採用担当者ならば、「就活生の印象に残る採用のキャッチコピーを作りたい」と思うものでしょう。採用活動で用いるキャッチコピーは、より多くの応募者を集めるのに役立ちます。しかし、いざ採用キャッチコピーを考えようとしても、「どうやって作ったら良いのだろう」と悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、新卒採用を行う際に使えるキャッチコピーの作り方やコツを解説します。
目次
採用キャッチコピーとは
採用キャッチコピーは、採用ページや求職サイトなどに掲載する目的で作成します。就活生に向けて「どのような企業なのか」「どのような人材を募集しているのか」といった情報を端的に伝えることができます。自社を知ってもらうために、重要な役割があります。
また、採用キャッチコピーは、毎年新たに作成する場合があります。その年の採用方針や募集する内容が変わる可能性もあるためです。採用したい人材像や募集要項をまとめる際に、これまで使っていたキャッチコピーとマッチしているのかを見直しましょう。
採用キャッチコピーが必要なワケ
採用活動を行う際、必ずしもキャッチコピーが必要なわけではありません。特にキャッチコピーを作らずに、採用サイトや求人広告で募集を行うケースもあるでしょう。しかし、採用を成功させたいならば、キャッチコピーを用いるとより効果的です。
ここからは、採用キャッチコピーを作るメリットを解説していきます。
興味を持ってもらいやすい
採用キャッチコピーがあることで、就活生に興味を持ってもらいやすくなります。就活の時期になると、就活生は多くの企業について調べます。さまざまな企業がある中で、企業の情報がどんどん埋もれていってしまいがちです。気になるコピーがあると、「どんな企業なのだろうか」と興味を持ってもらいやすくなります。
つまり、自社の情報に目を向けてもらう上で採用キャッチコピーが有効です。
自社のブランディングにつながる
採用キャッチコピーは、自社のブランディングにも利用できます。ブランディングとは、自社の独自性や魅力を顧客に認知してもらうことです。たとえば、採用キャッチコピーを通じて自社サービスの魅力や特徴が伝われば、ブランディングにつながります。
採用キャッチコピーを活用すれば、求職者だけでなく、顧客や消費者にも自社の強みを認知してもらえる効果があります。
ミスマッチを防げる
現在の採用市場では、スキルマッチだけでなくカルチャーマッチも重要視されています。求職者は、企業文化や雰囲気を重視して会社を選び、自分のスキルを良い環境の中で活かしていけそうかどうか見極めているのです。
採用キャッチコピーで会社の魅力を伝えることで、求職者のイメージとのミスマッチを防ぐことができます。新入社員の早期退職は、多くの企業にとって悩みのタネではないでしょうか。
採用前からキャッチコピーを活用し、自社の特徴をアピールしておくことで、自社にピッタリな人材を確保が促進できます。
採用キャッチコピーを作る方法
採用キャッチコピーを作成する方法は、「内製」と「外注」の2択があります。どちらの方法にもメリット・デメリットがあります。自社の状況と照らし合わせて、最適な方を選びましょう。
社内のメンバーで作成する
現在働く社員は、自社に対して何らかの魅力を感じたからこそ入社したはずです。言い換えれば、自社のアピールポイントを把握している存在でしょう。
社内のメンバーで自らコピーを作ることによって、自社の魅力を盛り込んだキャッチコピーを作れるでしょう。また、外注して作成する場合に比べて、費用を抑えられるのもうれしいポイントです。一方、キャッチコピーの作成に慣れず時間や労力がかかってしまうほか、クオリティの面で不安が残る場合もあります。
外部のコピーライターに依頼をする
社内で行うのではなく、プロのコピーライターに依頼する方法もあります。コピーライターは、人がどのような言葉に惹きつけられるのかを熟知した、言葉のプロフェッショナルです。コピーライターに依頼すれば、高クオリティなキャッチコピーが期待できます。
しかし、発注に際して費用がかかりますので、予算にあわないこともあります。また、社外への依頼になりますので自社の魅力をうまく伝えることができなければ魅力が伝わりにくいキャッチコピーになってしまう可能性もあります。
採用キャッチコピーを作る手順
採用キャッチコピーの作り方を詳しく見ていきましょう。ここで解説する手順を守れば、専門知識がない人でも効果的なコピーを作成できます。採用キャッチコピーの大まかな作成手順は以下の通りです。
1.採用ターゲットを明確にする
最初に、採用ターゲットを明確にしていきます。自社の求めている人物像を、言葉で表現してみましょう。ターゲットを言語化することで、キャッチコピーに入れ込みたい言葉が浮かびあがるはずです。
また、ターゲットの明確化と同時に、自社に対する理解を深めておくことも重要です。会社にフィットする人材を探すために、自社の魅力や強みを知っておきましょう。
2.自社の特徴や事業内容を整理する
キャッチコピーを考える前に、自社の特徴をまとめておくと便利です。基本的な事業概要だけでなく、社外から見て魅力的にうつるようなポイントを整理しておきましょう。
また、働き方や他社と違うポイントあれば、あわせてピックアップしておくことをおすすめします。社員にヒアリングしてみて、 実際に働いている視点から魅力的に感じるポイントを洗い出すのも有効です。
3.他社のキャッチコピーをチェックする
