応募者に会社の魅力をPRするにあたり、オフィス紹介動画を用いるのは効果的な方法の一つ。動画を視聴することにより、応募者は入社後の自分の姿をイメージしやすくなります。
実際にオフィスを訪問して見学することが難しい場合でも、動画なら手軽に体験できるのが強み。特にコロナ禍の昨今、人の出入りを伴わずにオフィスの様子を紹介できる動画は貴重なPR手段だと言えるでしょう。ここでは、オフィス紹介動画が注目を集める理由や活用シーン、実際の事例など、魅力あるオフィス動画を制作する際のポイントを詳しくご紹介します。
目次
オフィス紹介動画に注目が集まる理由
新卒採用にあたり、注目を集めているのがオフィス紹介動画。背景にあるのは、PR効果や応募者の不安解消、自社に適した人材に絞り込めることなどです。
ここでは、オフィス紹介動画に注目が集まる理由について詳しく見ていきましょう。
PR効果が大きく志望度を高められる
動画の登場以前は、応募者は採用広報用のパンフレットやホームページ上の情報を中心に、オフィスや社員が働く様子をイメージするのが一般的でした。しかし、動画の登場により、社員がオフィスで実際に働いている姿を閲覧できるようになったのです。
近年では、SNSを通じたコミュニケーションが発達してきており、企業の採用活動に関する情報をSNS上で収集する学生も増えてきました。動画はSNSとも相性がよく、拡散されやすいため、大きなPR効果が期待できるでしょう。
また、動画の活用により学生の志望度を高めることも可能です。大学4年生の男女300名に行ったアンケート結果によると、7割以上の学生が採用関連の動画を試聴してから「企業への志望度が上がった」と回答しています。
【引用】就活生の7割が採用動画視聴後に「志望度が高まった」と回答|career ticket
https://careerticket.jp/news/20220906/1/
応募者の不安を解消できる
新型コロナウイルス感染症が拡大した2020年以降、コミュニケーション方法は非接触・非対面へと変化。こうした背景もあり、学生が会社説明会やインターンシップ、OB・OG訪問などで直接企業のオフィスを訪れる機会が少なくなりました。少ない情報をもとに想像力で補うしかないため、「応募する前にどんな企業なのか判断できない」という不安が学生の間で広がったのです。
この点、オフィス紹介動画なら、働く社員のリアルな姿をオフィスに訪問せずとも視聴することが可能。そのため、応募者の情報量が少ないという不安を解消できます。例えば、休憩スペースやカフェテリア、社員食堂などの映像も提供すれば、充実した福利厚生をビジュアルで伝えられ、応募者にアピールできると共に企業に対する理解をも深められるでしょう。
より自社にマッチした人材を集められる
オフィス紹介動画では、ホームページに掲載されているような企業規模などの定量的な情報だけでなく、社員の雰囲気など定性的な情報も伝えることが可能。動画から社員の雰囲気や企業文化を感じられることにより、応募者は入社後に企業にマッチできそうか想像できます。
動画に出演した社員が自分と似たタイプであれば、応募者は「この会社は自分に合っているかもしれない」と感じるでしょう。動画を通して社員やオフィスの姿を配信し、そこに共感する人材の応募を促すことで、自社にマッチした人材を集めることにつなげられます。
オフィス紹介動画の形式
各企業が用意しているオフィス紹介動画の形式はさまざまですが、よく見られるのは以下の3種類です。
・オフィスツアー
・VR・360度動画
・現場特集(店舗・工場など)
オフィス紹介動画を用意する際にどの形式を選ぶか迷ったら、まずは代表的な形式を参考にするといいでしょう。
オフィスツアー
オフィスツアー形式の動画は、社員がオフィスの中を周りながら紹介する形式。エントランスからオフィス内部まで動画で紹介することにより、通勤時の様子も含め、入社した場合の動きなどをリアルにイメージしてもらうのに役立ちます。
オフィスに関してユニークな取り組みをしている会社であれば、ぜひオフィスツアーを活用してアピールしましょう。例えば、フリーアドレスを採用しているなら、オフィスツアーを通して実際の職場環境を紹介するとわかりやすくアピールできます。
VR・360度動画
VR・360度動画は、よりリアルにオフィスの中を歩く感覚がつかめるオフィス動画コンテンツです。
オフィス紹介にVR・360度動画が効果的な理由として、一つの部屋の様子だけでなく、部屋から部屋へ移動する際の感覚もつかめるという要素は見逃せません。実際に仕事をする際のイメージがよりリアルに把握できるでしょう。
このような特性があることから、例えば広いオフィスを持つ企業なら、VR・360度動画をその広さや使いやすさをアピールするためにも役立ちます。
現場特集(店舗・工場など)
