動画広告の制作業務においては、「その動画広告でなにを実現させたいのか」という目標設定が重要となりますが、最近ではKPI(Key Performance Indicator)と呼ばれる指標がよく用いられています。
今回は、動画広告制作におけるKPI設定のポイントなどをまとめました。
目次
そもそもKPI(重要業績評価指標)とは
KPIとは、目標の達成度を測定する指標のことです。重要業績評価指標とも呼ばれ、これを適切に設定することは、ビジネス全般の成功において大きな意味があるとされています。
KGIとの違い
KPIを用いた業務管理は何が違うのでしょうか?
旧来からある目標は、KGI(Key Goal Indicator)と言い換えることができます。
これは最終的に達することを目指す大きな目標(Goal)であり、日常業務では、漠然としたものになりがちです。KPIはもう少し手前の、ゴールを目指すために踏むべきステップとして設定される、より具体的な目標ということができます。
KPIを設定する目的
動画広告をよりよいものにしていく上で、KPIの設定はとても有効です。
動画広告を通じて実現したい最終目標だけではなく、そこにたどり着くための目標を部門や担当者ごとに設定することで、効率的な作業ができるからです。
改善点を見つけ出すため
KPIを設定し業務を進めていくことの価値として、業務の改善点の発見が容易になることが挙げられます。
KPIは最終的な目標であるKGIにつながる具体的な目標として設定するものですから、その達成度を日々モニタリングすることで、KGI達成に向けてなすべきこと、改善すべきことが明確になります。
KGI達成までの計画を立てることができる
KPI設定がもたらすもう一つのメリットは、KGI達成に向けて、必要なステップが明確になるということです。
適切にKPIが設定されていれば、その達成度から、KGI達成までにどれだけの時間や労力がかかるかが推定でき、計画を立てることができます。
目的別、KPIの選び方
動画広告制作においては、どのようなKPI設定が考えられるのでしょうか?
一つの例として「認知」「検討」「購入」をゴールに置いた際の、適切なKPI設定を紹介します。
「認知」が目的の場合
ゴールが「商品やサービスをまずは知ってもらいたい」という段階にある場合、KPIとして考えられるのは「視聴回数」「インプレッション」といったどれだけ動画が人の目に触れたかといった数字です。
これに加えて「ユニーク視聴者数」など、どれだけ多くの人の目に触れたかといった数字もKPIになりえるでしょう。アンケートなどを通じて測る、ブランドに対する「認知度」をKPIにするのもいいかもしれません。
「検討」が目的の場合
商品やサービスの購入の検討段階に入ってもらうことを目的とする場合のKPIは、どのようなものが適しているでしょうか?
動画を最後まで視聴してもらえたかを示す「視聴完了率」や動画の「再生時間」など、関心の深さが表れる数字をKPIとするのが基本となりそうです。
アンケートなどを通じて測る、ブランドに対する「好意度」「関心度」なども注意を払うべき数字です。
「購入」が目的の場合
商品やサービスを購入へと導くことを目標とするのであれば、また違ったKPIを設定するべきでしょう。
動画広告に配置した購入が可能なサイトへの「クリック数」などは重視すべき数字の一つです。
そのほか、サイト流入したユーザーのうち目標を達成した割合を示す「コンバージョン率」は、購入に直結する行動なのでKPIに適しています。
KPIの設定手順
KPI設定の一例をご紹介しましたが、どのようなKPIを設定するべきかは、ケースバイケースです。
最終的な目標が近いものであっても、業種や社員の構成、規模などによって異なってきます。
KGIの設定
KPIを設定する上で基礎となるのは最終的なゴールであるKGIです。
まずはここを明確にすることが、KPI設定の最初の一歩と考えるべきでしょう。
あいまいな目標を設定しても意味がないので、「来季の売上を今期の1.2倍にする」など具体的な数値設定が必要です。
目的に合ったKPIを選ぶ
次に、KGIの達成に近づくためのKPIを決めていきます。
この選択が最も重要なフェーズとなり、目標達成のためにどういった数字を重視すべきか、多角的な検討が必要となります。
ときには一般的ではない、自社流のカスタマイズした指標を用いたほうがよい場面も出てくるかもしれません。
KGI同様、KPIについても本来は明確な数字目標を持たせる必要があります。
KPIに合ったアナリティクスツールを選ぶ
注視する指標が決まったら、それをモニタリングする方法を検討します。
求める数字を正確に算出してくれるアナリスティックツールや調査手法を調べましょう。
効果改善を行う
KPIの達成度がうまく上がっていかない場合は、随時、業務の進め方を改める方法を考えるべきでしょう。
前述の通り、KPIが高まっていかない理由の検証を通じた業務改善はKPIを用いるメリットといえます。
KPIを設定する際のポイント
多角的な検討に基づき設定すべきKPIですが、設定においてはいくつかのポイントがあります。
KPIを頻繁に変えない
うまく成果が出なかった場合、指針とするKPIを変えるべきなのでは?という意見が出てくることもあるかもしれません。ただ、すぐにKPIを変更するのではなく、業務や施策の見直しを図りKPIに設定した数字がどのように動くかを確かめ、状況の打開を目指すべきです。
指標の方向性を決めておく
また、「KPIには設定していないが重要な数字」が好ましい方向に伸びたとき、それを導いた理由にとらわれるのも避けたいところです。
指標がどのような場面でどのような方向に動くのかをよく知っておき、一喜一憂せずあくまでKPIの動き優先で施策を決定していくことが基本です。
PDCAを繰り返す
KPIを設定するということは、業務で最も重視すべき数字が何かを明らかにするということです。
業務における施策とKPIの関係に目を向ければ、施策が正しいかどうかのジャッジを行うことができます。
PDCAサイクルにおけるC(Check)、つまりは「評価」の基準ができあがるということです。
KPIが上がるような施策を考え続け、改善のスピードを上げていくことは、よりよい効果的な動画広告づくりにもつながっていくはずです。
まとめ
KPIを用いて、計画的に目標達成を目指す業務フローができあがると、よりよいものを目指し、動画そのものに対する工夫やアレンジも頻繁に発生することになるでしょう。
動画編集ツールを使えば、誰でもクオリティの高い広告動画が生成でき、スピード感を持って改善を重ねていく動画広告制作が可能です。ぜひ、導入を検討してみてください。
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