画像や動画でのコミュニケーションを楽しむSNS「Instagram」、通称「インスタ」は、月間アクティブユーザーが10億を超える巨大メディアです。
日本国内では(令和元年9月時点)20代の63.2%、30代の44%が利用しているというデータもあり、ここからトレンドが生まれることも珍しくありません。
広告の掲載先としても非常に魅力的ですが、出稿する前にどのくらい効果があるのかを確認しておくと、より効率的な運用が可能です。
そこで本記事では、インスタ広告のクリック率についてまとめました。
参照:平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>
目次
インスタ広告の平均クリック率
インスタ広告には、大まかに分けると「フィード広告」、「ストーリーズ広告」の2種類があります。
それぞれのクリック率は、フィード広告が0.82%、ストーリーズ広告は0.75%です。
ストーリーズ広告のほうがやや高いものの、クリックされるのは1,000回表示されたうちの7~8回となります。
配信するための業種や、ターゲティング、クリエイティブに大きく左右されるので、あくまでも目安となります。
インスタ広告のクリック率が低い理由
インスタ広告のクリック率は、フィード広告もストーリーズ広告も1%以下であり、多くの人が「低い」という印象を持つのではないでしょうか。
ただ、ウェブサイトやアプリの広告枠に掲載する「ディスプレイ広告」もクリック率は0.3%ほどです。
こうみると、インスタ広告だけが飛び抜けて低いわけではないことが分かります。
インスタ広告やディスプレイ広告のクリック率が高くならない理由は、潜在的なニーズを持つユーザーに向けて発信するものだからです。
逆説的にいえば、できるだけ多くの人に配信し認知度アップを高めたいときには大きな効果を期待できます。
一方で、明確なニーズを持つユーザーへピンポイントにアプローチしたいときは、「リスティング広告」(検索結果画面の上部に表示される広告)のほうが向いています。
インスタ広告でもディスプレイ広告でも媒体のデモグラなどを活用したターゲティングよりも、過去サイトに来訪したユーザーをターゲティングする「リマーケティング」を活用するとCTR効率も高くなる傾向があります。
業種によるクリック率の違い
インスタ広告をはじめとするウェブ広告のクリック率は、業種によっても異なります。
傾向として、買い換えや乗り換えが容易なものはクリック率が高くなります。
ヘアケア用品やコスメなどは「良いものがあれば使ってみたい」というニーズが高く、比較的クリックされやすいといえるでしょう。
反対に、1度購入すると簡単には買い換えられないものや、長く使う製品の広告はクリックされにくいです。
業種としてはマンションなどの不動産や自動車などが該当します。
参照:Google Ads Mobile Benchmarks for YOUR Industry
広告内容にマッチしたフォーマット選びが重要
インスタ広告を最大限に活用するには、複数ある広告フォーマットのうち製品にもっともマッチするものを選ぶことも重要です。各フォーマットの特徴を解説します。
画像広告
1枚の画像とテキストで構成されるシンプルな広告です。
Instagram広告のもっとも基本的な形であり、ファッションやインテリア、書籍、イベントのお知らせなど、幅広いジャンルで活用できます。
動画広告
画像の代わりに動画を用いる広告です。
画面と比較して動きが生まれるため、より注目を集めたいときや動きを見せたい商品、商品についてをわかりやすく説明したい広告に向いています。
カルーセル広告
複数の画像や動画を配信できる広告です。
商品のカラーバリエーションを紹介する、組み立て前と組み立て後の比較画像を掲載するなど、工夫しだいで多彩な表現が可能です。フィード広告では、ユーザーがスワイプして前後の画像を表示させます。
ストーリーズ広告では時間経過によって自動的に画像が切り替わります。
コレクション広告
メインとなる画像と商品カタログを組み合わせて表示させる広告です。
メイン画像の下部に表示されるカタログ部分をタップすると外部サイトなどへ直接誘導できます。
ECサイトを持つブランドなどに多く活用されています。
クリック率を上げるデザインとは
クリック率を上げるには、広告のデザインをクリックしたくなるものにすることも重要です。
デザイン面でのベーシックなヒントをまとめました。
数字を表記する
例えば「全品500円オフ」など訴求ポイントとなる数字を表記するだけで、ユーザーが受けられるメリットが明確になります。
インスタの世界観になじませる
インスタは、投稿者のセンスを感じさせる画像が人気を集めるSNSです。
そのためセールの案内であっても安売りチラシのようなデザインはなじみません。
ユーザーの日常に歩み寄り、「素敵」「楽しそう」と思わせるデザインを心がけましょう。
広告だと感じさせない工夫をする
全面的に広告であることがわかるデザインだと、ユーザーは避ける傾向にあります。
ユーザーが好む画像や動画をメインに据え、ブランドロゴは控えめにするなど、ユーザーのフィード内で悪目立ちしないことが大切です。
成功事例
実際にインスタ広告で成果を出し、クリック率をアップさせた成功事例をご紹介します。
株式会社ツヴァイ
結婚相談所のツヴァイでは、新規会員獲得のためにInstagramのストーリーズ広告を導入。
「結婚できない人が利用するもの」というマイナスイメージを払拭するために、限りなく一般ユーザーの投稿に近い形でスタンプやテキストを使ったカルーセル広告を掲載しました。
その結果若年女性へ的確にアプローチでき、クリック率向上に成功しています。
参照:株式会社ツヴァイ
ダイキン工業株式会社
世界的なエアコンメーカーであるダイキン工業は、若年層にダイキンブランドのよさを知ってもらう目的でストーリーズ広告を展開しました。
コミュニケーションのきっかけとして、ストーリーズの機能のひとつであるアンケートスタンプを採用。
アンケートスタンプがない広告に比べクリック率が1.7倍になるなど、大きな成果を得ることができました。
参照:ダイキン工業
クリック率アップにはターゲティング設定も重要
インスタ広告はFacebook広告と出稿ツールが共有化されているため、Facebook広告と同じく詳細なターゲティングが可能です。効果が出ないときはまず、一つの手段としてターゲティング設定が広すぎないか、あるいは絞りすぎていないかを見直しましょう。
また、いつまでも同じターゲットにだけ広告を配信し続けていると、やがてリーチし尽くしてしまい必然的に効果が下がってきます。常時複数のターゲットに配信して高い効果が出ている部分を把握し、PCDAを回しながら運用することが大切です。
まとめ
インスタ広告のクリック率は、広告デザインとターゲティング設定に大きく左右されます。
出稿の際はこの2つの方向性を十分に話し合い、なおかつPCDAサイクルを回せる環境を整えておきましょう。
また、クリック率だけにとらわれず、広告の本来の目的をチームで共有し、目的からぶれない運用を続けることも重要です。
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