SNSの国内利用者数が2020年末には8,000万人に迫ると予測されていることから、最も重要な広告出稿先として、SNS広告に強い関心を抱いている企業も多いと思います。
今回は、SNS広告の特徴や効果、また5大SNS広告についても詳しくご紹介します。SNS広告に取り組む前の予備知識としてぜひご活用ください。
参照:ICT総研「2018年度 SNS利用動向に関する調査」SNS広告とは
目次
SNS広告とは
SNS広告とは、FacebookやTwitter、Line、TikTokなどのSNSに投稿する広告のことです。ICT総研の「2018年度 SNS利用動向に関する調査」によると、国内のSNS利用者数は7,523万人。普及率は75%になっており、2020年末には7,937万人まで上がると予測されています。そのため、多くの企業にとってSNS広告は重要な広告プラットフォームになっています。
参照:ICT総研「2018年度 SNS利用動向に関する調査」SNS広告とは
Web広告との違い
SNSとWeb広告にはどのような違いがあるのでしょうか、見ていきましょう。
精度の高いターゲティングが可能
Web広告は不特定多数に向けて配信されますが、SNS広告は電子メールやDMのように、特定のユーザーに配信することができます。
もちろんWeb広告においても、Cookieやアカウント情報などにより、ユーザーの興味を引く広告を表示させることは可能です。しかしSNS広告では、職業や趣味、他のユーザーとのつながりなど更に詳しい情報が考慮できます。また、過去の閲覧履歴や、どの広告をクリックしたのかなどの行動履歴もあるため、Web広告に比べてより精度の高いターゲティングができます。
双方向コミュニケーション
SNS広告のもう一つの特徴が双方向性です。SNSにおいては広告を見たユーザーが発信者になることがあります。口コミや意見、あるいは話のネタという形で、短期間で多くのユーザーの元へと届きます。マーケティング担当者の予想を超えるヒット商品が生まれることも、あるかもしれません。
また、双方向性のメリットを生かし、集まったコメントから商品に対するニーズを読み取り商品の改善が可能です。更には、潜在的な顧客を発見できるともあります。
双方向性の高いSNS広告では、従来の広告手法やWeb広告よりも収集・分析が容易なのが特徴です。
SNS広告のメリット
では、SNS広告にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは運用前に知っておきたいSNS広告のメリットをご紹介します。
細かなターゲティングが可能
SNS広告の特徴として、企業が持っている利用者情報が豊富なことが挙げられます。この情報を活かし、細かいターゲティングができます。
例えば、Facebookでは年齢、性別、趣味、ライフイベントなどの情報があるため、特定の層に絞り込んで広告配信ができます。実店舗を運営している場合は、地域を指定して情報を配信することも可能です。
SNS媒体側で広告を最適化してくれる
SNSの運営会社の主な利益は広告収入です。クリックやコメント、シェアなどのユーザーの反応によりSNS運営側の収益が変化します。そのため、ユーザーが高い関心を持つ広告ほど多く配信してくれます。
ユーザーのニーズに応えるSNS広告を制作することで、自動的にプラットフォーム側からのアシストが受けられるため、相乗効果で売上が伸びる可能性があります。
拡散により幅広い層にリーチできる
SNS広告においては、広告主とユーザーといった縦の関係だけではなく、ユーザー同士の横のつながりが構築されるのも特徴的です。このネットワークにより、想像以上の波及効果を得られる場合があります。
例えば、100均ショップの商品などで、ファイルボックスをブーツ入れに代用したり、盛り塩用の三角錐を指輪置きにしたりと、本来と違う使い方をユーザーが発見し拡散することで、ヒット商品になる現象がしばしば見られます。
このように、直接的な効果がなくても、拡散によって自然発生的に認知度アップやブランディングができるケースがあります。
SNS広告の注意点
メリットが多数ある一方、SNS広告を活用する際に注意しておきたいポイントもあるのでご紹介します。
拡散を狙いすぎない
始めからSNS広告で拡散を狙い、話題になるようにと強いインパクトのあるキャッチコピーを前面に出しすぎてしまうと、重要な情報が伝わらなくなってしまう可能性があります。
