インターネットを活用した採用活動が普及する中、会社説明会に動画を導入する企業が増えています。「採用活動に動画を導入してみたいけれど、やり方がわからない」「より多くの応募者を集められる動画の活用法を知りたい」と、お考えの採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、会社説明会に動画を導入するメリットや、制作時のポイントを解説します。動画の活用法や導入時の注意点をおさえ、採用活動に活かしていきましょう。
目次
企業が会社説明会に動画を活用する理由
新型コロナウイルスによる影響により、多くの学生を会場に集める会社説明会の開催が難しくなった2020年以降、オンラインで説明会を実施する企業が増えています。それに伴い、説明会の動画配信が広く普及しています。
Web上でいつでも手軽に会社を紹介できる会社説明の動画は、採用サイトや自社ホームページをはじめ、SNSやYouTubeで拡散したり、オンライン会社説明会で利用したりと、さまざまなシーンで重宝されています。インターネットやSNSを利用した採用活動が当たり前となった今、動画の活用は必要不可欠と言えるでしょう。
会社説明会では、事業概要をはじめ、自社の紹介を行っていきます。その中で、事業内容や職場の雰囲気をよりわかりやすく伝えられるのが動画です。動画の活用方法は、主に以下の2点です。
・会社説明会の中で、職場紹介や社員インタビューなどの動画を流す
・会社説明会動画を作成し、オンラインで配信する
会社説明会の動画活用例
会社説明会の動画活用例として、主に以下の2つが挙げられます。自社の採用戦略に合わせて選択しましょう。
説明会中に動画を流す
まずは、従来から活用されている一般的な方法として、説明会の中であらかじめ準備していた動画を流す方法をご紹介します。
動画を挟むことで、パワーポイントの説明だけが続くよりも参加者を飽きさせない説明会となり、学生の興味を引きやすくなるでしょう。動画にまとめるコンテンツの要素として、以下の内容が挙げられます。
・会社概要
事業内容や沿革、売上高や従業員数といった企業の公開情報は、動画にまとめることでわかりやすくかつ短時間で紹介できる。
・代表メッセージ
社長や経営陣が自社の理念やビジョンについて語るメッセージは、動画にすると表情や口調などで人柄や熱量をダイレクトに伝えられる。
・自社商品・サービス紹介
自社で扱っている商品・サービスをビジュアルでわかりやすく紹介する。開発秘話や困難を乗り越えたエピソードを紹介すれば、より学生の興味や共感を生みやすくなる。
・社員インタビュー・座談会
実際に働いている社員の生の声で、仕事のやりがいや職場環境を紹介する。働く人の雰囲気や入社後のキャリアをイメージしやすくなり、学生の応募意欲を高められる。
・業務紹介
業務紹介では、一人の社員に密着し1日の流れを紹介するコンテンツも効果的。学生が自分の働く姿をリアルにイメージできるため、入社後のミスマッチを防ぎやすい。
オンラインで会社説明会を開催する
次に、会社説明会自体をオンラインで開催する方法について、見ていきましょう。最近導入している企業も多いオンライン会社説明会には、以下のような配信方法があります。
・ライブ配信
時間を設定して参加者を募り、インターネット上で会社説明会をリアルタイムに開催する配信方法。対面式の会社説明会と同様に、用意した動画をオンラインで共有しながら解説し、質疑応答など学生とコミュニケーションを取りながら進められる。
・オンデマンド配信
会社説明会として完結している1本の動画を、時間を指定せずに配信する方法で、学生はいつでも好きな時間に動画を視聴できる。1度収録しておけば何度も配信可能で、会社の全体像を伝える動画を常時公開することで自社の認知を高められる。
会社説明会に動画を導入するメリット
動画コンテンツは時代のニーズにマッチしており、会社説明会に導入することで効果的・効率的な採用活動につなげることが可能。このようなメリットがあります。
開催時間・場所の制約がない
職場の雰囲気をよりリアルに伝えられる
SNS・YouTubeなどの媒体との相性が良い
