Hub動画とは?Googleが提唱するHHH戦略についても詳しく解説

近年、ユーザーとの接点作りとして動画マーケティングに取り組む企業が増えています。外注せず自社制作する企業も多く、中にはどのように動画を企画・運用すればよいか分からないという方も多いと思います。そこで今回は、hub動画やGoogleが提唱している「HHH(スリーエイチ)戦略」について解説します。動画活用の参考にしてください。

Hub動画とは

「Hub動画」とは、Googleが発表した「HHH戦略」で登場する動画の一つです。同社では、ユーザーニーズに沿った動画を提供してマーケティングに活かすことを提唱しており、その中心となるのがHub動画です。

Hub動画の概要

Hub(ハブ)とは車輪の真ん中の部分を指し、中心点という意味を持ちます。たとえばハブ空港というと、世界中から飛行機が集まり、そこから世界中に飛びたつ拠点となる空港を指します。Hub動画も同様に、広くユーザーが集まり、そこから企業のさまざまなコンテンツへ向かっていく拠点となる動画のことをいいます。
Hub動画は、視聴したユーザーに興味・関心を持ってもらったうえで、企業やブランドとの関係作りに役立つような内容である必要があります。

Hub動画のメリット

前述の通り、Hub動画は企業とユーザーを繋ぐハブとなる動画を意味します。Hub動画には以下のようなメリットがあります。

【1】企業に好感を持ってもらい、長期的なファン育成に繋がる

Hub動画は、コンテンツマーケティングにおけるコンテンツと同じ役割を果たします。つまり、ユーザーの求める内容を動画提供することで、ユーザーとの接点を作ります。さらに継続的な動画提供により、その企業・ブランドに対して好感を持ってもらいやすくなり、商品やサービスの購入時に選ばれる可能性が高くなるのです。

【2】企業・ブランドのストーリーを伝える

自社商品のこだわりや作り手の想いなど、一般的な広告では伝えにくいストーリーを伝えることができます。たとえばアパレルブランドであれば、国産にこだわる理由や素材選定における苦労などを伝えることで、このブランドを応援したい・使いたい、とユーザーに思ってもらうことができます。
なおHub動画としては、ユーザー視点での表現にすることが重要です。

【3】ユーザーの利用シーンを具体的に伝えられる

商品の特徴や使うときのポイントなどをより具体的に伝えることができます。商品を利用する前に検討項目として上がるような内容を取り上げることで、ユーザーがその企業の商品に関心を持ちやすくなります。

Googleが提唱する「HHH戦略」とは?

HHH戦略とは、Googleが提唱する動画コンテンツの活用戦略のことです。ユーザーに興味・関心を持ってもらう手段として、Hero動画・Hub動画・Help動画の3種類を挙げており、それぞれの頭文字をとって「HHH戦略」と呼んでいます。

Googleは、ユーザーが純粋な広告とネイティブ広告(ブランドコンテンツ)の違いを意識せずに視聴しているとの調査結果に基づいて、どのような意図で作られたものであっても、最終的にはユーザーのニーズに合致した内容にすることが大切だと述べています。

Googleがこの概念を発表したのは2014年で、国内では「動画元年」と呼ばれた頃です。スマートフォンでの動画視聴が広がり始めた時期で、まだ企業の動画活用も今ほど積極的ではなく、スマートフォン向け動画広告はパソコン向け動画広告の半分以下という時代でした。数年以上前に発表された戦略ですが、現在でも当てはまる内容になっています。

参照:Think with Google ブランド化されたビデオコンテンツと広告の間の不明瞭な線

HHH戦略を行うメリット

動画活用において、企業がHHH戦略を行うメリットとして、以下の2点が挙げられます。

企画の方針が共有しやすくなる

多くの人に視聴してもらうためには、ユーザーが求めている内容を動画コンテンツにすることが大切です。これは、通常のオウンドメディア運営においても同じです。HHH戦略のフレームワークを用いることで、自社が提供するのはどの内容で、どのターゲットに届けると効果的か、といった企画を設計しやすくなります。

