新卒採用を行う際、多くの企業が会社説明会を実施しています。しかし、ただ開催しただけでは採用活動の成果につながりにくいものです。説明会を通して、就活生の入社意欲を高め、求人応募につなげる必要があります。つまり、就活生に興味を持ってもらえるように自社の魅力をアピールしなければいけません。
この記事では、説明会の内容を充実させるためのポイントを解説します。「説明会を実施しても、学生の応募が集まらない」「どのような内容なら就活生に響くかわからない」といった悩みを抱えている人事担当者の方はぜひチェックしてみてください。
目次
新卒採用における説明会の役割
新卒採用において、企業が説明会を行う理由はさまざまです。自社が説明会を行う目的を明確にすることで、説明会でどのような内容を紹介したら良いのかが見えてきます。まずは説明会が果たす役割や効果について紹介します。
自社のことを知ってもらえる
新卒採用の説明会は、企業と就活生が話せる貴重な機会です。複数の企業が参加する大型イベントの場合、多くの就活生が来場します。そのため、自社のことを知らない就活生に対しても、興味を持ってもらうきっかけを作ることができます。
学生の認知度が低いBtoBの企業や中小企業などはとくに、自社を知ってもらう機会を増やす目的で実施するケースは多くあります。
就活生の志望度を高められる
自社で開催する説明会の場合、すでに入社を志望している就活生も参加します。しかし、複数の企業を受ける中で志望度が下がってしまうほか、志望企業を変更する場合もあります。そこで、「この会社で働きたい」という就活生の志望度を高める目的で説明会を行うケースもあります。
自社で働きたいという志望度を高めてもらうために、就活生のモチベーションにつながるような内容を考える必要があります。
説明会に就活生が集まらない理由
説明会を行っても、思うように就活生が集まらない場合があります。いくつかの理由が考えられますが、まずは集客方法を見直すことが肝心です。ここでは、就活生が集まらない理由を紹介します。自社のケースを見極め、対策を行いましょう。
企業のことを知らない
学生の知名度が低い企業の場合、どうしても参加者を集めにくい側面があります。説明会の告知をする際には、集客の工夫が求められます。SNSなどオンライン上で拡散するだけでなく、オフラインでの働きかけも有効です。
学生と企業の交流会をはじめ、大学が実施する就活イベントに参加するなど、学生と直接出会う際に説明会の告知を行うといった方法があります。また、大型の合同説明会では、呼び込みを行う人員を増やすなど、その場で多くの就活生とコミュニケーションをとれる体制を作っておくと良いでしょう。
また、自社のことを知ってもらえるよう採用広報に力を入れるなど、普段から学生に情報発信することも大事です。
会場にアクセスしにくい
就活期間は、やらなければいけないことが多くあります。自社に興味を持っていたとしても、説明会に参加できる時間は限られています。
忙しい就活生に参加してもらうには、会場のアクセスを見直すことも一つです。会場のアクセスが悪いと、就活生の足が遠のきやすくなります。また、遠方に住む就活生にとっても、参加が難しくなる要因となってしまいます。
自社で説明会を実施する場合、オフィスで行う企業は多いです。もちろん、入社後にどのような場所で働くかを知ってもらう上でも、オフィスの開催が望ましいといえます。しかし、オフィスのアクセスが悪い際には、近くの会議室を借りるなど、利便性を考えて調整することも一案でしょう。志望度が高くない潜在層にも幅広くアプローチしたい場合には、検討をおすすめします。
また、就活生から見て参加しやすい開催日になっているかなど、あわせてスケジュールも確認しましょう。
説明会で自社の魅力を伝えるコツ
新卒採用向けの説明会では、いかに就活生の心をつかめるかどうかが大切です。そこで、自社の魅力を伝えるためのコツを紹介します。内容はもちろん、伝え方にもこだわり、就活生目線でスケジュールを設計していきましょう。
調べてもわからない情報を盛り込む
ほとんどの就活生は、ネットやSNSなどを使って企業の情報を調べています。そのため、すでに自社に関心を持っている就活生は、説明会の前にあらかじめ下調べしている場合があります。そのため、説明会に参加したからこそ知り得た情報を紹介することがポイントです。