これらについて、以下で詳しく説明します。
開催時間・場所の制約がない
対面式で会社説明会を開催する場合、参加者は指定された時間に会場まで足を運ぶ必要があります。そのため遠方の学生は、移動にかかる時間や費用を考慮して、参加を断念するケースも少なくありませんでした。
一方、オンライン会社説明会なら自宅からでも参加できるため、時間や場所の制約がなくなり、より多くの学生が参加できます。応募者の層が広がるため、自社のニーズに合った人材を採用できる可能性が高まるでしょう。
時間や場所の制約がないオンライン会社説明会は、コスト削減にもつながります。会場の手配や設営、受付や案内業務、担当者の移動などが不要となるため、お手軽かつ低コストで開催することが可能。
さらに、一度収録した動画を何度も配信できるオンデマンド配信を活用すれば、稼働を減らしながら効率良く採用活動を進められるでしょう。
職場の雰囲気をよりリアルに伝えられる
会社説明会に動画を盛り込むと、文字や画像、口頭説明だけではイメージしづらい職場の雰囲気をわかりやすく伝えられます。
例えば、社員の1日に密着した業務紹介の動画を見れば、視覚的・聴覚的に多くの情報から業務の流れやオフィスの環境などを捉えられるため、学生はそこで働く自分の姿をイメージしやすくなるでしょう。
働くイメージを描きやすくなれば、応募への意欲が高まったり、入社後にミスマッチを起こしにくくなったりする効果を期待できます。
SNS・YouTubeなどの媒体との相性が良い
会社説明会で使用した動画を、SNSやYouTubeで活用する方法もおすすめです。
最近はSNSやYouTubeを使って情報収集をしている学生が多く、これらの媒体を積極的に活用することで潜在応募者に自社の情報を届けやすくなります。
動画コンテンツはSNS・YouTubeなどの媒体と相性が良いうえに、高い拡散性が期待できるため、採用活動にうまく組み込めば自社のブランディングやアピールがしやすくなり、求める人物像にマッチした学生からの応募を集めやすくなるでしょう。
動画を制作する際のポイント
会社説明会動画を制作する際は、「自社の求める人材の応募を集める」という目的から逸れないよう心がけてください。予算によっては外注を検討するのも一つの方法です。以下に挙げたポイントを意識すると良いでしょう。
若手社員を参画させる
動画は比較的若い世代に親和性の高いコンテンツ。若手社員は一消費者としても動画に慣れ親しんでおり、なかには動画制作などのスキルをもっている人材も見られます。動画を制作する際は若手社員を参画させると、より視聴者のニーズにあった動画をスムーズに制作できるでしょう。
若手社員を制作メンバーの一員に加えることで、チーム全体に若い世代の感覚を取り入れられ、動画という新しい媒体をより効果的に運用できます。
学生の目線に沿ったテーマとする
会社説明会動画を制作する際は、学生の目線に沿ったテーマを設定することが大切です。
制作する側は、つい自社の魅力やアピールしたいことを中心に構成したくなりますが、それでは独りよがりになってしまう可能性があり、視聴する学生側のニーズを満たせない動画になりかねません。動画の内容を考える際は学生の立場に寄り添い、彼らが知りたい情報が網羅されているか意識してください。
例えば学生はよりリアルな情報を求めているため、仕事のやりがいや職場環境の良さといったポジティブな部分だけでなく、仕事での失敗や試行錯誤している様子などを取り上げることも大切です。
SNSを利用して学生とコミュニケーションを取り、どのようなことを知りたいか意見を募るのも効果的でしょう。
外注も検討する
魅力的な動画を制作して採用効果を高めるためには、動画のクオリティが非常に重要。自社の社員だけでの制作にこだわらず、外部の動画制作のプロに協力してもらうことも検討するのも一つの方法です。
動画制作を外注すると、作品のクオリティが保証されます。また、効果的な企画や構成についてのアドバイスがもらえる点も、メリットと言えるでしょう。一方、企画・構成からすべて依頼すると百万円単位の費用がかかることもあり、コストがかさむ点がデメリットになり得ます。