計画が立てやすくなる

「バズる動画を作りたい」からといって、単発的にウケ狙いの動画を作ったとしても、一時は人気が出るかもしれませんが、長期的な効果はあまり見込めません。動画を効果的に活用するためには、自社のマーケティング文脈に沿った内容にすることが大切です。HHH戦略に基づきコンテンツを企画・制作・運用することで、ユーザー視点でのマーケティング計画の一部として動画を組み込みやすくなります。

HHH戦略を行う際、注目すべきポイント


HHH戦略に沿った動画を活用するにあたり、気を付けるポイントとして目的やターゲット、企画を明確にすることが挙げられます。以下のような点に注目すると、動画を制作しやすくなるでしょう。

認知を目的とした「Hero動画」

Hero動画とは、多くの人に企業・サービスを知ってもらうための動画です。主にユーザーを集める認知の目的で制作します。
見込み客となりうる潜在顧客がターゲットで、多くの人の目に触れやすく、SNSなどでシェアしてもらいやすい動画が求められます。

ユーザーの定期的な訪問を促す「Hub動画」

Hub動画は先述の通り、ユーザーと企業を繋ぐ目的で制作します。
Hero動画で集めたユーザーがターゲットで、ユーザーを企業のオウンドメディアやSNSへ誘導できるような、信頼感・納得感のある動画が求められます。

情報を分かりやすく伝える「Help動画」

Help動画とは、ハウツーやFAQといった、ユーザーのお悩みに対する回答を示す動画のことです。商品・サービスについて知りたいと思っていることをわかりやすく伝えて、購入に繋げる目的で制作します。
自社商品・サービスに対する疑問や不安を解消できる丁寧な説明や、きめ細やかな内容に触れた動画が求められます。

動画制作のポイント

自社が制作するのはHero・Hub・Helpのどれなのかを意識することで、明確なメッセージ性を持った動画が制作できます。制作におけるポイントが各動画で異なるので、一つひとつ詳しく見ていきましょう。

Hero動画作成時

  • ・見込み顧客となるターゲット層の目を引き付けるのは、どのような内容かを検討する
  • ・人の目に触れることを目的にしない
  • ・ターゲットと相性がよいメディアへの露出を検討する

たとえばプチプラのコスメを販売したいのであれば、10代~20代の女性が関心を持つような内容で、かつファッションと好相性なInstagramへの露出を検討する、といったことが考えられます。

意外とありがちなのは、たくさんの人に視聴してもらいたいと考えるあまり、自社とは無縁のコンテンツにしてしまうことです。潜在顧客を集めるのが目的なので、本末転倒にならないよう注意しましょう。

Hub動画作成時

  • ・Hero動画で獲得したユーザーの興味・関心を得られる内容にする
  • ・自社メディアへ誘導しやすい導線が用意されているか確認する

潜在顧客に自社商品に対する興味を持ってもらえるような動画を検討します。コスメの例でいえば、毎月メイク動画をアップし、動画には自社ECサイトへのリンクを貼っておくなどの施策が考えられます。

Help動画作成時

  • ・この動画によってユーザーの疑問・お悩みを解決できるか考える
  • ・SEOのキーワードを考慮する

Hub動画で引き付けたユーザーの購買欲を後押しするような動画を検討します。コスメの例でいえば、「どの色を選べばよいか分からない」といったお悩みに答えるため、コスメのカラーバリエーションを詳しく説明する動画や、肌タイプ別のおすすめアイテムの紹介動画などが考えられます。
また、Help動画はハウツー的な内容なので、検索キーワードを意識して制作すると、検索結果として表示されやすくなります。

まとめ

HHH戦略では、ユーザーを引き付けるHero動画・Hub動画・Help動画を活用し、自社商品・サービスの購入に繋げることが提唱されています。このようなフレームワークを利用することで、動画活用に慣れていなくても効率的かつ効果的に企画・運用できます。

スピーディな運用を目指すのであれば、自社で動画作成を行うのがよいでしょう。近年では、素材とテキストを登録するだけで動画作成ができるツールも登場しています。専門知識がなくても作成できるため、動画活用を検討中の企業におすすめです。


 

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