Facebookのユーザー数の増加に伴い、いまや多くの企業がマーケティングにおいて活用しているFacebook広告。配信ターゲットを細かく設定できるほか、広告の目的に合わせて配信の最適化も可能であるため、高いコストパフォーマンスが期待できます。
例えば、コンバージョン獲得を目的にFacebook広告を出稿するとします。
配信設定の際に「コンバージョン最適化」を選択すると、Facebookの独自のアルゴリズムによって、より多くのコンバージョンが得られるような配信先に広告が表示されるようになります。
この記事ではFacebookの「コンバージョン最適化」に焦点を当て、そもそもの意味や設定方法、ポイントや注意点などについて解説していきます。
目次
「コンバージョン最適化」とは?
Facebook広告における「コンバージョン最適化」とは、コンバージョンがより獲得できそうなユーザーに対して優先的に広告を配信してもらうための設定のことです。
配信先のユーザーは、広告主があらかじめ設定した「ターゲット層」の中から選ばれます。
コンバージョン最適化を設定するためには、「広告配信の最適化対象」で「コンバージョン」を選択する必要があります。
余談ですが、マーケティング用語として「コンバージョン」という言葉を使う場合は、ある特定のアクションをユーザーが起こしてくれた状態のことを指し、「会員登録」や「アプリのダウンロード」というように、広告主が定める目的によりコンバージョンの定義が異なります。
Facebook広告では広告主側がカスタムコンバージョンを設定することで、コンバージョンの定義を決めることができ、コンバージョン最適化を選択すると、その定義に沿って特定のアクションがより多く得られるように、広告が配信されることとなります。
「コンバージョン最適化」を行う上での注意点
コンバージョン最適化を行う上で知っておきたいポイントや注意点について解説します。
フリークエンシーが多くなる
コンバージョン最適化を選択すると、コンバージョンに至りそうなターゲットに対して広告表示されるようになるため、一人のユーザーに何度も同じ広告が配信されてしまう可能性があります。
ただ、ターゲットをある程度広く保つことでフリークエンシーの頻度は下げることができ、同じ広告予算で結果的により多くのコンバージョンが得られるように配信してくれるため、広告の目的に沿った成果を期待することができます。
そのため、コンバージョン最適化を選択したからといって、本来の目的とは乖離しないため、必要以上に心配する必要はありません。
成果を高めるために多少は時間がかかる
コンバージョン最適化で高い成果が得られるようになるには、コンバージョンデータが週に50件ほど必要だとされています。コンバージョンデータが必要な理由は、その広告がどのようなユーザーと相性が良いかが分からなければ、Facebook側のアルゴリズムも誰に広告を配信するべきか掴めないからです。
そのため、たとえコンバージョンの最適化を選択していたとしても、コンバージョンデータが蓄積されるまでは「調査期間」のようなな期間となり、その期間を経て、よりコンバージョンの獲得が期待できそうなユーザーに広告が配信されるようになります。
参照:最適化イベント | Facebookヘルプセンター | Facebook
ピクセルを実装する必要がある
上記と関連しますが、コンバージョンデータをFacebook側が確認するためには、「ピクセル」と呼ばれるFacebook独自のコードを、広告クリック後に遷移する先のページで実装しておく必要があります。
利用可能な広告配信の最適化対象
Facebook広告ではコンバージョン最適化のほかにも、「広告の目的」によってさまざまな「広告配信の最適化対象」を選ぶことができます。
ここでいう「広告の目的」とは、広告配信の最適化対象を選ぶ前に広告主が設定するもので、目的によって選べる「広告配信の最適化対象」が異なります。そこで、各目的によってどのような広告配信の最適化対象が選べるのか、いくつか例を挙げて説明していきましょう。
参照:各目的で利用可能な広告配信の最適化対象 | Facebook Businessヘルプセンター
参照:Facebook広告: Facebookのオンライン広告 | Facebook for Business
ブランドの認知度アップ