動画制作は部分的に外注することも可能なため、企業イメージやブランディングに関わる、クオリティを担保したい部分だけをプロに依頼するという選択肢もあります。コストを抑えたい場合は、比較的簡単に制作できる社員インタビューや職場紹介を、動画制作ツールを用いて内製化するといった工夫をするといいでしょう。
動画制作の流れ
動画制作において、撮影は一発勝負となることが多いため、以下の事前準備を入念に行うことが大切です。
テーマ設定
最初に動画のテーマを設定します。会社説明会動画では、自社で採用したい応募者の人物像にあったテーマを設定することが重要。まずは、どのような人材を採用したいのか自社の求める人物像を明確にしてください。
定めた人物像をターゲットに、動画内で伝える内容を決めていきます。採用動画の目的は主に、認知拡大・興味喚起・理解促進・応募促進の4つ。目的があいまいだとメッセージが伝わりづらくなってしまうため、1つの動画につき1つの目的を明確に設定し、軸がブレないよう注意しなければなりません。
担当者の選定
動画のテーマを設定したら、制作担当者を選定してください。
全体の方針を決定する統括者と、動画の作り方に知見のある担当者でチームを編成することが大切です。動画制作のすべてを外部に依頼する場合であっても、打ち合わせには専門用語や動画の知識が必要となるケースが多いため、ある程度スキルのある担当者がいると望ましいでしょう。
出演する社員・ゲストの決定
次に、動画のターゲットや方向性に合わせて、出演する社員を選定します。
よりイメージが重視される場合や、ドラマ形式で自然な演技力が求められる場合などは、社内の人材だけでなく外部のキャストを登用するケースも少なくありません。シーンごとに何人出演するかといった点も具体的に決めておきましょう。
台本作成
続いて、動画用の台本を作成します。
外部の動画制作会社に依頼する場合は、テキスト台本にイラストを加えてよりわかりやすい形にした指示書である「絵コンテ」を使用します。絵コンテは動画のクオリティを左右する重要な存在であり、制作担当者同士の役割や制作の流れを把握しやすくする効果も期待できるでしょう。
台本が完成したら出演する社員や外部キャストにも共有しておき、共通のゴールイメージをもってスムーズに撮影を進められるよう準備してください。
撮影・編集
台本が完成したら、実際に動画を撮影し、編集します。
内容を魅力的に伝えるためには、撮影場所や構図をしっかり検討することも重要。撮影場所の選定や下見、カメラアングルの確認などを行うための「ロケハン」を実施します。
ロケハンでは、撮影に必要な許可申請や適した機材なども併せて検討します。会社説明会動画の仕上がりに大きく影響するため、動画制作を外注する場合もロケハンには必ず同行し、設定したテーマに沿っているか確認してください。
自社の敷地内以外で撮影する場合は、撮影許可が必要となります。許可がおりるまでに時間がかかるケースもあるため、余裕をもって申請しておくと安心です。
動画の撮影は、基本的にやり直しが利かないと思っておいたほうがいいでしょう。台本やロケハンで入念な準備をし、制作に関わるすべての人に共有しておくことが大切です。
撮影が完了したら、テロップやBGMの挿入などを行い、伝わりやすいように編集してください。
まとめ
会社説明会に動画を導入すると、動画ならではの特性を活かして自社をより魅力的にPRできるため、自社のニーズにマッチした人材の採用につなげることが可能です。
動画を制作する際は、視聴者目線と制作の目的を常に意識することが大切。SNSやYouTubeもうまく活用しながら、ぜひ採用活動に動画を導入してみてはいかがでしょうか。
メタディスクリプション
会社説明会に動画を活用すると、自社をより魅力的にPRできるため、求める人物像にマッチした人材からの応募を集めやすくなります。この記事では、会社説明会に動画を導入するメリットや制作時のポイントについて解説しています。
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