インスタグラムは、世界で10億人以上の月間ユーザー数を誇るSNSです(2021年4月時点)。画像・動画を多くの人と気軽に共有できる形式が人気を集めており、企業アカウントを積極的にフォローするユーザーも増えてきました。
SNSを活用して動画を配信しようと考えている企業の中には、「インスタ動画の基礎知識を知りたい」という方も多いのではないでしょうか。動画の基本情報を網羅的に理解すれば、企業での運用がスムーズに進むでしょう。この記事では、投稿方法や動画の長さ・サイズ、保存方法などをご紹介します。
目次
インスタグラムの動画の種類
インスタグラムには複数の動画投稿機能が存在します。それぞれの機能は特徴に違いがあるので、どのような種類があるのか知っておくことが大切です。ここでは、「フィード」「ストーリー」「リール」「IGTV」の4つの機能をご紹介します。
フィード
フィード投稿とは通常投稿のことです。フォロワーに最新の動画を見てもらえて、過去に投稿した動画はアカウントのプロフィールページに残ります。ブランドやサービスの世界観を表現しやすいため、うまく活用すればブランディングや認知度向上につながるでしょう。
ストーリー
ストーリーに投稿すると24時間で自動的に削除されるため、気軽に動画配信ができます。動画を削除されたくない場合は、アーカイブ化すればプロフィールページに残しておけるでしょう。インスタグラムアプリを開くと最初に目にするフィード画面の上部に表示されるので、ユーザーの目に留まる可能性が高いと言えます。
リール
リールは公開時間の制限がなく、一度動画を投稿すればプロフィールページのリール専用スペースに蓄積されます。フォロワー以外のユーザーにも表示されるので、不特定多数に動画を視聴してもらえるメリットがあるのです。また、フィード投稿のように正方形ではなく、画面いっぱいに縦長で表示できるので、コンテンツの表現の幅も広がるでしょう。
IGTV
IGTVは長尺の動画がアップロードできる機能です。IGTVのアプリもあるため、インスタグラムのユーザー以外にも動画を視聴してもらえる可能性があります。IGTVをうまく使いこなせれば、ブランドやサービスの認知度向上につながり、動画マーケティングの可能性が広がるでしょう。
インスタグラムの動画投稿方法
インスタグラムの動画投稿機能「フィード」「ストーリー」「リール」「IGTV」は、それぞれ投稿方法が異なります。スムーズにアップロードできるよう、事前におおまかな流れを確認しましょう。ここでは機能ごとに投稿方法をご紹介します。
フィード
フィードではスマートフォンのアルバムに保存された動画を投稿する方法と、インスタグラムアプリで録画した動画を投稿する方法があります。スマートフォンアルバム内の動画を投稿する場合は、インスタグラムの新規投稿画面にある端末内の画像・動画フォルダから、投稿したい動画を選択しましょう。新規投稿画面は画面上の「+」ボタンをタップすると表示されますが、ユーザーによって「+」ボタンの位置が異なる場合があります。
インスタグラムアプリから録画して投稿したいときは、おなじく「+」ボタンで新規投稿画面を開き、直接録画するボタンを選択しましょう。シャッターボタンをタップすると写真撮影ができ、長押しすると録画ができます。
ストーリー
ストーリーもスマートフォンのアルバムから録画済み動画を投稿する方法とインスタグラムアプリから直接録画する方法があります。「+」ボタンまたはプロフィールページの自分のアイコンをタップするとストーリーの投稿画面に切り替わるので、アルバム内の動画を選択するか、シャッターボタンから直接録画しましょう。
リール
インスタグラムアプリ画面上の「+」ボタンを押し、スワイプすれば「リール」が選択できます。真ん中に表示される撮影ボタンを長押して直接録画をするか、スマートフォンのアルバムに保存されている動画を選択しましょう。投稿画面の左側にある「音源」ボタン(音符のアイコン)をタップすれば、好きな音楽を選択して動画と一緒に流せます。
IGTV
IGTVはインスタグラムアプリ、IGTVアプリの両方から投稿可能です。インスタグラムのプロフィールページにある「+」ボタンを押して「IGTV動画」を選択するか、IGTVアプリのホーム画面にある「+」ボタンから撮影に進みます。アップロードしたい動画を選択し、「カバー写真」「タイトル」「説明文」を設定して投稿を完了させましょう。
