簡単なスライドショー動画の作り方とおすすめ編集ソフト

スライドショー動画とは、画像を繋げて作成する動画の形式です。コストが低く、初心者でも作成しやすい形式なので、これから動画コンテンツをビジネスに導入したいという企業や担当者は、ぜひ検討してみましょう。

 

 

スライドショー動画とは

スライドショー動画とは、写真やイラストなどの静止画像を繋ぎ合わせ、次々と表示させる動画のことです。スライドショーの最もわかりやすい例はいわゆるパワポ(パワーポイント)で、会議のプレゼン資料などを作る際、利用した経験がある人も多いでしょう。

近年のビジネスでは、動画を使ったマーケティングも重要な位置を占めています。テレビや映画のような高品質な動画も多くありますが、一方でパワポのようなスライドショー形式の動画も増えています。

スライドショー動画は「静止画と動画のメリットを両方活かせる点」が強みです。簡潔かつひと目で情報が伝わる静止画と、動きがあって注目されやすい動画を組み合わせることで、様々な層に訴求できる効果があります。

また、スライドショー動画は導入のしやすさも大きなメリットです。通常の動画と比べて費用や時間などがかからず、それでいて見た人に「おしゃれ」「素敵」と思わせるようなコンテンツの作成が可能なため、これから動画を使ったマーケティングを始める企業には特におすすめの方法といえます。

スライドショー動画のメリット

動画の中でもスライドショー動画を活用する最大のメリットは、工数の少なさです。通常の動画を撮影しようとすれば多大な手間と時間、そして費用が発生しますが、スライドショーは主に静止画を繋げて作成するため、制作にかかるコストを抑えられます。

また、通常の動画よりデータ容量が少なくなるので、通信量を抑えられる点も強みといえるでしょう。データ容量が小さければ、デバイスのスペックや通信速度による影響が少なく、表示時間の遅延や画質の劣化を防げます。

加えて、一部の画像を差し替えるだけで内容の変更が可能なので、必要に応じて差分の作成もスムーズにおこなえます。戦略や評価にあわせて柔軟な対応が可能となり、ビジネスチャンスを逃すことなく活用できます。

メリット1.コストを掛けずに動画並みの訴求力がある

通常の動画は、撮影場所や機材の確保が必要です。また、より高品質な動画を作ろうと思えば、撮影や編集には専門技術をもったスタッフを押さえなければいけません。一方、静止画の発注コストは通常の動画よりおおむね割安なケースが多いでしょう。

外注すればそれだけ費用は発生しますが、それでも動画の外注よりは安く済みます。作業に必要なスタッフが撮影より少なく、フリーランスのカメラマンなどに依頼すれば制作会社で撮影してもらうより安上がりです。

よりコストを抑えたければ、画像素材サイトを利用すると良いでしょう。商用でも無料で使えるサイトもあり、月額制で使い放題のサイトもあります。後述する動画編集ソフトにも、素材がセットになっているケースもあります。

上記のようにコストを抑えつつ、ある程度の訴求力が保てるのもスライドショー動画の魅力です。人は文字よりも画像、画像よりも動画のほうが、一度に多くの情報を理解できるといわれています。そのため、より訴求力のある動画を作成したいなら、プロ用の動画編集ツールなどを検討する必要もあるでしょう。

Facebookでは調査を実施し、コミュニティからのフィードバックを分析することで、広告の各種属性が広告のパフォーマンスにどのように影響するかを把握するよう努めています。たとえば、画像内のテキストを20%未満に抑えると、パフォーマンスが高くなることがわかっています。これを踏まえ、メッセージが効果的に伝わるように明確で簡潔な短いテキストを使うことをおすすめします。

Facebook for Business

と、このようにFacebookでは広告バナーに使用する画像について、「画像内のテキストは20%未満を基準に、少なければ少ないほど良い」というルールを出しています。人になんらかのアクションを誘発させるためには、テキストより画像のほうが効果的なのです。

