クリック率とは、リスティング広告やコンテンツのクリックの数を表示数であるインプレッション数で割った率のことをいいます。閲覧者の反応を知り、広告やコンテンツの効果を見るうえで重要な指標です。
なかなかクリック率が上がらない場合は、どのように対策すれば良いのでしょうか。
広告運用を始めて間もない、という場合は特に対策がわからないと思います。
そこで、クリック率の基礎知識と、クリック率を上げるにはどのような対策を行えばいいのか、そして、広告やコンテンツのパフォーマンスを見る上で、クリック率と合わせて見ておきたい指標についてもご紹介します。
目次
クリック率の概要・計算方法
リスティング広告やコンテンツのパフォーマンスを示すクリック率(CTR、Click Through Rate)は、「クリックの回数÷インプレッション」で求められます。
インプレッションとは、リスティング広告やコンテンツが表示される回数のことを指します。
クリック率でわかることは、広告の出稿に対する閲覧者の反応です。
表示回数が多いのにクリック率が低い場合は、ユーザーをページに誘導できておらず、「ただ広告が表示されただけ」でスルーされてしまっていることがわかります。
これに対し、クリック率が高い場合は、ページへの誘導が成功しており、トラフィックも上がっていることになります。
リスティング広告やコンテンツのパフォーマンスを測る指標としてクリック率は重視されていますが、さらにクリックをした閲覧者のその後の行動に踏み込んで考えると、コストと収益にも影響を与えます。
クリック率の上下が生じる原因とは?
クリック率は、検索順位、業界または広告カテゴリー、広告の種類によって左右されることが知られています。
また、媒体や掲載時間などの要因でも変動します。
クリック率の変動要因の主要なものとして業界がありますが、調査結果によれば、旅行・教育・不動産・医療関係といった業界のクリック率は比較的高いことが知られています。
因みに、すべての業界における平均クリック率は、検索で3.17%、ディスプレイで0.46%となります。
また、検索順位は高いほうが、コンテンツのトラフィックが上がり、特にコンテンツの場合はクリック率も高くなる傾向があります。
しかし、上位5位以内より下の順位になるとコンテンツのクリック率が格段に下がり、相関関係がわかりにくくなるようです。
コンテンツの場合、検索順位を上げることはSEO対策で可能になります。
広告のパフォーマンスに絞って考えるのであれば、クリック率を上げる施策を先に考えたほうが効率的です。
参照:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]
クリック率を下げる原因と改善方法とは?
クリック率を下げる原因は2つあります。それぞれの原因を取り除くことができれば、クリック率は上がっていきます。
- ・広告文が「ささらない」
- ・検証をしていない
それぞれなぜ下がるか、そして改善のためにどうしたらよいのかを以下でまとめました。
広告文が「ささらない」のを改善するには?
広告文がユーザーにささらない理由は2つ考えられます。
- ・ターゲットは誰なのか、何をしてほしいのか、ベネフィットが何かわからない文章になっている
- ・そもそもターゲットに合っていない
例えば、学習コンテンツで特定の学年がターゲットになっているものがあり、そのディスプレイ広告があるとします。
同じコンテンツへの誘導で、次のような2つのテキストを比較して見てみましょう。
「新学期準備 小学4・5年生の復習と予習は大丈夫?」とするのと、
「新学期準備 小学4・5年生、予習復習たった10分チェックで完了!ここをクリック」
とするのでは、どちらの方が多くクリックしてくれるでしょうか。
後者の書き方は小学校4・5年生がターゲットであること、予習復習チェックができることがベネフィットであること、クリックするとチェック内容が閲覧できることが推測されます。
ところが、前者の場合、ベネフィットがわからないと同時に「大丈夫?」と聞かれて次のアクションは何になるのか、明確ではありません。加えて、表現の質の面でも課題がありそうです。
このようにはっきりと広告文の良し悪しがわかる場合は、すぐに改善が可能です。
検証をしていない
出稿する広告には、複数パターンを用意することがあります。
ターゲットが複数であるため、複数のパターンを作る、ということもありますが、同じターゲットへ、同じ目的で複数パターンを作ることもあります。
その理由は、広告を比較検証することにより、効果の高い広告を判断できるためです。
検証のやり方として、どちらのパターンの広告のほうがパフォーマンスがよいか、ABテストという手法で見比べます。ABテストは、「広告Aがよいのか、Bがよいのか比較する」ことが名前の由来です。
効果のない広告は、ある程度の期間で見切って広告掲載をやめてコストを下げるなどの経済的効果が得られますし、なにより効果的な広告を社内のナレッジにして活用することが可能になります。
このように検証を行っていないと効果の高い広告を判断することができないためクリック率も下がってしまいます。なお、広告だけでなく、コンテンツもABテストをして検証する必要がありますが、ここでは、わかりやすく広告のABテストを中心に取り上げています。
ABテストはどのように進めればよい?
ABテストは、繰り返しによって信頼性が上がります。
1度のABテストで終えるのではなく、他の比較対照例とさらに比較をし、最もパフォーマンスの高い広告をふるいにかけるようにして抽出していきます。
ABテストは、パフォーマンスに影響を与える要素ごとに行うことが必要です。
例えば「広告を掲載した場所が、SNSのページなのか、タイムラインに出しているのか」といった比較で行うことが有効です。
掲載場所のほか、時間及び季節・広告の種類(例えばバナー広告とページ広告・タイムライン広告とページ広告)など、比較対照によりパフォーマンスへの影響を検証するべき変動要因は数多くあります。
広告文によってもクリック率は左右されるので、検証するべき要素となります。
ABテストを行うことで、パフォーマンスにポジティブな影響を与える要素とそうでない要素を区別していき、次の広告作成・出稿に生かしていくことができます。
他の指標にも注目:インプレッション数・コンバージョン率
また、ABテストの信頼性を高めるには、インプレッションの数値を上げておく必要があります。露出が少ない中では、テスト結果も一定の閲覧層に偏っていることも考えられ、結果の信頼性が欠けてしまいます。
比較対照するには、インプレッションの数値を上げること、インプレッションの数字をそろえておくことなど、ABテストではインプレッションの数字にも着目しておきましょう。
また、お客さんの購買行動や、問い合わせをもとに、広告・コンテンツのパフォーマンスを測る指標であるコンバージョン率も重要です。クリック率と同時に把握しておきましょう。
まとめ
クリック率はインプレッションでクリック数を割った数字のことで、広告のパフォーマンスを測るための重要な指標です。低下の要因を一つひとつ潰していくことが必要です。
クリック率が下がる要因のうち、広告文が問題になるケースは、広告文の改善を行うことにより、比較的に短期で改善することができます。
しかし、多くのケースでは、広告もコンテンツもABテストの検証不足が問題になっています。
ABテストはMAツールなどにより、自動化できる工程もありますが、比較対照の要素を整理して、要素ごとにテストを継続的に行い、社内に成功例・失敗例に関するナレッジを蓄積していくことが大切です。
また、ABテストを行いつつ、インプレッションの数を比較対照の際はそろえて、数を確保することや、コンバージェンス率の確認も必要になります。
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