実店舗を経営する企業や営業範囲が限られる企業は、特定のエリアに住んでいるユーザーに対して広告を配信したいと考えるでしょう。そのようなターゲティングの基本となるのが、Facebook広告の「エリア指定」です。
この記事では、Facebook広告のエリア指定とは何か、どうやって設定するのか、設定する際の注意点などについて解説します。
目次
エリア指定はFacebook広告のターゲティングの基本
ここではエリア指定でできることや設定方法について解説します。
Facebook広告のエリア指定とは
Facebookでは豊富なユーザー情報が管理されており、エリア情報もその一つです。Facebook広告のエリア指定機能はユーザーが登録した住所やGPS情報から推定される行動範囲などを利用して、特定のエリアに位置するユーザーに対し広告を配信します。
特に店舗型ビジネスにおいてエリア指定は、必須のターゲティングと言えます。
Facebook広告のエリア指定は4種類ある
Facebook広告にはエリア自体の設定とは別に、そのエリアとユーザーがどのように関わっているかの設定もできます。エリアに「いる人」「住んでいる人」「いた人」「旅行中の人」に分けたターゲティングが可能です。
「特定の地域のすべての人」|最も多くの人にリーチできる
住んでいる人、(仕事やプライベートの用事などで)いたことのある人、旅行中の人など、いずれかの条件を満たしたすべてのユーザーに広告を配信する設定です。Facebook広告では、この設定が初期設定となっています。ある一定の期間に特定の地域内にいる人々に配信しますので、イベント告知に便利な設定です。
「特定の地域に住んでいる人」|リピーター候補にアプローチできる
Facebookに登録された住所をもとに、特定の地域に住んでいる人のみ広告が配信されます。飲食店の経営など、リピーター獲得ではなく、指定したエリアに住んでいる人だけにリーチしたい場合に有効です。
「最近、特定の地域にいた人」|ビジネスパーソンなども含まれる
GPSやIPアドレスなどのFacebookが取得したユーザーの位置情報を元に、最近特定の地域にいたユーザーを対象に広告が配信されます。例えば、勤務先に通勤するビジネスパーソンや、プライベートで行くお店などがその地域にある人などです。ただし、旅行者や遠方から出張してきた人なども含まれるため、このエリア指定を選択する際には注意が必要です。
「特定の地域を旅行中の人」|インバウンドビジネスに最適
Facebookが取得したユーザーの位置情報から、特定のエリアに短期的に滞在しているユーザーを対象に広告が配信できます。ある地域に滞在している人の自宅(自国内)が、その地域から200km以上離れていると判断される人が該当します。訪日外国人旅行者をターゲットとしているインバウンド向け宿泊施設やレジャー施設、飲食店などは活用してみると良いかもしれません。
参照:地域によるターゲット設定を使用する|Facebook Businessヘルプセンター
Facebook広告におけるエリア指定の手順
特定のエリアを指定する方法は、大きく分けて2つあります。1つは国や都道府県、市区町村、郵便番号など行政の区分で設定する方法です。もう一つは「半径3km」などのように、広告主がエリアを任意に決める方法です。
国や地域によるエリア指定
広告マネージャを使ってエリアを指定する場合、以下の手順で設定を行います。
- 【1】Facebook広告配信の管理画面を開く
- 【2】広告セットを選択し、新たにオーディエンスを作成するか、既存のオーディエンスを選択する
- 【3】ターゲット設定オプションの「地域」を表示する
- 【4】各セグメントを設定する
- ・国グループまたは地域(「日本」など)
- ・自由貿易地域(「APEC」など)
- ・DMA(指定マーケット地域)※日本は対象外
- ・都道府県
- ・市区町村 ※非対応の地域が多い
- ・郵便番号 ※日本非対応
- 【5】市区町村を指定した場合は半径が自動的に設定されるため、必要に応じて「半径内の市区町村」で半径(1~80Km)を調整する
ピンドロップでエリア指定する方法
マップ上で任意の場所を選び、そこを中心とした半径でエリア指定する方法もあります。手順は以下のとおりです。
- 【1】Facebook広告配信の管理画面を開く
- 【2】広告セットを選択し、新たにオーディエンスを作成するか、既存のオーディエンスを選択する
- 【3】ターゲット設定オプションの「地域」を表示する
- 【4】地域を入力(東京都など)する ※住所や座標入力はできない
- 【5】マップが表示されるので「ピンで地域を選択」を選択し、任意の場所にピンを立てる
- 【6】地域のボックス内の領域のドロップダウンで半径(1~80Km)を設定する
参照:新しいオーディエンスへのリーチについて|Facebook Businessヘルプセンター
参照:ターゲット地域を設定する|Facebook Businessヘルプセンター
参照:全世界を対象としたターゲット設定に含まれる国|Facebook Businessヘルプセンター
参照:地域を保存するには|Facebook Businessヘルプセンター
Facebook広告でエリア指定する際の注意点
ここでは、Facebook広告でエリア指定する際の注意点を紹介します。
日本では細かいエリア指定ができない
先ほども少し触れましたが、Facebook広告では日本へのエリア対応が十分とは言えません。そのため、地元密着型で狭いエリア指定をしたい場合は、ピンドロップによる指定を活用すると良いでしょう。
住所を登録していないユーザーが多い
Facebookユーザーのなかには、住所を登録していないユーザーが多数います。この場合、Facebook広告はユーザーのIPアドレスに基づいて広告を配信します。しかし、Facebookがどこまで地域を絞り込んで配信しているかは不明であり、市町村レベルでは区別されていないと言われているので注意が必要です。
まとめ
特定の地域に絞りFacebook広告を配信したい場合は、エリア指定を活用しましょう。特に実店舗を持っている企業や、営業エリアなどが限られる場合は、有効活用できるでしょう。
ただし、国や地域によるエリア指定の他、特定の場所から半径1~80kmでエリア指定できる一方、日本のエリア対応は不十分な面があったり、指定したエリアにいるユーザーの母数が少ないがために広告表示がされないことがあるため、活用する場合には注意が必要です。
効果測定などのフィードバックもしながら、Facebook広告のエリア指定を活用してみてはいかがでしょうか。
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