採用サイトなどにキャッチコピーを用いることで、就活生の目を引きつけられる効果があります。
新卒採用の売り手市場が続く中、企業側はいかに学生を集められるかがカギとなっています。そこで重要な役割を担うのが、採用キャッチコピーです。しかし、どのような内容にすれば良いのか悩んでいる担当者もいるのではないでしょうか。
本記事では、さまざまな企業の採用キャッチコピーを紹介します。記事を通して、学生の心に残る採用キャッチコピーの特徴がつかめます。
目次
採用キャッチコピー15選
企業ごとの特徴が出ているキャッチコピーを20個紹介します。各企業のコピーを見比べながら、どのようなポイントを打ち出しているのかおさえるようにしましょう。
三井住友銀行
【いい子になるな、いい個になれ。】
「銀行」というと、真面目で実直な人材が求められると思われるかもしれません。三井住友銀行では、そんな一般的なイメージから脱却し、個の力を発揮してくれる人材を求めていることが伝わるキャッチコピーです。
ボディコピーにも「SMBCは、いい子よりも、いい個が好きだ。」とあるように、新しい挑戦に取り組める人材を募集していることを強く打ち出しています。
従来のイメージとギャップがあることから印象に残りやすく、入社してほしい人物像を明確に伝えている例だといえます。
参考:三井住友銀行 Recruiting/https://www.smbc-freshers.com/
丸紅
【とがった丸になれ、丸紅。】
社名にある「丸」と「とがった」というワードが対比を生み出しているのが特徴です。異なる意味をもつ言葉を組み合わせ、就活生の印象に残りやすくする狙いがうかがえます。「とがった丸など存在しない」という常識にとらわれない、エッジの効いた人材を求めていることが伝わってきます。
参考:丸紅株式会社 RECRUTING/https://www.marubeni-recruit.com/
講談社
【さあ、ものがたりをはじめよう。】
「想い、思索、記憶、嗜好などを軸に、人はそれぞれ内なる「ものがたり」を持っています。」という書き出しから始まるボディコピーも印象的です。出版社として数多くの“ものがたり”を世に送り出している講談社では、一人ひとりにもストーリーがあることを伝えています。
自身の好きなものや体験、人、考え……あらゆるものをコンテンツにして届けてみたくなるような、入社後の夢が膨らむようなポジティブな読後感です。
参考:講談社 RECRUTING/https://recruit.kodansha.co.jp/2021/
本田技研工業
【どうなるかじゃない、どうするかだ。】
「Honda」で知られる輸送機器メーカーの本田技研工業は、時代とともに挑戦し続けている企業の一つといえるかもしれません。
技術が発達し、自動化が進む中で「どのような未来になるのだろう」と思う人は少なくないでしょう。しかしながら、受け身ではなく「自らがどうするか」が大事だと強く訴えるキャッチコピーを掲げていることから、積極的に物事を推し進める人材が求められていることがうかがえます。
参考:Honda RECRUTING Site/http://www.honda-recruit.jp/
桂新堂
【スタート えび家族】
「家族」という言葉を用いることにより、社内の温かい雰囲気やチームワークを感じらせられます。商品のえびせんべいに絡めて、「えび家族」と表現しているのもウィットに富んでおり、エビの被り物を頭につけた社員の写真がユーモラスです。キャッチコピーだけでなく、採用サイト全体にエビを散りばめることで全体の統一感やブランドイメージを打ち出しています。
参考:桂新堂 RECRUTING/https://keishindo-recruit.jp/
松竹
【あなたの仕事は文化になる。】
歌舞伎や演劇を手がける松竹の場合、自らが伝統文化を継承しているという誇りを感じさせるようなキャッチコピーです。伝統ある芸能に携わることの充足感を表現しており、未来の文化を作る仕事であることを訴えています。
参考:SHOCHIKU RECRUTING/https://www.shochiku.co.jp/company/recruit/newgrad/
住友金属鉱山
【MINING THE DREAM
無限の可能性を、この世界に示せ。】
資源発掘を行う企業だけに「この星には、数多の「可能性」が眠っている。」というボディコピーとともに、事業と親和性のあるキャッチコピーとなっています。自社の事業とうまく組み合わせることで、「どの企業のコピーなのか」というのが記憶に残りやすくなる効果があります。
参考:住友金属鉱山 RECRUTMENT SITE/https://www.smm.co.jp/r_info/saiyo/
三越伊勢丹
【人と時代を、繋ぐ人。】
老舗店から新しいトレンドショップまで、百貨店にはさまざまな分野の専門店が集結しています。三越や伊勢丹の歴史は深く、昔から多くの人が行き交う場所でもありました。
そんな場所だからこそ、幅広い仕事のフィールドがあることが三越伊勢丹で働く面白さの一つ。伝統のある場所で、人とのコミュニケーションを楽しみたい人にとって刺さるキャッチコピーだといえます。
参考:三越伊勢丹 RECRUT/https://www.imhds.co.jp/recruit/contents/index.html
タカラスタンダード
【1つの素材、100年の挑戦。】
タカラスタンダードは、キッチンやバスルームの製造や施工を取り扱う大手住宅設備機器メーカー。創業以来、「ホーロー」という素材の研究に注力してきたことも特徴の一つです。100年ほど前、先進国の技術をもとにホーローの生産に成功し、現在でも自社製品に使われ続けています。
1つの素材に対し、長年改良と挑戦をし続けている同社の姿勢を採用のキャッチコピーにも入れ込んでいる例です。その徹底したこだわりが就活生にも伝わるはず。
参考:タカラスタンダード 新卒採用サイト/https://www.takara-standard.co.jp/recruit/
ロッテ
【ロッテノベーションで未来を創ろう。】
