近年、WEB広告はますます注目されている媒体として広まりを見せています。一方、WEB広告にはさまざまな種類があるため「どれを選べば良いか分からない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
動画広告を出稿する際は、広告の種類や指標を踏まえて費用対効果を意識することが大切です。
そこで今回は、WEB広告とその費用対効果の関連性について詳しく解説します。
目次
WEB広告とマス広告の違い
「WEB広告」とは、その名の通りWEB上に出稿する広告のことです。インターネット広告やオンライン広告、デジタル広告といった名前で呼ばれることもあります。WEB広告の中には「リスティング広告」や「動画広告」「SNS広告」などさまざまな形式があり、課金形態はそれぞれ異なります。
一方、マス広告は、テレビやラジオ、新聞、雑誌など、従来型の広告のことです。近年、広告費全体に対するWEB広告の割合は増加しており、WEBを利用したマーケティングが非常に注目されています。
2019年の電通の広告費に関する調査によれば、インターネット広告費は前年に比べて約20%の伸び率を記録しました。総額は21,048億円にものぼり、年々マス広告に迫る勢いで増加しています。
WEB広告は、マス広告に比べて少ない予算で運用を始められることがメリットです。
テレビCMなどは高額な出稿料がかかりますが、WEBは費用の上限を自分で設定できる広告もあるので、限られた金額の中で効率的に運用できます。
また、特定のターゲットに能動的にアプローチしやすいのも特徴です。広告の表示回数やクリック数、動画の再生数など、明確な数値を確認できるので、広告の効果を分析して改善につなげることができます。
参照:2019年 日本の広告費|媒体別広告費 – ナレッジ&データ – 電通
WEB広告の課金形式
では、WEB広告は実際にどのような方式で課金されるのでしょうか。細かく見ていきましょう。
期間保証型
一定期間、Webサイトの任意の広告枠に広告の掲載が保証されるタイプの料金形態です。
一つの広告枠を複数の広告主が共同で利用する場合が多く、広告はローテーションで表示されます。
掲載期間は保証されますが、表示回数やクリック数は保証されていないのが特徴です。
ただし、一部には1社で1枠を専有できるプランもあります。純広告などにおいてはこの期間保証型と、1インプレッション当たりの固定単価でインプレッションが保証されている対応が多く存在します。
エンゲージメント課金型
ユーザーが具体的なアクションを起こしたときに課金される料金形態です。SNSやディスプレイ広告に多く見られます。どのようなアクションで課金されるのかは媒体によって異なりますが、動画再生やクリック、SNSのシェア、「いいね」などのアクションが主に対象となります。
どのアクションからのエンゲージメントを求めるかによって媒体を使い分けることが大切です。
インプレッション課金型
広告が何回表示されたかによって課金される方式です。ディスプレイ広告や動画広告、SNS広告に利用されることが多く、「1,000回表示されたら○○円」などの決まりがあるケースが一般的です。
たくさんのユーザーが目にする広告に向いているため、商品の認知度を向上させたい場合に効果的です。
クリック課金型
広告がクリックされたときに費用が発生するのがクリック課金型です。何回表示されてもクリックされるまでは課金されないので、純粋にユーザーがアクションを起こした数で広告の効果を把握できるメリットがあります。
ただし、出稿する広告によってはクリック単価が予想以上に高額になることもあります。
その場合、予算が少ないとあっという間に消化してしまうこともあるので、計画的な運用が大切です。
PV保証型
最初に取り決めた掲載回数に到達するまで広告が掲載され続ける料金形態です。
たとえば3,000回の契約なら、PV数が3,000回になるまで掲載が保証されます。基本的に期間の制限はなく、PVの頻度により、1週間で3,000回の掲載が終了する場合もあれば1年以上かかることもあります。
WEB広告の費用対効果を表す指標
WEB広告を出稿する際は、費用対効果を意識した運用が大切です。
ここでは、WEB広告の効果測定によく使われる指標について紹介します。
インプレッション数
「広告が何回表示されたか」で効果を計る指標です。
ユーザー数を表しているわけではないので、同じ人が複数回表示させた場合でも表示回数は加算されます。
インプレッション数がなかなか増えないときは、キーワードの変更などの対策が必要です。
CVR(コンバージョン率)
広告のクリック数に対して、コンバージョン(成果)が何件あったかの割合を表す指標です。
例えば「資料請求」が求めるコンバージョンだとすると、「広告を通じてWEBサイトを訪れたユーザーのうち、資料請求した人数の割合」がCVRということになります。
