動画広告の運用とは?〜広告運用で気をつけること〜

スマートフォンの普及に伴い動画広告市場が拡大し注目を集めています。
TikTokやYoutubeなど、動画をメインとしたSNSの発展に鑑みると、動画広告の需要は今後も増えていくでしょう。

この記事では「動画広告を運用する」とは、具体的にどういうことなのか、運用上の注意点やメリット・デメリットのほか、媒体ごとの特徴と合わせてご紹介します。

動画広告の「運用」とは?

広告は「出稿すれば終わり」ではありません。
結果をリアルタイムで確認し、予算やターゲティングを最適化することが重要です。
また、一つの商品に対して一つの動画を用意するだけでは、適切な動画広告の運用ができるとは言えないでしょう。切り口の異なる複数の動画を用意し、常に新しい情報をユーザーに届けることが大切です。

また、動画広告には大きく分けて「インストリーム広告」「インリード広告」「インバナー広告」の3つがあります。「インストリーム広告」はYoutubeなどで動画を再生する前や再生中などに表示されるもので、5秒経過するとスキップできるようになります。
ただし、15秒以下の動画はスキップできません。

Webページを閲覧している途中で出現するものは「インリード広告」と呼ばれます。
スクロールしている途中で自然と広告が出てくるため、反応されやすいというメリットがあります。

「インバナー広告」は各プラットフォームで定められている広告枠の中に表示されるものです。
上記2つの広告と比べ、YoutubeやWebコンテンツの利用頻度に関係なく、より多くのユーザーにリーチできます。

目的に合った動画広告を運用する

オンラインビデオ総研とデジタルインファクト社が実施した調査「動画広告の出稿目的」(2015年)によれば、大手広告主の91.7%が、出稿目的を「認知獲得」だとしています。
次いで50.0%が商品やサービスを訴求する「Webサイトへの誘導」を挙げています。

この2つの目的にふさわしい動画広告とは、どのようなものなのでしょうか。

企業や商品・サービスの認知度のアップ (ブランディング広告)

例えば、新規事業に関する動画広告は、商品やサービスを販売することよりも、多くの人々に、その存在を知ってもらうことが優先でしょう。
細かくターゲティングするよりも、ターゲット層と年齢が重なるユーザー数が多い媒体を選び、できるだけ多くのユーザーに接触するようにします。

商品・サービスの売り上げのアップ (ダイレクトレスポンス広告)

商品やサービスの売上アップを狙うなら、動画広告から自社のECサイトなどへ誘導できるように、ユーザーの興味と関心を引く必要があります。
ターゲット層にピンポイントで情報を届けられるよう、ターゲティングが細かく設定できる媒体への掲載が適しています。
もちろん、ターゲット層とユーザー層の重なる媒体を選ぶのも重要です。

参照:サイバーエージェント、動画広告に特化したオンラインビデオ総研を設立。第一弾として、企業の動画広告の利用状況に関する調査を実施

動画広告の媒体ごとの特徴

現在、日本で動画広告を掲載できる主な媒体は、You Tube、Facebook、Twitter、Instagram、TikTok、LINEの6つです。

これらの特徴について整理しました。

媒体 youtube Facebook Twitter Instagram TikTok LINE
料金形態 視聴時間による課金方法が主。
課金発生は
広告を最後まで視聴した時。
クリックした時。
6種類あり
・CPC
・CPM
・10秒再生
・継続的な再生
・インストール誘導
・ページへのいいね!
設定した目的を達成した場合のみ課金対象となる方式 Facebookとほとんど変わらない
・CPC
・CPM
・10秒再生
・継続的な再生
・インストール誘導
費用タイプは4種類
・期間契約
・CPC
・CPM
・再生課金
費用タイプは3種類
・CPC
・CPM
・友だち追加型
料金 1回3~20円 1日100円から 調整可能 1日100円から 広告で変わる。
起動画面は1日1社限定で600万円。
オークション形式。
最低価格
・CPC24円
・CPM400円
運用形式 ・インストリーム広告
・バンパー広告
・True viewディスカバリー広告
・アウトストリーム広告
・マウスヘッド広告
・デスクトップニュースフィード
・インスタント記事広告
・インストリーム広告
※細かい規定あり
・プロモビデオ
・カンバセーショナル(3種類)
・ビデオアプリ
・インストリーム広告
・動画広告
・カルーセル広告
・ストーリーズ広告
※細かい規定あり
・起動画面広告
・インフィード動画広告
・ハッシュタグチャレンジ
・静止画
・動画
ターゲティングの有無 有り
細かくターゲットが分かれている
有り
3種類のオーディエンスがある
有り
16種
細かくターゲットが分かれている
有り
7種のカテゴリーから選べ、自動ターゲティング設定も可能
有り
11種類から方法を選ぶ
有り
9種類
主なユーザー 幅広い年代 30代後半から70代前後まで 20代くらいから60代前後 10代から30代前後 10代から 幅広い年代