事前に、競合他社のキャッチコピーもリサーチしておきましょう。毎年キャッチコピーを作っているようなら、過去の分も含めてチェックしておくと安心です。どのようなポイントを打ち出しているのか参考になるだけでなく、似たような訴求になることを避ける意味でも重要です。
また、競合だけでなく、さまざまな企業の採用キャッチコピーを知っておくのも重要です。通常、どのような視点から書かれているコピーなのかを知ることができます。自身が興味を持ったコピーや印象的だったフレーズなどもメモしておくと良いでしょう。
多くの事例に目を通すことで、“良いキャッチコピー”が感覚的につかめるようになります。
外部にキャッチコピーを依頼する場合でも、情報をかためておくこととインプットは必ず行うようにしましょう。きちんと要件を整理しておくことで、双方のイメージをすり合わせることができるからです。
4.コピーを作成する
事前情報をかためてインプットを行ったら、いよいよキャッチコピーを考えていきます。
コピーの作り方は自由ですが、採用したいターゲットや自社の事業内容にまつわるワードを書き出してみることをおすすめします。たとえば、「挑戦」「革新的」「ものづくり」など、どんどん書き出してみることでコピーに入れたいフレーズが見えてきます。
キャッチコピーは「いかに簡潔に、わかりやすく伝えられるかどうか」が大切です。わかりやすく伝えるために、言葉を言い換えたり、造語を作ってみたりと、クリエイティブな力が求められます。
また社内で作成する場合、人事担当だけでなく、社員から募集するのも一つの手です。さまざまな角度からアイデアを募ることで、素晴らしいキャッチコピーが生まれるかもしれません。
5.キービジュアルを作成する
採用のキャッチコピーが決まったら、ロゴやデザインを組み合わせて、キービジュアルを作成できるとベターです。
キービジュアルとは、Webサイトやパンフレットなどで大きく打ち出されるメインビジュアルのこと。キャッチコピーで伝えたい内容を視覚的にわかりやすくする役割を担っています。自社の採用サイトやパンフレットなどを新たに作る場合には必要となってきます。
採用のキャッチコピーを作成するコツ
いざ採用のキャッチコピーを作ろうと思っても、なかなか思いつかなかったり、しっくりくるものが出てこなかったりすることも少なくありません。作成する際には、以下のポイントを意識してみましょう。
できるだけ短くする
長くて情報量の多い文章は人の記憶に残りにくいため、なるべく短く、簡潔なキャッチコピーにしましょう。どうしても長くなってしまう場合はキャッチコピーとしてではなく、求人の募集要項などに使用するのもひとつの手です。「一目見ただけで印象に残る」というキャッチコピーの強みを意識して、簡潔さを重視して考えてみましょう。
【実際の採用キャッチコピー例】
・ほかにはないアンサーを。/オリックス
・超成長/ネオキャリア
ネオキャリアの場合、文章ではなく、キーワードをコピーに持ってきている良い例です。
一番アピールしたいことを決めておく
就活生に伝えたいポイントはたくさんあるものです。しかし、全てをコピーに詰め込んでしまうと、冗長になってしまったり、伝わりにくくなったります。
【実際の採用キャッチコピー例】
世界中で「うまい!」を創ろう!/アサヒビール
例えば、アサヒビールでは、自社商品に共通するミッションを打ち出しています。ビールだけでなくソフトドリンクや食品なども扱っていますが、それら全てに共通するコンセプトを抜き出してコピーに落とし込んでいます。
アサヒビールの例のように、コピーで表現するものは、すべてのサービスに一貫する要素にしましょう。会社の一部分だけを切り取って表現してしまうと、求職者の認識とミスマッチが生じる恐れがあります。
会社で働くメリットを盛り込む
「この会社で働くことに、どんな魅力があるのか」「この会社での仕事にやりがいはあるのか」多くの求職者は、上記のような不安を抱えているものです。そこで、キャッチコピーによってこれらの不安を取り除くことで、求職者の応募意欲を向上できます。
「未経験歓迎」「フルフレックスタイム制」のような直接的なメリットもいいですが、雇用形態をそのまま書くだけだと平凡なコピーになってしまいがちです。
そこで、メリットを直接的に提示せず、あえて遠回しに伝えてみましょう。その方が、求職者の想像力を煽り、労働意欲を高められます。たとえば、上記のフレーズを以下のように変えてみるのはいかがでしょうか。
数字を盛り込む
採用キャッチコピーに数字を盛り込めないか検討してみましょう。数字を入れるだけで、文章がより具体的になり、説得力が生まれます。たとえば、実際に以下のような採用コピーが使われています。
・70億のココロふるわすビジネスをしよう。/KADOKAWA
・3歩先をつくろう/ドリコム
表記を工夫する
キャッチコピーは、表記もこだわることをおすすめします。たとえば同じ文言でも、ひらがなやカタカナ、ローマ字といった表記によって、与える印象は異なります。例として、以下の採用キャッチコピーが挙げられます。
・We create “WOW” for the world!/LINE
・オッサンも変わる。ニッポンも変わる。/森下仁丹
全体のコピーを見ながら、どのように表記する方が伝わりやすいのか工夫してみましょう。
まとめ
採用情報を公開した際、まずは就活生の目を引きつけなければなりません。自社に興味を持ってもらうためにも、採用キャッチコピーは重要です。ポイントをおさえて、ぜひ自社のキャッチコピーを作ってみましょう。
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