漫画は日本の代表的なサブカルチャーです。近年では漫画を中心とした国際的な展示やイベントが数多く開催され、日本の代表的な産業と呼ばれるほど業界が拡大しています。
国内でも動画広告に漫画は積極的に取り入れられており、高い効果が期待できる企業戦略の一つとなってきました。
そこでこの記事では、漫画動画広告について解説します。漫画動画広告について知ることで、自社製品の有効的なアピールに活かしていきましょう。
動画制作に関して初心者の方は、こちらの記事をご参考ください。
目次
漫画動画広告が広まった背景
漫画は昔から日本にあるものですが、漫画動画広告が取り入れはじめたのは、最近のことです。漫画動画広告が広まったのはスマートフォンやインターネットの普及に伴い、動画の世界が大きく変わっていったのも理由の一つといえるでしょう。
そのほかにも、次のような理由が考えられます。
海賊版漫画コンテンツの取り締まりが開始
2018年、大手海賊版コミック配信サイト「漫画村」が閉鎖されました。インターネットの普及に伴い、残念ながらこのような違法サイトも増えていたのです。
以前から問題視されていた海賊版コンテンツですが、2018年の漫画村の閉鎖から、違法コンテンツの取り締まりが強化されていきました。
サイトや動画でアップロードされていた違法なコンテンツは、すぐに消去され、場合によっては摘発されるようになりました。そして、このような違法サイトや動画を利用していたユーザーは、電子コミック市場へ移行していったのです。漫画動画広告もこの流れに乗り、急速に広まっていったと考えられます。
横スクロール動画の収益化が停止
YouTubeで一時期流行していたのが、横スクロール動画という形式です。静止画に説明書きを入れて、自動的に横へスクロールされながら動画が進んでいきます。
文字だけの説明より見やすく、横にスクロールするという単純な動きがわかりやすかったため、多くの動画に取り入れられていました。
海賊版コンテンツとは違い、全てが違法なものではありません。しかし、流行元であるYouTubeが、2019年に一斉に厳しい対処を行いました。
YouTube側はアドセンスを使い、横スクロール動画に対して収益化を停止したのです。その結果、広告が挿入できなくなり、ユーザーの多くが漫画動画広告へ移行したと考えられます。
漫画動画広告の3つの効果
日本人には親しみのある漫画ですが、それを動画の広告にすることで、具体的にはどのような効果が得られるのでしょうか。漫画動画広告には主に3つのメリットがあります。
従来の広告とは異なるメリットにより、広告をより効果的にすることが可能です。以下で3つのメリットをまとめて紹介します。
情報が伝わりやすい
漫画は視覚に訴える情報力が高く、情報が視聴者に伝わりやすいです。文字を読むだけではイメージしにくい情報も、漫画にすることで視覚的にわかりやすくなり、短い動画でも視聴者に伝わりやすくなります。
特に漫画をよく読むユーザーにとっては、漫画形式の広告というのは目に入りやすいものです。一方で、漫画という形式自体が目を引くので、漫画をあまり読まないユーザーの目にも止まりやすいのもポイントです。またストーリー仕立てにすることで、幅広い視聴者に情報を伝えやすいという点も特徴の一つといえるでしょう。
商品やサービスを疑似体験しやすい
漫画内で登場人物が商品やサービスを利用することで、自分も利用しているかのような疑似体験ができ、より商品を身近に感じることが漫画広告の魅力です。没入感のあるストーリーを取り入れることで、より疑似体験が深まります。
また商品やサービスを具体的にイメージすることできるため、利用後の満足度にズレがないのもメリットです。
利用後に視聴者が「思っていたのと違う」というネガティブな意見を持つケースは珍しくありません。その視聴者が口コミサイトやSNSに書き込むことで、商品やサービスのイメージが低下してしまう可能性もあります。
疑似体験による具体的なイメージ作りは、このようなネガティブな印象を抑制する効果も期待できるのです。
表現の自由度が高い
実写広告とは異なり、漫画は表現に制限がありません。例えば、空を飛びたいと思ったら、漫画内で簡単に空を飛ぶことができます。実写にすると、コストがそれなりにかかりますし、表現が不可能という場合もあるでしょう。
表現の自由度という点ではCGも高いですが、CGはコストがかかりますし、専門的な知識が必要となります。一方、漫画は発想と描写力があれば、どのような表現も自由にできるのが強みです。
漫画動画広告の成功事例
漫画を広告として取り入れている企業は数多く、近年は企業が作った漫画動画がバズって大人気になるというケースも珍しくなくなってきました。
一度は耳にしたことがある大手企業も漫画広告を取り入れており、幅広い層に訴求できる動画を制作しているのです。以下で漫画動画広告の成功事例を紹介します。自社で製作を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供している漫画動画広告です。少女漫画テイストの綺麗なカラー漫画が目を引きます。
女子高生二人が屋上にいて、動画の冒頭で株の話をしているところに、謎の悪役が現れて…という、求心力のある内容となっています。
女子高生の一人が悪役と戦う「マジカルファウンドガール」として活躍するという、漫画だからこそできる表現方法も特徴です。自社製品のメリットを紹介しながら女子高生たちが悪役と戦う内容になっています。