メリット2.データ通信料を多く消費しない

スライドショー動画は通常の動画よりデータ容量を抑えられるため、ユーザー側の通信料を圧迫しません。データ制限を気にすることなく再生が可能であり、遅延や画質低下などの不具合も防げるため、ストレスフリーな視聴が可能です。

特に広告や動画サイトでの配信は、ユーザー側の通信環境や使用デバイスによる影響が大きいといえます。データ容量の少ないスライドショー動画なら、そういった「配信側からは解決できない問題」が少なく、狙い通りの訴求効果が期待できます。

メリット3.シーズンに合わせて差し替えしやすい

ビジネス目的の場合、シーズンによって差分を作ったり、まるごと差し替えたりなどの変更は頻繁に起こりえます。通常の動画なら撮影準備に多くの人員と費用が必要になるため、取り直しも簡単ではありません。

しかし、スライドショー動画なら元動画をもとに細かい変更を加えて、シーズンごとの差分を作ることも簡単です。一部の画像を差し替えたり、季節に合わせたエフェクトに変更したりするだけなら、1日掛けずに終えることも可能でしょう。

コンテンツを内製する企業では、動画制作に専任の担当者がついているケースは少ないと思います。スライドショー動画の導入で作業工程の短縮ができれば時間にゆとりができて、業務効率を上げることができるでしょう。

スライドショー動画の活用方法

スライドショー動画は、様々なビジネスで活用できます。代表的なものはWebやアプリの広告です。SNSとあわせて活用すれば、1つの動画で数万の人に見てもらうことが可能であり、短期間で会社の知名度を上げられます。

他には、駅や電車内などの公共施設で不特定多数にアピールできる「デジタルサイネージ」を使った活用方法や、実店舗でのポスターやポップ代わりに使うといった方法があります。アイディア次第で、効率的に自社のビジネスや商品を知ってもらえます。

Web広告として活用する

スマートフォンの普及により、インターネットの利用傾向は年々増加傾向にあります。特に、10代から20代の若年層の場合、平均でも1日200~300分をネット行為に費やしています。商品やサービスの宣伝にあたって、利用者の多いWebやアプリ上での広告は欠かせないジャンルといえるでしょう。
参照:令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 総務省情報通信制作研究所

特に、SNSの広告でいわゆる「バズる」状態になれば、大きな波及効果があります。投稿して1日立たずに、何万、何十万といった人に見てもらえるのです。そこまでいかなくても、近年は必要な情報をSNSで調べる人が増えているので、そういった人たちの中から適切な顧客層にアプローチできれば、高い宣伝効果を得られます。

また、スマートフォンのほうが、パソコン利用者より多い点にも注目しましょう。これはつまり、インターネットの利用者は出先や、何か別の作業と一緒に閲覧している可能性が高いということです。

そういった場合は音を消していることも多く、動画だとテロップがなければ何を伝えているのかわかりません。一方、静止画とテキストを組み合わせられるスライドショー動画は、音を消していても重要な情報は伝わりやすいというメリットがあります。

デジタルサイネージとして活用する

デジタルサイネージとは、公共の場所で不特定多数に向けて発信するメディアのことをいいます。サイネージとは「標識」という意味ですが、主に商業用のポスターや看板といった意味で使われます。デジタルサイネージは「電子化された看板やポスター」ということです。

発信場所は様々な場所を想定できます。街頭や駅、電車やタクシーの車内、ショッピングモールやビジネスビルなど、あらゆるところで電子公告が普及しています。デジタルサイネージは、なるべく多くの人へのアプローチが重要となるBtoC事業において、特に取り入れたい手法です。

デジタルサイネージとスライドショー動画は、相性が良いといえます。なぜなら、情報を簡潔にまとめられるので、短い時間で的確な内容を伝えられるからです。つまり、通勤・通学中や、待ち合わせのときに「ながら見」をしやすいといえるでしょう。

小売業・飲食店の販促広告として活用する

ポスターやメニュー、ポップなど、店頭での販促ツールとしてもスライドショー動画は活用できます。これらは紙媒体を利用しているケースが多いのですが、チェーン店などを中心に電子化が進んでいます。動きがつくことで目を引きやすく、購買意欲を掻き立てやすい点は紙媒体にない強みといえるでしょう。