たとえば、なかなかオンライン上では語れないエピソードを紹介したり、社員インタビューやパネルディスカッションなどを実施したりする方法があります。できるだけリアルな自社の情報を盛り込むようにすると良いでしょう。
仕事内容は具体的に説明する
入社後のイメージを持てるよう、仕事内容は具体的に説明することが大切です。具体的な仕事内容がわからないと、入社意欲を高めることは難しくなります。入社して自分が働く姿を想像できず、志望企業の候補から外してしまう可能性があります。
社会人経験がない段階だからこそ、できるだけ丁寧な説明が求められます。ときには業務の写真を紹介したり、動画を活用したりするなど、工夫しましょう。
伝えたいテーマを絞る
短い間に多くの説明会に参加する就活生にとって、他社の情報と混同してしまうほか、参加した企業の話を忘れてしまう場合も。説明会では、できるだけ印象に残るような工夫が肝心です。
自社の魅力をたくさん伝えようとするあまり、いろいろな情報を盛り込みすぎてしまうケースがあります。しかし、就活生が伝えたいことを捉えられず、印象に残らなくなってしまいがちです。できるだけ伝えたいテーマを絞って、説明するようにしましょう。
オンラインの場合、早送り再生をふまえて設計する
マイナビが実施した「2023年卒 学生就職モニター調査」によると、個別企業セミナーの参加経験は、ライブ形式のWEBセミナーが82.8%である中、対面式は37.0%という結果に。リアルなセミナーに参加した就活生は4割弱ということがわかりました。
オンラインによる説明会や選考が普及している現在、企業側はオンライン上でも自社の魅力を伝えるようにしなければいけません。
集中力が途切れないよう、話のテンポに気をつけたり、アンケートや質問を交えたりするなどの工夫が必要です。
また、録画のWEBセミナーの視聴経験があるのは63.9%であり、そのうち「いつも早送りしながら見る」という就活生が46.7%もいる結果が出ています。映画やドラマなどを早送りして視聴する人が増えている中で、その傾向は就活の場においても表れているようです。
早送りして視聴しながらでも、就活生に理解してもらうことが先決です。実際に録音したデータを早送りして再生しながら、改善点を探しましょう。
参考:マイナビ 2023年卒 学生就職モニター調査/4月の活動状況
説明会で使える!企業の動画事例
先述のとおり、説明会では、動画を使って説明するのも有効です。テキストだけでは伝わらないミッションや事業内容をイメージしてもらいやすくなるためです。
また作成した動画は自社サイトやYouTubeなどにアップできます。説明会終了後も活用できるので、参加者以外にも自社を知ってもらうきっかけを作れます。
自社の魅力がうまく詰め込まれている、企業の動画事例を紹介します。
大和リース/事業内容・ミッションの紹介
施設の建築やリースをはじめ、多岐にわたる事業を展開する大和リースでは、会社紹介の動画を作成しています。テンポよく事業を紹介しながら、企業のミッションを効果的に打ち出しています。視聴することで、就活生のモチベーションにつながるような完成度の高い動画になっています。
アイジーコンサルティング/社員インタビュー
アイジーコンサルティングは、新築設計・施工、不動産仲介及び売買、総合リフォーム事業、耐震補強事業、住宅メンテナンス事業など、総合的な観点から住環境づくりを行う企業です。
動画では入社の決め手や仕事のやりがいなどについて、社員にインタビューを行っています。企業の魅力だけでなく、社員の雰囲気が伝わることで、学生に入社後のイメージを抱いてもらいやすくなります。
社員インタビューの動画は、説明会当日に社員インタビューの時間を設けられなかったり、社員が参加できなかったりする場合に活用できます。
まとめ
就活生は忙しいスケジュールの中で、時間をとって説明会に参加しています。企業に対して一定以上の関心があるため、説明会でしっかりと自社の魅力を伝えることが重要です。基本的な事業紹介だけでなく、参加してよかったと思えるような情報を盛り込みましょう。
一方向のコミュニケーションになりがちな場だからこそ、最後まで飽きさせない工夫が必要です。そこで、動画を交えて説明するのがおすすめです。言葉だけでは伝わりにくい内容はできるだけ動画にまとめましょう。
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