その市場規模の拡大は目覚ましいものとなっており、特に若年層に向けた広告コンテンツなどでは動画が欠かせないものとなってきています。なぜここまで注目されるようになったのでしょうか。
動画メディアへの注目が高まっている理由
動画への注目が高まっている理由は複数ありますが、2010年〜2016年にかけてのスマートフォンの爆発的な普及が大きく関係しています。
インターネットの普及以降、情報収集をインターネットで完結させることが一般的となり、いわゆる雑誌やテレビなどの「オールドメディア」とされる媒体の力が弱まりました。この傾向はデジタルネイティブと呼ばれる若年層で顕著であり、スマートフォンの普及率が急速に高まり、また通信技術が進歩した現在では、より情報量の多い「動画」を介した情報収集を行う層が増加しました。
時間や場所を選ばずに情報を取得することができる環境となり、「ながら状態」でも情報に触れることができるため、一日の中で広告コンテンツに接触する回数が格段に増えました。
さらに、SNSの登場によって情報発信や情報収集のハードルは格段に下がりました。Instagram、TikTokなど動画や画像を軸としたSNSサービスも一般化し、動画を視聴するという行為が日常的なものとなったことも、動画メディアの注目度の高まりに大きく関係しています。
参照:総務省|情報通信白書(平成29年)
参照:総務省|情報通信白書(令和元年)
【ジャンル別一覧】人気の動画メディア15選
まずは動画メディアについて、基本的な事項や普及の背景を紹介しました。続いては、特に人気のある動画メディアを大きく4つのジャンルに分け、特徴とともに紹介していきます。
ファッション・美容系メディア4選
ファッションや美容に関するジャンルは、特に動画という媒体との相性が良いとされています。
似合うコスメを見つける、欲しいファッションアイテムを探す際に画像だけではいまいち全体像がつかみにくいものです。商品のイメージが得やすいこれらのジャンルでは、10~20代の女性を中心に動画コンテンツが広く普及しています。
MimiTV
プロによるメイクレクチャーやトレンドメイクなど長めの動画でまとめており、YouTubeやInstagram、Facebookなどで配信しています。
参照:MimiTV|基礎から最新トレンドまでを知れる美容情報メディア
C Channel
メイクのハウツーなどを30秒~1分半ほどの短い動画で提供しています。
参照:C Channel
料理・グルメ・ライフスタイル系メディア4選
ファッションや美容と同じく、食材の調理手順や雑貨の利用シーンなど、視覚的なイメージが重要となる生活系のジャンルでも動画メディアが躍進しています。動画メインでないメディアもありますが、それぞれに動画を取り入れてさまざまな角度からの情報発信をしています。
北欧、暮らしの道具店
北欧発の日用品などを紹介しており、画像や動画もオリジナルの世界観を演出しています。コンテンツマーケティングの成功例として知られるメディアですが、近年では特に動画コンテンツの強化を行っています。
参照:北欧、暮らしの道具店
kurashiru
「きちんと美味しく作れる」をコンセプトにした料理動画サイトです。簡単で作りやすいレシピ動画を毎日配信しています。
暮らしニスタ
主婦のアイデアを持ち寄り、発信していくというスタイルのメディアです。レシピやキャラ弁、DIYや100円均一の便利なアイテム紹介や使い方など、さまざまなアイディアを紹介しています。
参照:暮らしニスタ|知りたい!教えたい!暮らしのアイデアがいっぱい!