CVRが上がらないときは、広告の内容やWebサイトのデザインなどを改善することで対策を打ちます。
ROI
どのくらい利益が上がったかを、投資額と比較して示す指標です。
広告費のみではなく、あらゆる販促費用も含めて投資額を計算する場合も少なくありません。
仮に100万円の投資で300万円の利益を得たとき、ROIは「300万円÷100万円×100=300%」となります。
CPA
コンバージョンを1件獲得するための金額をCPAといいます。
200万円の広告費をかけて20件の注文があった場合、CPAは10万円です。
1件あたりのCPAが低いほど、効率良くユーザーを集められているという指標になります。
ROAS
広告費に対して売上がいくらあったのかを示す指標です。例えば、100万円の広告費をかけて500万円の受注があった場合、ROASは「500万円÷100万円×100=500%」となります。
100%を超えていれば広告費を回収できているという見方ができるので、費用対効果を測るのに有効です。
【種類別】WEB広告の費用対効果
次に、WEB広告の種類別の費用対効果と課金形態を、広告の種類別に紹介します。
リスティング広告
検索エンジンで検索したキーワードに紐付けた広告を配信する方法です。
ユーザーはもともと検索キーワードに関心を持っている場合が多いので、ユーザーの興味に近い広告を配信できるのがメリットです。クリック課金型の料金形態が用いられています。
SNS広告
TwitterやInstagram、FacebookなどのSNSに表示される広告です。
拡散力が高いので、認知度を高めるうえで効果を発揮します。
運用型か広告においては料金形態はクリック課金型とインプレッション型が多く見られます。
ディスプレイ広告
Webページの広告枠に掲載される広告全般をディスプレイ広告といいます。ディスプレイ広告をさらに細かく分けると純広告、アドネットワーク、DSP、リターゲティング広告の4種類があります。
純広告
純広告はYahoo!JAPANなどの特定の媒体に掲載する広告です。
商品を知らないユーザーの目にも触れるため、認知度の向上に役立ちます。
期間保証型やインプレッション保証型が多く利用されています。
アドネットワーク
アドネットワークは、広告枠を設けているWebサイトやブログに広告を掲載する方法で、クリック課金型が主体です。
DSP
DSPもアドネットワークと似ていますが、閲覧者の行動履歴に合わせた広告を表示できるという違いがあります。
クリック課金型の他にインプレッション保証型も利用されます。
リターゲティング広告
リターゲティング広告では、Webサイトに過去に訪問したことがあるユーザーに対して同じ広告を表示します。
繰り返しアプローチすることによって訴求効果を高めます。課金形態はクリック課金型とインプレッション保証型がメインです。
動画広告
映像と音を組み合わせた動画をWeb上に掲載する広告手法で、たくさんの情報を短い時間で圧縮して伝えられるのが魅力です。
YouTubeやTwitterなどのSNSのほか、アドネットワークを使って特定のWebページに掲載することもできます。
特定の秒数が視聴されることで1再生をカウントするなどの動画視聴課金型やインプレッション課金型が多く採用されています。
記事広告
タイアップ広告とも呼ばれ、編集記事のような見た目で配信されます。
広告らしさが薄く、ユーザーに馴染みやすいのがメリットです。
この場合は一定の予算はかかるものの、媒体側の定めている期間で広告配信されます。
WEB広告の媒体選びのポイント
費用対効果の高いWEB広告の媒体を選ぶためには、宣伝内容から精査する必要があります。
次の3つのポイントを参考にしてみてください。
認知度を高める
商品の認知度が不十分だと、ユーザーに商品を選んでもらう段階に進むことはできません。まずは動画広告や純広告などを使い、これから顧客になる可能性がある潜在層に商品を知ってもらうことからスタートしましょう。
商品の理解度を深める
ユーザーがすでに商品を認知している状態なら、購入するメリットを伝える広告が有効です。
リターゲティング広告などを利用し、他社に比べて商品がどのように差別化されているのかなどを具体的に紹介すると良いでしょう。
コンバージョンにつなげる
商品の魅力が十分に伝わっているユーザーには、購入や契約を促す広告を配信します。
リスティング広告などを利用すると、効率良くコンバージョンにつなげることができます。
まとめ
ここまで、WEB広告の種類や重要な指標などについて紹介してきました。
さまざまなWEB広告から効果的な媒体を選ぶためにも、自社の商品やサービスがどの課金形態や指標に適しているか適切に検討することが大切です。認知度を高める段階では、動画広告を取り入れるのも有効です。
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