インスタグラムの動画の長さ
投稿可能な動画の長さは「フィード」「ストーリー」「リール」「IGTV」のどの機能を選ぶかによって変わってきます。動画マーケティングを効果的なものにするには、伝えたい内容やブランド・サービスのジャンルに合わせて最適な長さのコンテンツを配信する必要があるでしょう。ここでは、各機能の動画の長さをご紹介します。
フィードの長さは最大60秒
フィードでは最大60秒までの動画を投稿できます。それ以上長い動画を投稿しようとすると、「トリミング」「IGTVで投稿」のどちらかを選択させられるでしょう。以前は15秒までしか投稿できない仕様でしたが、SNSでの動画の需要が高まるとともに、インスタグラムでも長さの制限が引き延ばされたのです。
ストーリーの長さは15秒
ストーリーの長さは15秒です。しかし、15秒以上の動画であっても4分割すれば、最大60秒までの動画が投稿できます。分割された動画は続けて配信されるので、1本の動画を見ているような仕上がりになるでしょう。
リールの長さは15秒 か30秒
リールでは15秒と30秒の2パターンから動画の長さが選べます。15秒に設定した場合は、投稿前にリールとストーリーどちらにシェアするか選択できるでしょう。リールで作成した動画をストーリーの24時間限定公開で投稿したいときは、15秒を選んでください。
IGTVの長さは60秒~最大60分
IGTVでは60秒以上の動画をアップロードできます。モバイルデバイス(スマートフォン)なら60秒から最大15分まで、ウェブ(パソコン)なら60秒から最大60分までアップロード可能です。商品やサービスの魅力を詳しく伝えたい時は、IGTVを活用して長尺の動画を配信するとよいでしょう。
インスタグラムの動画のサイズ
以前は1:1の正方形の動画しか投稿できませんでした。ところが2015年8月から、スマートフォンのワイドスクリーンに対応するため、縦長や横長の動画もアップロードできるようになったのです。以下で、フィードとストーリーの動画の推奨サイズをご紹介します。
フィード | ストーリー | |
ファイル容量 | 最大4GB | 最大4GB |
ファイル形式 | mp4やmov | mp4やmov |
アスペクト比 | 【正方形】1:1 【横長】1.91:1 【縦長】4:5 | 9:16 |
解像度 | 【正方形】600×600ピクセル 【横長】600×315ピクセル 【縦長】600×750ピクセル | 1,080×1,920 |
インスタグラムの動画広告
インスタグラムには動画広告配信サービスがあり、ブランド・サービスの認知度や集客アップを狙う企業が活用しています。ここでは「フィード広告」「ストーリーズ広告」「ディスカバリー広告」の3つの動画広告をご紹介するので、それぞれの特徴やメリットを確認しましょう。
フィード広告
フィード広告は、インスタグラムのフィードに掲載される広告です。フィードはインスタグラムを開いたときに表示される場所なので、ユーザーに注目されやすい広告だと言えるでしょう。
広告にはリンクが貼り付けられ、ウェブサイトや商品ページに誘導できます。縦型・横型・正方形のフォーマットがあり、最大120秒までの動画が投稿可能です。
ストーリーズ広告
フォローしているアカウントのストーリーズ投稿の間に入るのがストーリーズ広告です。最大アスペクト比9:16のフルスクリーンで広告を訴求できるので、視聴者にインパクトを与えやすく、ブランドやサービスの認知度アップにもつながりやすいでしょう。動画は最大120秒まで投稿可能です。
ディスカバリー広告
ディスカバリー広告は、ユーザーの関心のありそうな投稿を自動で表示してくれる機能「発見タブ」を利用した動画広告です。虫眼鏡マークから気になる投稿をタップしてスクロールすると、同じような投稿やAIによって導き出されたおすすめの投稿が表示され、そのままスクロールを続けると広告が出てきます。発見タブでは積極的に情報収集しているユーザーが多いので、最適な広告を配信できれば成果に結びつきやすいのです。
インスタ動画の保存方法とポイント