エーザイ株式会社(チョコラBB)
エーザイ株式会社の商品、チョコラBBを紹介する漫画動画です。再生数が非常に多く、漫画動画広告の成功例の一つとして参考にできるでしょう。再生時間が30秒と短く、隙間時間に、気軽に見ることができるのが特徴です。
登場人物の桃子と桜子が、肌の悩みにチョコラBBがいかに効果的かを紹介していきます。優しいタッチのイラストで、チョコラBBの効果をわかりやすく解説している動画です。紹介したい内容を絞り、短い時間で簡潔に伝えています。
漫画広告でおすすめの動画制作会社
漫画広告を戦略として取り入れる場合、個人に頼むという方法もありますが、専門の動画制作会社を使うのがおすすめです。なぜなら、個人の場合、クオリティに差が出る可能性が高いですが、企業であれば一定のクオリティが期待できるからです。以下で動画制作を行っているおすすめの会社を紹介します。
株式会社ファインズ
「誰からも必要とされる会社になる」を理念に掲げ、東京の本社と全国5つの支社で動画事業を展開している企業です。大手企業との取引実績が多数あります。
漫画広告制作を依頼したい場合は、専用のマンガファクトリーというサービスをチェックすると完成イメージが深まります。
マンガファクトリ―は、厳しい審査を通った漫画家のみが在籍しており、担当のディレクターが制作をサポートしてくれます。サイト内で実際に制作した漫画が掲載されているので、依頼する際の参考にしてみてください。
住所 | 東京都渋谷区渋谷2-12-15 日本薬学会長井記念館 6F |
TEL | 03-5459-4073 |
会社HP | https://e-tenki.co.jp/ |
株式会社pamxy
YouTube運用代行を行っている企業です。IP事業でナイツの塙さんのYouTubeチャンネル「ナイツ塙の自由時間」のプロデュースをしています。
そのほかにも大手Youtuberのプロデュース、テレビ出演、大手メディア掲載多数など、さまざまな実績を持つ実力のある企業です。
サイト内には無料相談のページがありますが、一社ずつ丁寧に対応するため、毎月10社という上限が掲げられています。定員に達すると予告せず締め切る場合があるので、制作を考えている方は、月の始めに早めに相談するのがおすすめです。
住所 | 東京都新宿区新宿6-7-1 エルプリメント新宿5F |
会社HP | https://pamxy.co.jp/ |
株式会社サイドランチ
漫画制作専門の企業で、動画だけでなくイラストや3Dなど、幅広い制作を行っています。企業だけでなく、公共団体や教育機関、官公庁など、さまざまな業界から直接依頼を受けている実力派の企業です。
創業18年の実績と高い評価があるので、初めて漫画動画広告を導入する企業も安心して依頼できるでしょう。
漫画広告に関してはジャンルを限定していないのも強みです。漫画広告を出したいけれど、専門知識が必要で気軽に依頼できないという場合には、まずは一度お問い合わせしてみることをおすすめします。
住所 | 東京都千代田区外神田3-13-2 LIFORK秋葉原 3F・5F/B |
TEL | 03-5256-1003 |
会社HP | https://sideranch.co.jp/ |
漫画動画広告を作成する際の注意点
大手企業も戦略の一つとして取り入れている漫画動画広告は、メリットが多いように見えます。しかし、便利で高い効果が期待できる一方、デメリットも存在します。
このデメリットを無視して漫画動画広告を作ってしまうと、思ったような効果が得られず、失敗してしまう可能性もあります。漫画動画広告の効果を最大限引き出すためには、デメリットも確認しましょう。
審査が通りにくい傾向がある
漫画動画広告は、動画サイトの審査が通りにくいケースが多く見られます。漫画動画広告の強みである自由度の高さは、公序良俗に反する可能性も大きくなるという側面を持っています。どのような表現も可能となるので、やり方によっては視聴者に不快感を与えてしまう場合もあるのです。
また、漫画動画広告が多くなるのに比例して、詐欺まがいの広告も多く出てきています。詐欺対策のために動画サイト側が厳しい審査を行っているので、せっかく漫画動画広告を制作してもなかなか審査が通らない、という場合もあるのです。
登場キャラクター数はコンパクトに
実写とは違い、漫画動画広告はキャストを用意する必要がないので、無限大にストーリーを膨らませることができます。しかし、登場キャラクターが多くなるとその分、情報量も多くなり、視聴者に伝えたいことが伝わりにくくなってしまうのです。
漫画動画広告の強みは、視聴者に内容を伝えやすいという点です。この強みを消してしまっては意味がありません。無限大に広げられる漫画ですが、広告にする場合はシンプルにして、何を伝えたいかを念頭に置いたうえで、登場キャラクター数はコンパクトに収めましょう。
まとめ
漫画動画広告のメリットやデメリットを把握したうえで、うまく活用していくことが大切です。うまく活用すれば、自社の商品やサービスをより世間に広めていくことができます。
現代において、漫画動画広告は企業にとってかかせないものになりつつあります。この記事で紹介した内容を取り入れて、ぜひ効果的な漫画動画広告の運用を行っていきましょう。
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