オフィス紹介という言葉から一般的にイメージするのは、社員が事務を行う本社オフィスかもしれません。しかし、店舗や工場・製作所などの現場を動画にして紹介することも非常に効果的。例えば、接客をしている現場や、工場におけるモノづくりに汗を流す社員の姿に胸を打たれる学生も少なからずいるからです。
こうした現場を動画で紹介することは、オフィスの雰囲気だけでなく、実際に入社後携わる可能性のある仕事の様子をリアルにイメージしてもらうために役立つでしょう。
魅力的なオフィス紹介動画の共通点
オフィス紹介動画を導入している企業は、学生を惹きつける魅力的な動画を制作するために工夫を凝らしています。なかには奇想天外なアイディアが発揮されているケースもありますが、必ずしもオリジナリティがすべてではありません。ここでは、魅力的なオフィス紹介動画の共通点をご紹介します。
登場する社員が魅力的である
オフィス紹介動画では、映し出されるオフィスの風景だけでなく、動画に登場する社員の魅力が印象を大きく左右します。特に、紹介役を務める社員の役割は非常に重要です。
会社のカラーを反映した存在の社員や、想定する応募者の属性に近い社員を登場させることにより、自社のカラーにマッチする人材を惹きつけられる可能性が高まるでしょう。
例えば、新卒採用目的ならより世代が近い若手社員、あるいは「女性に優しい企業」をアピールしている企業であれば子育てと仕事を両立させている女性社員を登場させるといった具合です。魅力的な社員が登場することにより、「自分もあのように活躍したい」と考える応募者を集めることにつなげられます。
テキストでの説明を併用する
動画は伝えられる情報量が多く、オフィスの様子を伝えるという目的に適していますが、より伝わりやすいオフィス紹介動画にするためには、テキストベースの説明を併用すると効果的です。
動画はテキストベースの情報とも相性がいいため、どちらか一方のみを使うのではなく、文章で伝えたい箇所にテキストを使うなどして、双方をうまく組み合わせるのがおすすめです。効果的なテキストを入れられると、オフィス紹介動画の説得性がより増すでしょう。
また、動画内で応募者にぜひ読んでもらいたいテキストベースの資料を紹介するのもおすすめ。例えば、自社のホームページで紹介している情報の抜粋などです。
紹介動画の活用シーン
オフィス紹介動画は、オンライン会社説明会や採用サイトへの掲載など、さまざまな場面で用いられています。ここでは、オフィス紹介動画の活用シーンについて詳しく見ていきましょう。
オンライン会社説明会
頃中により感染症対策が意識されるようになった昨今、一般的なオフラインでの会社説明会に替えてオンライン会社説明会を開催し、採用動画を制作する企業が増えてきてます。
従来のオフラインでの会社説明会は自社に関する情報を説明するだけでなく、応募者が実際にオフィスを訪問し、雰囲気をつかむ役割も担っていました。
一方、オンラインでの会社説明会の場合、実際に応募者がオフィスを訪れるわけではありません。そこで、この会社訪問の部分を補完するために、オフィス紹介動画を有効に活用するわけです。
採用サイト
採用サイトにオフィス紹介動画を掲載して、会社の情報及び実際の職場の様子を視聴してもらうのも有効です。
就職ナビサイトではなく、企業が自社で運営する採用サイトの場合、掲載できる情報量やレイアウトを自由に設定することが可能。そのため、より魅力的な「見せ方」を実現できます。
採用サイトを訪れた応募者の興味を惹きつけ、関連コンテンツにも遷移してより自社について詳しく知ってもらうきっかけにできるでしょう。
SNS
企業の採用活動においては、SNSを活用するケースも増えつつあります。特に、動画媒体を掲載するために相性がいいのは「Instagram」や「YouTube」などです。
株式会社Hajimariの調査によると、多くの学生がInstagramやYouTubeで就職のための情報を収集していることが判明しています。
各社の成功事例なども参考にしてオフィス紹介動画を制作し、SNSへ投稿することで、学生に対してより自社を知ってもらう効果的なPR活動ができるでしょう。
オフィス紹介動画を成功させるためのポイント
より魅力的なオフィス紹介動画を作るために多くの予算をかける会社もありますが、予算が限られていてもオフィス紹介動画を成功させるためのポイントがあります。具体的に見ていきましょう。
作業スペース以外の魅力あるスポットも紹介する
社員が働く作業スペース以外にも、カフェテリアや食堂、休憩スペース、託児所、マッサージルームなど、社員がくつろいだり良好なワークライフバランスを促進したりするスポットが社内にあれば、積極的に動画に登場させましょう。
たしかに、作業スペースは一日のうち大半を過ごす場所ではありますが、それだけだと息がつまってしまうかもしれません。入社後、自分らしく働けるというイメージを持ってもらうためにも、こうした社内の魅力的なスポットを紹介することは大切です。
自社の施設以外にも、オフィス周辺で景色のいいスポットや、ランチに適したレストランや洒落たカフェを紹介すれば、入社後の楽しみを知ってもらうことができ、自社の魅力をよりアピールできます。