インスタグラムには動画や画像を保存しておけるブックマーク機能があります。気に入った投稿の右下にある「しおり」マークをタップして保存し、自分のプロフィールページの右上にあるメニューボタンから「保存済み」を開けば、保存した投稿がいつでも見られるのです。
気になる投稿を保存しておけば、後から見返して動画制作の参考にできるでしょう。ここでは、ブックマーク機能の特徴をご紹介します。
動画を保存しても通知がいかない
インスタグラムのブックマーク機能は、動画や画像を保存しても投稿者に通知がいきません。「いいね!」ボタンを押した場合は投稿者に通知され、ほかのユーザーからも誰が「いいね!」をしたのか分かる仕組みになっています。ところが、ブックマーク機能は誰にも知られることなく、気にいった投稿を保存できるのです。
コレクション機能がある
コレクション機能を使えば、「保存済み」フォルダに保管されている投稿をさらに細かくフォルダ分けできます。ジャンルごとに名前を付けて整理すると、より一層見返しやすくなるでしょう。気になる投稿があればコレクション機能を活用して積極的に保存し、動画マーケティングの参考にするのがおすすめです。
インスタグラムの動画編集方法
動画の編集方法には以下の3つのパターンがあります。
・インスタグラムアプリ内の編集機能を利用する
・スマートフォン内蔵の編集機能を利用する
・動画編集ソフト・アプリを利用する
インスタグラムアプリやスマートフォン内蔵の機能では手軽に簡易的な加工編集ができますが、物足りなく感じる方もいるでしょう。企業のマーケティング用動画には、本格的なコンテンツが作れる動画編集ソフト・アプリを利用するのがおすすめです。特に、PCから操作できる動画編集ソフトなら、自由度が高く思い通りの編集ができるでしょう。
ビジネス目的でインスタグラムに動画を投稿するメリット
企業が動画マーケティングを行ううえで、インスタグラムにはどのようなメリットがあるのか具体的に知ることが大切です。インスタグラムの強みや特徴を把握すれば、より効果的な動画運用ができるでしょう。ここでは、代表的な2つのメリットを紹介します。
動画広告を使った集客ができる
写真やテキストのみの広告と比べて、自社商品・サービスをより詳細に宣伝できます。音や動きによる臨場感のおかげで、ユーザーが直感的かつ具体的に商品を理解しやすくなり、高い集客効果が期待できるでしょう。
また最初から広告とするのではなく、動画を投稿して反応を見て、好意的だったもののみ広告としてさらに広く配信する、といった使い方ができるのも強みです。
認知度の拡大ができる
過去にインスタグラム上で宣伝された広告の、およそ98%で広告想起(この広告を見たことがある、と思い出せる状態)が大幅に向上しており、ブランドの認知度拡大に成功しています。インスタグラムは若いユーザーが多いため、特に若年層へ裾野を広げたい方におすすめです。
参考: Instagram for Business『Instagram広告を使ってブランドの認知度を高める』
インスタで効果が出やすい企業の特徴インスタで効果が出やすい企業の特徴
インスタグラムを活用したマーケティングでは、効果が出やすい企業にいくつかの共通点が見られます。以下の特徴をご覧ください。
・コスメ、アパレル、観光、飲食、建築物など「美しく魅力的なもの」や「映える」商材を扱っている
・趣味や娯楽に特化した商品を扱っている
・商品・サービスのターゲットが若者や女性である
・ECサイトを運営している
視覚的に楽しめる商材を扱う企業や、若者向けに商品・サービスを訴求する企業はインスタグラムと相性が抜群です。ECサイトを運営する企業は「ショッピング機能」で自社の商品を投稿にタグ付けして自社ECサイトへ遷移させられるため、集客効果を感じやすいでしょう。
まとめ
企業のマーケティングにおいて、インスタグラムは無視できない存在となってきました。今後ますます重要性が高まり、インスタグラムを使った動画マーケティングに乗り出す企業が増えるでしょう。
動画マーケティングを効果的に進めるには、目的やターゲットに合った動画を制作することが大切です。今回ご紹介したインスタグラム動画の基礎知識を把握して、自社のブランドやサービスの魅力が伝わる最適なコンテンツを配信しましょう。
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