広告の目的で「ブランドの認知度アップ」を選んだ場合には、最適化対象として「広告想起リフト」を選択することができます。広告想起リフトを選ぶと、広告を想起する人数が最大化されるように広告が配信されます。
リーチ
広告の目的で「リーチ」を選択した場合は、「リーチ」と「インプレッション」のどちらかを最適化対象として選ぶことになります。リーチの場合はより多くの「ユーザー」に、インプレッションの場合は「回数」がより多く表示されるように配信されます。
コンバージョン
広告の目的として「コンバージョン」を選んだ場合には最適化対象として、この記事で解説してきた「コンバージョン」が選択できるほか、広告をクリックしてくれそうな人に絞って広告を配信する「リンククリック」などを選択することができます。
動画再生数
広告の目的として「動画再生数」を選択した場合には、15秒以下の広告動画が最後まで再生されるように配信する「ThruPlay」(15秒以上の動画では15秒以上見る可能性が高い人に配信)や、「動画の10秒再生数」、「動画の2秒以上の継続的な再生」を選ぶことができます。
コンバージョン最適化の設定方法
最後にコンバージョン最適化の設定方法を、順を追って説明していきます。
複数の広告を横断的に管理するためには、Facebookビジネスマネージャを通じて広告を出稿することを求められますので、ここではFacebookビジネスマネージャのアカウントが開設されている前提で、説明をしていきます。まだ開設が済んでいない方は、下記のリンクからアカウントの作成を完了させて下さい。
参照:ビジネスマネージャの概要
広告の作成
まず下記のリンクにアクセスして「広告を作成」をクリックします。
参照:Facebook広告: Facebookのオンライン広告 | Facebook for Business
「目的」「ターゲット層」などの設定
広告の作成にあたり、前述の「目的」や「ターゲット層」を決める必要があります。目的に「コンバージョン」を選ぶと、後ほど広告配信の最適化対象で「コンバージョン」を選べるようになります。
広告の掲載場所を決める
次に、Facebook、Instagram、Messenger、Audience Network、の中から広告を掲載したい場所を設定します。また、このステップでは広告を掲載するモバイルの種類も設定することが可能です。
Facebookの推奨は可能な限り掲載面を絞りすぎないことを推奨しています。
「予算と掲載期間」の設定
設定を進めていくと、「予算と掲載期間の設定」画面が表示されますので、自社で割り当てている広告予算や実際に広告を掲載したい期間を設定します。
「広告配信の最適化対象」の設定
そして、「予算と掲載期間の設定」画面において「詳細オプションを表示する▼」をクリックすると「広告配信の最適化対象」を設定できるようになり、先ほど「広告の目的」でコンバージョンを選んでいれば、最適化対象から「コンバージョン」を選べます。
フォーマットを選ぶ
広告フォーマットは6種類あります。いずれもあらゆるデバイスで問題なく表示されるように設定してあります。広告でシングル動画やシングル画像を見せるか、画像を複数使用できるフォーマットを利用するか選択できます。
広告の実行
最後に広告プレビューなどを確認した上で「実行する」をクリックすると、審査を経て広告が配信されるようになります。
参照:Facebookビジネスマネージャスタートガイド: 無料ガイドをご覧ください。 | Facebook for Business
まとめ
初めてFacebook広告を出す場合、「コンバージョン最適化」といわれてもピンとこない人がいるかもしれません。ただ、会員登録や問い合わせの獲得などを広告出稿の目的とする場合、こうした知識が無ければ限られた広告予算を有効に活用できません。
実際にコンバージョン最適化を行う場合には、ピクセルの実装などが必要となることも説明しました。
ピクセルの実装などにはサイト編集やページ編集の知識も求められますので、自社のサイト担当者や外注先の担当者との連携も必要になります。
こうした点を踏まえた上で、コンバージョン獲得を主目的とする場合は、ぜひFacebook広告のコンバージョン最適化にトライしてみてはいかがでしょうか。
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