採用ターゲットに近い年齢層の社員を登場させる
オフィスツアーに採用ターゲットと年齢的に近い社員を登場させることで、応募者に親近感を抱いてもらうことが可能です。また、「自分と近い年齢なのに活躍している社員がいるんだ」と応募者が共感し、安心する効果も期待できます。
例えば、新卒採用のためのオフィス紹介動画の場合、より新卒就活生に近い若手社員を多く登場させるのが適しています。一方、中途採用を強化したい場合には、幅広い年代の社員を登場させて活躍している様子を紹介するといいでしょう。ある程度年齢を重ねた応募者も積極的に応募してくれる可能性が高まります。
画面をこまめに切り替える
動画制作上のテクニックの一つとして挙げられるのが、画面を一定の頻度で切り替えること。視聴者の注意を保ち続け、動画を最後まで見てもらうために役立ちます。
内容にこだわることはもちろん重要ですが、同じ内容でも固定したアングルだけで映し続けると単調で飽きられてしまいかねません。数秒おきなど、一定の頻度を決めてさまざまなアングルから撮影すると、ふとした表情を映すこともできますし、視聴者を飽きさせることなく新たな発見をしてもらえます。
画面の切り替えはテレビ番組やYouTube上の動画など、あらゆる媒体で活用されていますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
実際の目線で撮影する
応募者を惹きつけるオフィス紹介動画の一例として挙げられるのが、エントランスから入り、執務室のドアを開ける様子を映し出して、実際に出社しているかのような体験ができる内容の動画です。
まるで視聴者自身が実際にオフィスの中を歩いているような目線で撮影することにより、臨場感を演出できますし、よりリアルさを伝えるという動画の効果を最大限に引き出せるでしょう。
オフィス紹介動画の事例
ユニークな取り組みを行ったり、一般的なやり方とは異なる方向性でアピールしたりすることで、オフィス紹介動画を用いたPRに成功している企業も少なくありません。ここでは、オフィス紹介動画の事例について見ていきましょう。
明治安田生命保険相互会社
日本を代表する生命保険会社の一つである「明治安田生命保険相互会社」のオフィス紹介動画は、RPGゲームのように「本社組織を見る」「営業組織を見る」などと選択肢を選べるユニークな形式です。
また、動画には実際の人事担当者が登場し、オフィスの玄関から案内を開始する設定から始まります。視聴者が主体的に参加していくような感覚で見られる、興味深いオフィス紹介動画の事例です。
キャディ株式会社
製造業界の受発注に革命を起こすプラットフォーム「CADDi」を手がける「キャディ株式会社」は、「町工場を巡る」ために東京の下町に位置する問屋街の一つ、東京都台東区蔵前に本社を構えています。
きらびやかなイメージを演出するオフィス紹介動画が多い中、同社は下町ならではの空気感を醸し出す動画を制作。地道に取引先の町工場を回るキャディ社員の姿は、視聴者の胸を打つと評判です。
華やかなイメージを演出するのとは対照的に、まっすぐに仕事に打ち込む姿を映し出すことで共感を集めているオフィス紹介動画の事例です。
LINE Fukuoka株式会社
「LINE Fukuoka株式会社」のオフィス紹介動画は、案内役の女性社員がオフィスツアーのような形でオフィスを歩き回り、一社員としての感想を織り交ぜつつ紹介するスタイル。例えば、「仕事の合間にカフェテリアへご褒美を買いにきています」、「この休憩スペースは私のイチオシスポットです」といったように、社員ならではのリアルな感想を述べています。
また、動画ではワークスペース以外にもカフェテリアやマッサージルームなど福利厚生関連のスペースを重点的に紹介。自然な形で働きやすい職場をアピールし、入社後のイメージを膨らませてもらえるように工夫されています。
応募者がオフィスで過ごす様子をイメージできる好例だと言えるでしょう。
まとめ
オフィス紹介は、応募者が企業の雰囲気をつかみ、自分とマッチするか判断するための貴重な材料です。動画プラットフォームの発達や感染症対策強化に伴うオンライン説明会の普及などに伴い、オフィス紹介用動画を活用する会社も増えてきました。
応募者に自社のオフィスをアピールするためには、ポイントを押さえて魅力的なオフィス紹介動画を制作することがいまや不可欠だと言えるでしょう。ご紹介した事例なども参考にしていただき、自社の目的に合わせたオフィス紹介動画を制作してみてはいかがでしょうか。
メタディスクリプション
オフィスで社員が働いている様子を間接的に見られるオフィス紹介用動画は、応募者が実際に働いている感覚をつかむきっかけとなります。オフィスを紹介する動画は、応募者が選考に応募する意欲を高める効果を期待できるでしょう。
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