こうしたそれぞれの特徴を踏まえ、ターゲット層や目的にあった動画広告を運用する必要があります。

参照:動画広告フォーマットの概要 – YouTube ヘルプ
参照:Facebook for business
参照:Twitter広告のビジネス活用
参照:Instagram business
参照:TikTok For Business
参照:LINE for Business

動画広告を運用するメリットとデメリット

動画広告を運用するメリットとデメリット

動画広告を運用するメリット

動画広告にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

テキストや静止画の広告よりも多くの情報を伝えられる

動画広告は、伝えたいことを「映像」と「音声」とを組み合わせて届ける広告です。
接触時間が同じであれば、動画はテキストや静止画よりも伝達する情報量が多くなります。

音と動きのある動画はインパクトが強く、ユーザーの印象に残りやすい

動画広告は音や動きがあるので、強いインパクトを与えることができます。
ユーザーの印象に残りやすく、イメージアップや認知度向上にもつながりやすくなります。

話題性のある動画広告は拡散されやすい

SNSを見ているユーザーの感性に、視聴した動画が刺されば、ユーザーは「シェア」や「いいね」で、自らのフォロワーや友だちに拡散してくれます。
これはSNSの大きな特性であり、拡散効果が期待できます。

効果測定ツールを利用して改善点などを分析できる

動画広告では、クリック率、クリック回数、CV率、表示回数、視聴回数などの効果測定が可能です。
こうした指標は目標設定に利用でき、達しなかった場合に改善を図るきっかけになります。

動画広告のデメリット

メリットの多い動画広告ですが、当然デメリットもあります。

ユーザーに視聴してもらえない可能性

動画広告はすぐにスキップしたり、YouTubeなどのように月額料金を支払い、非表示にしたりすることが可能です。

静止画広告よりもコストと時間がかかる

テキストと画像の広告に比べ、動きや音声などの要素が加わる動画広告は、制作コストも高く、制作期間も長くなる傾向にあります。

こうした動画広告のメリットとデメリットを十分に理解した上で、適切に運用してみてください。

動画広告運用の注意点

動画広告の運用にあたって注意すべき点は以下の通りです。

明確なターゲティング

動画広告は詳細なターゲット設定をすることで、初めて高い効果が期待できるようになります。

ターゲット設定は、以下のような広告のペルソナを考えることから進めましょう。

  • ・地域や住まい
  • ・生活スタイル、出勤スタイル
  • ・人間関係
  • ・年齢、趣味

ターゲットユーザーに訴求できるクオリティの動画を制作

動画にはクオリティの高さが求められます。
ただ、最新技術を用いたり、凝った演出をふんだんに盛り込んだりした動画を作るということではありません。
あくまでもターゲットユーザーに最適の動画であるということです。

言い換えると、ターゲットユーザーが最後まで見てくれて、商品やサービスの購入につながるクオリティとは何かを考える必要があるということです。

ターゲットユーザーを意識しながら、臨機応変に複数の動画を配信

媒体(SNS)ごとに、年代、性別などユーザーの特徴があります。
ターゲットユーザーを意識することは大切ですが、それにとらわれ過ぎて一つの媒体でしか運用しないのでは、狭い市場での訴求となります。
市場が広ければ広いほど、効果に対する期待値も高くなります。
動画広告を一つの媒体だけで展開するのではなく、媒体によって動画の内容を変えて配信するようにしましょう。
また、同じ媒体でも、内容を変えて複数の動画広告を配信することをおすすめします。

動画広告が一種類だけだと、ユーザーが「またこのCMか」と飽きてしまう可能性があります。
同じことを訴求していても、違う観点から、企画、演出、撮影、編集された動画広告があると、ターゲットユーザーの興味や関心を引き出しやすいでしょう。

以上の3点に気をつけて、適切な運用を心がけていきましょう。

低コストで高品質の動画を制作するには?

以上のように、動画広告にはさまざまな種類があり、出稿するSNSもテイストが異なるため、ターゲットと目的を設定することが重要です。
市場が拡大している動画広告ですが、メリットがある半面デメリットもあります。
両面をよく理解した上で、制作、出稿する必要があります。

また、動画広告がマーケティングに有効だといっても、動画のクオリティが低ければ、かえって企業や商品のイメージを損なう危険性があります。
クオリティが高く、訴求性の強い動画を作るには、テレビ番組などの制作プロダクションに外注するのもひとつの方法ですが、問題は費用対効果でしょう。
企画、撮影、編集、出演者など動画の内容によって費用は“ピンキリ”ですが、決して安価ではありません。

そこで、初心者でもクオリティの高い動画制作ができるツールを利用して、自社制作に挑戦してみるのも一つの方法です。


 

関連記事

Premiere Pro(プレミアプロ)を使った動画編集方法【基本操作】

Premiere Proはプロ動画編集者の90%以上が利用しているソフトです。どんなジャンルの動画でも対応できるため、企業のPRや広告動画にも使われています。 しかし使用方法がわからずに動画制 ...

この記事をシェアする