また、これらは頻繁に入れ替えがおこなわれるため、制作コストが低いというスライドショー動画のメリットを活かせます。一度導入すればデータの入れ替えだけで対応できるので、紙媒体のように印刷する手間がなくなり、コストカットができます。

スライドショー動画の作り方

スライドショー動画を作るときは、まず「コンセプト」と「目的」を考え、それに見合った画像を素材として用意します。自分で作成した写真やイラストを使っても良いですし、素材サイトや外部に発注するのも良いでしょう。素材が十分に集まれば、動画編集ソフトを使って繋ぎ合わせ、BGMなどを入れていきます。
ここからはスライドショー動画の作り方を、段階ごとに詳しく解説します。

1.コンセプトや目的を決定する

「なんのために作成するのか」は、スライドショー動画に限らずあらゆるビジネスにおいて重要です。宣伝、プレゼン資料、商品メニューや説明書、社内広報やマニュアルなど、スライドショー動画の用途は多岐に渡ります。

動画のコンセプトを決めるときは、広告と同じくターゲットの設定が重要です。商品やサービスの宣伝なら、それらのターゲットをそのまま狙うと良いでしょう。あるいは、見せ方をいくつか用意して、メインターゲットとは違う「新たな顧客層」の発掘にも使えるかもしれません。

ターゲットと目的が定まれば、どのようなスライドショー動画にするか定まってきます。「若者向けだからフランクで親しみやすい感じ」「30代の女性がターゲットだからおしゃれで素敵な女性像をイメージ」というように、おおまかなコンセプトを決めていきましょう。

2.画像を作成する

次に、素材となる画像の作成をおこないます。クオリティを重視するなら、プロのカメラマンに写真を撮ってもらうか、イラストレーターにオリジナルのイラストを発注しましょう。コンセプトを伝えれば、イメージに合った画像を作成してもらえます。

外部に発注せず、自社の担当者で作成しても良いでしょう。特に、写真はスマートフォンでも十分にきれいなものが撮影できます。また、画像素材サイトなら何万点もの素材が手に入るため、コンセプトに沿ったものも見つけられるでしょう。無料のサイトもありますが、より高品質な素材が欲しければ有料サイトもおすすめです。

3.動画編集でスライドショーにする

素材となる画像が集まったら、動画編集ソフトを使ってスライドショーにしていきます。
画像のカット(トリミング)や傾き調整、縦横比の変更、色味やぼかしなど、基本的な調整は動画編集ソフトで可能です。しかし、使いづらければ事前に静止画用のソフトで編集し、それから動画編集ソフトに取り込んでも良いでしょう。

テキストやBGM、エフェクト(画像に挿入するアニメーションや効果音)の挿入などは、動画編集ソフトでおこないます。これらの素材は動画編集ソフトに内蔵されていますし、ソフトによっては追加でダウンロードもできます。最初はこういったプリセットの素材を使い、物足りなければ自分で作成するなど、より高度な編集ができるソフトにグレードアップしていきましょう。

 


【お役立ち資料】動画編集ツール・サービスを導入する前に
必ず押さえておきたい6つのポイント

このeBookでわかること
・動画編集ツールのよくある基本機能
・動画配信用途に合わせた編集機能の違い
・編集や書き出し時の著作権上の注意


 

スライドショー動画のおすすめ編集ソフト

スライドショー動画を作るときに便利な、おすすめ編集ソフトを紹介します。専門家ではない初心者が使うなら、高機能な有料ソフトより基本的な機能が揃った無料ソフトから入るほうが良いでしょう。無料ソフトでも十分に魅力的な動画を作成できます。機能が多いと最初のうちは混乱してしまいます。

ムービーメーカー

ムービーメーカーとは、Windowsに付属する無料の動画編集ソフトで、初心者にも使いやすいといえます。スライドショー動画の素材となる画像をアップロードすれば、お任せでスライドショーを作成できる機能があります。この機能で作られたものをもとに、画像の順番やテキストの内容を調整すれば、短時間でスライドショー動画が作れます。