カルチャー・トレンド系メディア3選
ポップカルチャーやトレンドといったトピックスは情報の鮮度が重要となるため、もとよりWebとの相性が良いジャンルでした。従来はWeb上のコンテンツやニュースなどの情報をキュレーションするメディアが主流でしたが、近年では独自性の高い動画コンテンツに力を入れたメディアも誕生しています。
McGuffin(マクガフィン)
ミレニアル世代・Z世代をターゲットとしたカルチャーメディアです。DJやアーティストなどのインフルエンサーをパーソナリティに起用した配信コンテンツを多数供給しています。
参照:McGuffin-CULTURE VIDEO MAGAZINE FOR YOUTH
KAI-YOU
ポップカルチャーにフォーカスしたメディアで、作品に対するコラムやレビューなども多数あります。近年ではオリジナルの動画コンテンツ供給に注力しています。
参照:KAI-YOU.net(カイユウ)- 世界と遊ぶポップカルチャーメディア
ビジネス・社会系メディア4選
経済系の出版社や新聞社などが力を入れているジャンルです。20-40代のビジネスマンを主なターゲットとし、通勤時などに視聴できるコンテンツを制作するメディアが多いです。
News Picks STUDIOS
「経済をもっとおもしろく」の考えのもと、次世代動画コンテンツを企画しています。
新R25
「これからの時代を生き抜く仕事や人生のバイブル」をコンセプトに若者のビジネスマンに約立つコンテンツを発信しています。
参照:ビデオ|新R25 – シゴトも人生も、もっと楽しもう。
ビジネスオンラインチャンネル
企業の業績や年収などの情報を、1分間のショート動画で伝えている経済系の動画メディアです。
参照:ビジネスオンラインチャンネル | 1分動画経済メディア
動画メディアのメリット・デメリットは?Youtubeとの違いは何?
ここまで、動画メディアの例をいくつか紹介しました。プロモーション展開のために利用を進めている企業も多数存在しており、マーケティングを行う上で必須のチャネルとなっています。
動画メディアを効果的に活用していくために、Youtubeとの違いやメリットなどについても抑えておきましょう。
動画メディアとYoutubeの違い
動画メディアもYoutubeも動画で情報を発信するプラットフォームとしての役割がある点では同じように捉えて問題ありません。ただし、無料のYoutubeなどを活用すれば簡単に拡散・共有ができるうえ、時に動画コンテンツの権利が守られない危険性があります。それに対して、動画メディアはセキュリティなどの対策がきちんとなされており、動画などの権利を保護しながら拡散することができます。
また、広告収入などはYoutubeを利用すればそれに準じた決まりに従うことになるのに対して、動画メディアではどのように費用対効果を構築するかコンテンツごとに設定したり、月額課金のモデルを構築したりできるため大きな収益につながるチャンスがあります。
動画メディアのメリット
前述したように、動画メディアの最大のメリットは「短い時間で多くの情報を発信できる」ところにあります。また、メイクやレシピなど視覚的に訴えることで魅力が明確に伝わりやすい点もこれまでの媒体になかった力といえるでしょう。そして、さまざまなSNSと組み合わせていくことにより、想定以上の広告効果が出る可能性も秘めています。
動画メディアのデメリット
動画メディアは継続的に発信していく必要がありますが、現状ではそれらを担える人材が少ないというのがデメリットです。
また企画から撮影、編集と発信するまでのスパンがかかってしまうというのも難点であり、それらを制作会社に依頼すると高いコストがかかってしまうこともあります。
動画メディアの運用や動画制作に必要なスキル
最後に、動画メディアの運用や利用に際して必要となるスキルを、動画制作を外注する場合・内製する場合に分けてご紹介します。
制作会社へ外注する場合
自社に動画制作についてのノウハウ等が不足している場合はそれらを専門とする動画制作会社などに依頼します。
この場合、特別なスキルを身に着ける必要はありませんが、「予算をどのぐらいに設定するのか」や「イメージしているものや動画の着地点などの考えを汲み取ってくれるのか」、「動画が出来上がるまでに円滑にやり取りが行えるのか」など、二人三脚で進めていけるような会社選びをしなければなりません。また、すべてを依頼するならば、その分の費用がかかることを認識した方がいいでしょう。
内製する場合
動画を自社で制作する場合、撮影機器などの最低限のツールを揃えてソフトウェアを扱うことができれば費用を抑えて動画を作ることができます。ただ、人材の育成などを考えると相当な期間が必要となるケースもあります。
最近では編集を手助けする動画編集サービスなどもあり、上手に活用することで高度な知識がなくても内製が可能となっています。クラウド型の動画編集サービスなどにはAIが活用されており、シーンに合わせた構成などをサポートしてくれるものも登場しています。
まとめ
動画メディアで情報発信するのには高いハードルがあるのではないかと思いがちですが、それらの傾向やメリット・デメリットをきちんと理解した上で内製化するなど自社に合ったかたちで展開すれば、効果的なマーケティングにつながります。人気の動画メディアなどを参考にしてぜひ検討してみてください。
この記事をシェアする