街頭や店舗、交通機関の車内などで動画による広告・情報を表示するモニター「デジタルサイネージ」。
さまざまな場面でよく見かけるようになりましたが、現在はこのデジタルサイネージをさらに進化させた「インタラクティブサイネージ」も登場しています。
この記事では、進化型デジタルサイネージともいえる「インタラクティブサイネージ」の概要をご説明し、その特徴や適した活用シーンについてもご紹介します。
目次
インタラクティブサイネージとは
広告や情報を表示する画面であるデジタルサイネージに、見る人とのさまざまなコミュニケーション機能を付加したものが「インタラクティブサイネージ」です。
インタラクティブとは「双方向」という意味で、情報を一方的に見せるだけではなく、見る側からの働き掛けも可能としていることを指しています。
インタラクティブサイネージの利用シーン
街で見かける広告や情報を表示しているモニターのなかで、どのようなものをインタラクティブサイネージと呼ぶのでしょうか。
よく見かけるものでは、普段は無音で画面表示だけを行っているのに、前を人が通りかかった時だけ音声を発したり、画面を切り替えたりするモニターがあります。
これも「人に反応して異なる動作をする」という、双方向型の特徴を持ったインタラクティブサイネージの一つです。
その他、床に投影した画像の上を人が通行すると、それに反応して画像を動かしたり変化させたりするインタラクティブサイネージもあります。
また、SNSと連動しており、モニターの前で画像を撮影するとすぐに投稿できる機能を設けたものもあります。
飲料自販機で購入ボタンの代わりにタッチパネル画面を設けたものや、観光名所でタッチパネルにより案内表示を変えられるガイド用のインタラクティブサイネージもあります。
インタラクティブサイネージの主な機能
人とコミュニケーションを取れるディスプレイといえるインタラクティブサイネージは、さまざまな機能によって稼働しています。
インタラクティブサイネージの主要機能を、以下に4つご紹介します。
スマートフォンやSNSとの連携機能
画面を見ている人がスマートフォンなどを活用し、画面上の情報を直接受け取ったり画面で展開されるプロモーションに直接参加したりできる機能です。
一方的に流れる動画などをただ見るだけではなく、見た人が画面上の出来事を「自分に直結する出来事」と感じられ、体験を共有できる面白みがあります。
音声認識・顔認識機能
音声認識機能は、周囲の環境音やディスプレイ自体が発する音声などと人の声を区別して感知し、人の声を認識してそれに反応する機能です。
顔認識機能は人の顔を認識し、反応して画面表示を変えたり音声を発したりする機能です。
さらに顔認識機能によって人の年代や性別などを判断し、適したコンテンツやクーポン画面などを配信してくれる機能を備えたものもあります。
AR(拡張現実)機能
現実の風景と画面からのデジタル情報をリンクさせ、見る人に何らかの変化を感じさせる機能です。デジタルモーションセンサーなどを用いて人の動きを感知し、それに反応して表示する動画や音声を切り替えます。
接触感知機能(タッチパネル)
先にもご説明した「タッチパネル」の機能です。
施設や観光地の案内掲示板をはじめ、飲料自販機や交通機関の券売機などでも広く活用されています。
インタラクティブサイネージの導入・運用費用
インタラクティブサイネージを広告や情報発信のために導入し、運用するコストはどのくらいの金額を考えておくべきなのでしょうか。
以下に、インタラクティブサイネージを新規導入する際にかかる費用の目安についてご紹介します。
大型ディスプレイ
55インチ程度のタッチパネル型画面一面で、導入費用の目安は「約50万円〜」となっています。
タッチ機能がないものや、画面サイズが小型のものを選定するとコストは抑えられます。
逆に複数人で同時に操作できる高機能ディスプレイなどを選べば、導入コストだけで数百万円になる場合もあります。
セットトップボックス(STB)
動画データを画面にデジタル信号で送信するための機器です。
ディスプレイに内蔵されている場合は不要ですが、複数のディスプレイを利用する場合などは必要になります。
最もシンプルな機能を備えたものであれば10,000円ほどから選べますが、多機能型・高機能型のものは100,000円程度になる場合もあります。
コンテンツマネジメントシステム(CMS)
CMSとは、インタラクティブサイネージに配信する動画コンテンツの配信スケジュールなどを管理し、コンテンツを運営するためのシステムです。
ソフトウェアとして購入するよりも、クラウドサービスを月額料金で導入するケースが主流となっています。
CMSの月額料金の目安は、およそ4,000〜10,000円となっています。
維持管理にかかる費用
インタラクティブサイネージを運用するには、電気代が必ずかかります。
電気代の目安ですが、屋内利用と屋外利用では適した画面の明るさが異なるため、屋内の場合1日あたり15時間の点灯で月額700円ほどとなります。
いっぽう屋外の場合はその数倍にもなる月額3,000~5,000円ほどが目安となります。
また、自社コンテンツだけを配信する場合は配信にかかるコストはありません。
ただし天気予報や運勢など、外注によるコンテンツを配信する場合は1コンテンツあたり月額500~4,000円ほどの配信料がかかります。
まとめ
インタラクティブサイネージは、今までのデジタルサイネージと異なり「人の動きに連動する」「通行人とコミュニケーションを図れる」などの新たな機能を備えています。
人に情報を届けるだけでなく、人が能動的に情報を集めるツールとしても機能するインタラクティブサイネージ。
通りがかりの人を惹きつけ、認知や行動を効果的に促すためにも、ぜひ活用を検討してはいかがでしょうか。
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