ただし、ムービーメーカーは2017年1月10日をもって提供停止になっており、現行はWindowsフォトというソフトで同じような作業ができます。停止前にソフトをダウンロードしている場合は引き続き使用できますが、公式のサポートはなくなっているので注意しましょう。一部のWebサイトでダウンロードできるところもありますが、これらは公式ではなく、コンピューターウイルスなどに感染するリスクがあるので注意しましょう。

iMovie

iMovieは、Apple製品を購入した際に搭載されている動画編集アプリです。iPhoneやMacBook、iMacで使用できます。作業環境がApple製品の場合は、他の無料ソフトより使いやすいのでおすすめです。

特徴は、シンプルで直感的な操作が可能なところです。動画の作り方に詳しくなくても、簡単におしゃれなスライドショー動画を作成できます。4K解像度ビデオにも対応しているため、高画質な動画も作成可能です。

Wondershare Filmora X

Wondershare Filmora Xは、世界150ヶ国で使われる有料動画ソフトです。誰でもプロ並みの動画を作成可能で、初心者から中級者までにおすすめできます。カラーバランスの自動調整や動画上の動きに合わせてエフェクトが動くモーショントラッキングなど、様々な機能があります。よく使う機能はショートカットの設定もできるので、作業時間の短縮にも繋がります。

公式のYouTubeチャンネルで使い方を学べるので、初めてスライドショーを作る人も導入しやすいでしょう。体験版では、作品にロゴは入ってしまいますがお試しで動画を作れます。まずは体験版から使ってみて、使用感が良ければ製品版を購入することをおすすめします。また、商業利用が可能な素材サイト「Filmstock」と併用すれば、1000万を超える画像や音声、エフェクト素材が利用できます。

スライドショー動画を作成して魅力を発信しよう

スライドショー動画は、作成コストの低さと、簡単に魅力的なプロモーションが可能な点が魅力です。「本格的な動画を外部に発注するほどではない」「短期間で動画を作成したい」といった場合には、特におすすめです。
また、動画コンテンツはSNSでの配信も重要です。その際、SNSで配信した動画がどのような効果を得られているか測定するために、SNSとの連携機能がある動画編集ソフトを使うと良いでしょう。

Video BRAINは、オンラインでどこでも動画制作が可能なクラウドサービスです。SNSの効果測定やAIサポートで動画作成機能もあるので、ぜひ導入を検討してみましょう。


 

関連記事

社内で動画を内製化するメリット・デメリットと成功事例を紹介

ビジネスにおける動画活用が一般化しつつあるいま、動画の編集・制作を外部に依頼することなく自社で行うことを、動画制作の「内製化(インハウス)」といいます。動画制作の内製化は、長期的に見るとコストの削減 ...

効果的なマニュアル動画の作り方とは?具体的な活用事例を紹介

マニュアルといえばこれまでは印刷した冊子やPDFファイルの配布が主流でしたが、最近は動画を使った「マニュアル動画」を利用する企業が増えています。この記事ではマニュアル動画のメリットや導入事例、作成ポ ...

BGMの著作権

動画制作におけるBGMの著作権の注意ポイントと事例を解説

映画やアニメ、ゲームなどには、必ずといっていいほどBGMがついており、作品において重要な要素となっています。動画コンテンツや動画広告においてのBGMもまた、映像の伝えたいイメージや内容をサポートする ...

動画広告の制作費用と制作ポイントを解説

動画広告を制作したいけれど、どのようにしたらいいのかわからない、という方もおおいのではないでしょうか。また、動画広告制作の費用についても気になるところです。 この記事では、動画広告の制作費用と ...

YouTube動画の編集方法とは?ソフトやアプリも紹介

  近年、スマートフォンは私たちの生活に欠かせない存在になりました。総務省の調べによると、2019年には8割以上の世帯がスマートフォンを保有しています。また、インターネットを利用している人の半 ...

この記事をシェアする