社名と革新を意味する「イノベーション」を組み合わせた「ロッテノベーション」というワードを使い、新たなアイデアや価値を作り出す人材を求めていることをうたっています。
時代とともに、求められる商品も変わってきます。また、メーカーとして日々研究を重ねてる同社だからこそ、イノベーションを起こし続けなければなりません。造語を用いて親しみやすいキャッチコピーでありながら、ロッテに必要な要素を詰め込んだものとなっています。
参考:LOTTE RECRUTING/https://www.lotte.co.jp/recruit/
任天堂
【娯楽の世界で、これからも変わらず、変わり続ける。】
日本が誇るおもちゃ会社として、第一線で世界に向けてエンターテインメントを発信し続けている任天堂のコピーです。長い歴史の中でも変わらずに守り続けてきた信念と、これからも先に進み続けるという決意を感じさせる内容となっています。新しい娯楽を生み出し続けている任天堂の在り方が伝わります。
参考:任天堂 採用情報/https://www.nintendo.co.jp/jobs/recruit/index.html
キタムラ
【思い出のとなりで、人生にエールを。】
写真用品店のカメラのキタムラや写真館スタジオマリオを運営するキタムラは、写真にちなんだコピーを設定しています。写真という形で思い出を残し、人生を豊かにしたいという感じられる温かみのある思いが感じられます。
参考:キタムラ 採用情報/https://www.kitamura.co.jp/recruit/
ヤマト運輸
【「変わる」が創る「未来のスタンダード」】
ヤマト運輸といえば、宅急便として知られている企業です。しかし、あえて「そんなイメージを超えていく」という思いをもとに作られています。
現在、最先端テクノロジーを導入した運送実験をはじめ、地域活性ビジネスや企業物流コンサルティングなど、物流に関する事業を積極的に推し進める同社。そのため、従来のイメージから脱却し、新しい未来のスタンダードを作っていくことを伝えています。
「あなたの新たなパワーとチャレンジ精神が、ヤマト運輸を変え、そして社会の変革を一気に推し進める」として、新しいことにチャレンジしたい人材に届くような狙いがこめられています。
参考:ヤマト運輸株式会社|採用ページ/https://yamato-transport-recruit.com/
サッポロビール
【誰かの、いちばん星であれ】
市場にあわせて変化が求められる中で、自社のサービスを通じて人の心を動かすにはどうすれば良いのかを問いかけています。「いいお酒を造るだけではなく、“ひとりひとりの心を動かす物語”を紡いでいく必要がある」として、サッポロビールでおなじみの星マークを想起させたコピーです。
参考:サッポロビール株式会社|採用ページ/https://www.sapporobeer.jp/recruit/
伊藤忠商事
【アオい情熱を待っている】
時代を作るのは知識や経験ではなく情熱である、という考えを表しています。情熱といえば、赤という一般的なイメージとは異なり、「アオい」と表現することでより印象に残りやすくなっています。また、伊藤忠商事の企業カラーが青である点もポイントでしょう。
参考:伊藤忠商事株式会社|採用ページ/https://career.itochu.co.jp/student/#Top
採用キャッチコピーの作り方
「キャッチコピー」というと、ダジャレをイメージする方も多いかもしれません。しかし、コピーを考える上で大事なことは、いかに伝えたいメッセージを届けられるかどうかです。ご紹介した企業の例を見ても、自社の特色や採用したい人材、伝えたい思いなどが端的に表現されています。
他社の例を参考にしながら、自社のコピーを考えてみましょう。ここからは、採用キャッチコピーの作成手順を解説します。
1.ターゲットを設定する
まずはどのような人を採用したいのか、ターゲットを決めていきます。募集する人数や部署をふまえ、どのような人材を求めているのか整理していきます。現在、自社で活躍している社員の特徴などを挙げてみるのも一つです。
採用計画を作成する際に、ターゲットをかためている企業も多いものです。その場合、採用計画とズレることがないよう、キャッチコピーを作るときには注意しましょう。
2.コンセプトを決める
続いて採用活動の基本方針となる採用コンセプトを設定します。自社の強みや特徴をリストアップして、何を売りにするのか検討しましょう。自社で働くことにどのようなメリットがあるのか提示するために、3C分析を行うのも効果的です。
この段階ではきれいな文章を作成する必要はありません。アピールの切り口となる要素を抽出して、ターゲットに振り向いてもらえる情報を端的に並べましょう。
3.キーワードを決める
採用コンセプトでリストアップした要素をキーワードに落とし込んで、キャッチコピーを作成します。キーワードを盛り込みすぎると本来の趣旨がぶれるので、伝えたいことと求職者が知りたいことを意識して訴求ポイントを見定めましょう。
コピーを作成するときは、冗長に説明せずにストレートな言葉でメッセージ性が伝わるようにすることが大切です。無理に凝った言葉を使っても本質が伝わりにくくなるので、言葉を飾らずに率直な内容にするのが主流です。
まとめ
求めている人材や企業のカラーは各社さまざまです。必ずしもA社で活躍する社員がB社でも活躍できるわけではありません。採用を成功させるには、自社にマッチした人材を確保することです。そのためには、採用のキャッチコピーで自社のビジョンや求めている人材を的確に打ち出していくことが肝心です。
応募を集めるには、多くの企業から就活生の興味や関心を引きつける必要があります。インパクトがありながら、入社意欲につながるポジティブな関心を引き出すには、工夫が求められます。自社の特長や伝えたいメッセージを整理し、どのような切り口から打ち出していくべきか考えてみましょう。
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