また、施策の効果が予想しにくく、コントロールできる要素が少ない拡散は、過度に重視しないことが大切です。拡散ばかりを考えた広告活動を行うと、ロイヤルカスタマーやメインのターゲット層から外れてしまう可能性があります。
SNS媒体のマーケティングツールを使いこなすことが重要
細やかなターゲティングを設定できるのがSNS広告の特徴ですが、情報は活用しなければ意味がありません。各SNSでは、ターゲット設定に加えデータの集計や分析、広告効果や予算などのシミュレーションの機能があるので、これらを使いこなすことが重要です。
5大SNS広告の特徴と広告効果を高めるポイントとは
ここでは、LINE・Twitter・Facebook・Instagram・TikTokのSNS広告の特徴と、広告効果を高めるポイントをご紹介します。
日本の利用率トップ「LINE」
LINEは、日本における利用率トップのSNSです。リリース当初はユニークなスタンプなどで注目を浴びましたが、今やビジネス向けチャットツールとしても利用されています。幅広いターゲット層が多く存在する媒体であることが特徴です。
一般的な広告出稿のほか、チャットボットを活用した会話型広告や友だち追加広告(タイムラインに友だち追加を促す広告を出す)など新たな広告タイプもあります。LINEマンガやLINEチラシなど、サードパーティアプリへの配信が一元管理できるのも魅力的です。
参照:LINE|LINE広告
参照:総務省|ソーシャルメディアの利用状況
拡散力が魅力「Twitter」
拡散力が最も高いのがTwitterです。ユーザー層は20代が中心のため、これらの年齢層にリーチしたい場合のSNS広告に向いています。タイムラインに流れてくる声がリアルタイムで分かるため、ユーザーの反応や評価が把握しやすいのも特徴です。
広告の種類には、投稿を広告配信するプロモツイートや、イベント・キャンペーンを通知するプロモアカウント、プロモトレンドなどがあります。ただし、YouTubeにおける動画広告のように、単独でコンバージョンに直結するほどの訴求力はないことから、リンク先に誘導するような広告が主流です。
参照:Twitter|Twitter広告のビジネス活用
参照:Nielsen|Instagramアプリの利用者数は前年から43%増加し1700万人を突破~ニールセン SNSの最新利用状況を発表~
精度の高いターゲティングが可能「Facebook」
原則的に実名登録制のFacebookは、ユーザーの登録情報の信頼性が最も高いSNSです。データを有効活用することで、精度の高いターゲティングによるSNS広告ができます。ユーザーの趣味や関心、ライフイベント、勤務先などが把握できるため、ピンポイントの広告配信を行い、費用対効果の高いSNS広告を行うことが可能です。
参照:Facebook|Facebook for Business
動画広告が急伸「Instagram」
10~30代の女性がメインのSNSです。飲食やファッションなどに関するスタイリッシュなテイストが特徴です。かつては画像メインでしたが、動画での投稿が伸びてきており、SNS広告においても動画が増えています。Instagramに出稿する場合は、動画制作が必須といえるでしょう。
参照:Instagram|Instagram Business
参照:Nielsen|Instagramアプリの利用者数は前年から43%増加し1700万人を突破~ニールセン SNSの最新利用状況を発表~
ショートムービーのSNS「TikTok」
15~60秒ほどのショートムービーがメインコンテンツのSNSです。若いユーザー層から注目を集めており、広告タイプはアプリ起動時に表示される「起動画面広告」(3~5秒の静止画かGIF)、動画と動画の間に流れる「インフィード広告」(動画広告)、ユーザー参加型の「ハッシュタグチャレンジ」の3つがあります。
TikTokならではといえるのが、ハッシュタグチャレンジです。広告主がハッシュタグで「お題」を与えユーザーの動画制作を募ることで、相乗効果で広告効果を高めることができます。
Twitterなどとは異なり、戦略的な拡散的が狙いやすいのが特徴です。
まとめ
SNSの国内利用者の増加に伴い、さまざまなSNS媒体を利用した広告も増えてきています。SNSを活用して効率よく広告を出したい場合は、各SNS広告の特徴を把握した上で適切な媒体を選びましょう。目的を定め、商品のユーザーを想定し、細かいターゲティングを行っていくことが大切です。
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